損益分解の答え

 

さて前回の質問はどうでしょうか?

簡単でしたか?

 

こんな質問でしたよね。

http://225option.net/3479

 

 

 

こういう前提条件で期近のコールを買って、

日経平均が9,000円から9,250円に大幅上昇したときの

損益分解です。

 

 

 

では答え。

 

【1】=B4*(D1-B1)=50*(9250-9000)=1250円

 

【2】=1/2*B5*(D1-B1)^2=1/2*3*(9250-9000)^2=93750円

 

【3】=B6=-3円

 

【4】=B7*(D2-B2)=1*(18-20)=-2円

 

 

このようになります。

 

 

 

 

 

 

ん!?

 

 

デルタから1250円って1000倍するから

125万の利益??

 

ガンマから93750円ってことは

9000万円も儲かっちゃうの???

 

 

 

この計算式、

なんかおかしいですよね!

 

 

 

大丈夫ですか?

同じミスをしてませんか?

 

 

 

 

 

どこが違うかわかりましたか?

 

 

 

正解は、日経平均の単位です。

 

 

何度も私がお伝えしているように、

デルタやガンマを100円当たりの損益としています。

 

だから9250円は、9.25として計算するんです。

 

 

 

では答えです。

 

 

【1】=B4*(D1-B1)/100=50*(9250-9000)/100=125円

(なぜなら私のサイトでは100円当たりの変動を計算するので)

 

【2】=1/2*B5*((D1-B1)/100)^2=1/2*3*((9250-9000)/100))^2=9.375円

 

【3】=1(日)*B6=-3円

 

【4】=B7*(D2-B2)=1*(18-20)=-2円

 

 

この考えだと、

デルタは最大が100になりますよ。

 

よく書籍では最大1としていますが、

私は100倍しています。

 

なぜこれをするかというと、

ガンマの数値がすっきりするからです。

 

 

今回のガンマは3でしたが、

100倍にしない値だと0.0003というように、

ガンマの大きさがイメージしにくいからです。

 

 

 

もちろん書籍に載っているようにデルタを0.5にしても、

当然ですが結果は一緒です。

 

【1】=0.5*(9250-9000)=12円

 

【2】=1/2*0.0003*(9250-9000)^2=9.375円

 

 

 

もちろんどちらが正しいとか

間違っているわけではなく、

どちらかで統一して理解すれば

応用はいくらでも効きますからね。

 

 

 

 

 

 

 

そして損益合計、つまりプレミアムの増減は

 

【5】=【1】+【2】+【3】+【4】

 

で表されます。

 

 

つまりこの変動で、

デルタからは125円利益が出て、

ガンマからは9.4円、

セータはコール買いなので-3円、

ベガはIVが下落したので-2円

 

全てを足して129.4円が

このトレードの損益変化になります。

 

 

 

 

デルタが50で日経平均が250円動いたら、

125円が利益になるのは分かりますよね?

 

実はこの場合は

デルタからの利益がほとんどを占めています。

 

 

こうやってどのリスク指標から

利益が出ているのかを調べるのが

損益分解というわけです。

 

 

 

  ■

 

 

 

 

じゃあもう少し例題を挙げてみましょう。

 

 

オプション戦略のほとんどは

デルタニュートラルにしているスプレッドです。

 

それであれば

デルタ分は0になるので、

 

損益=ガンマによる変化+セータによる変化+ベガによる変化

 

これだけになりますよね。

 

 

 

 

 

例えば

デルタ=0

ガンマ=5

セータ=-6

ベガ=2

 

というポジションを持っていて

日経平均が200円動いて

IVが1%上昇した時を考えてみましょう。

 

 

 

前日からの損益変動は、

 

ガンマ×1/2×(日経平均の変動)^2 + セータ×1日 +ベガ×IV変化

 

=5×1/2×2^2 + (-6)×1 + 2×1

=10-6+2

=6

 

 

よって前日から6円だけ上昇した、

ということが分かります。

 

 

このポジションで

1日200円の変動があると

6円上昇します。

 

 

これが日経平均が全く動かず、

それによりIVが-1%さがると

どうなるでしょうか。

 

 

 

ガンマ×1/2×(日経平均の変動)^2 + セータ×1日 +ベガ×IV変化

 

=5×1/2×0 + (-6)×1 + 2×(-1)

=-6-2

=-8

 

8円損失が出てしまいました。

 

 

 

 

 

 

じゃあサブプライムショックなど、

大幅な変動が起きた時にはどうなるでしょうか?

 

売り系のポジションとして

さっきと全く逆のポジションを持っていたとしましょう。

 

デルタ=0

ガンマ=-5

セータ=6

ベガ=-2

 

 

サーキットブレーカー発動なんてときは、

いったいどのくらい価格変動があるのか、

知っておかないと怖くてポジションを持てないですよね。

 

 

 

日経平均が1,000円下落、

IVが10%上昇したと考えます。

 

同じようにガンマを計算すると、

=-5×1/2×10^2 + 6×1 + (-2)×10

=-250+6-20

=-264

 

 

つまり1,000円の大暴落があって

IVが10%も急騰しても、

264円の損失で収まるんです。

 

 

264円の損失が多いか少ないかは

トレーダーの考え方次第ですが、

あらかじめ最大損失が分かっていたら

恐怖は和らぎますよね?

 

 

 

  ■

 

 

 

こうやって4つのリスク指標について、

それぞれの損益を合計して算出するプロセスが

損益分解です。

 

 

ココが理解できると、

オプションプレミアムに与える

全ての要因を把握することができます。

 

つまり理論的に価格が計算されて、

この先の変動によって

どのくらい損益が出るか分かるんです。

 

そうすればオプションが

怖くなくなるはずです。

 

 

 

 

怖いだと感じるのは

最大損失が予想できないからであって、

こうやって損失が予測できるようになれば、

それは怖いかどうかじゃなくて、

リスクを取るかとらないかの選択だけになります。

 

 

実際のリスク指標と今の市況を使って、

いろいろ試してみてください。

 

ほとんど理論的に価格が動いているはずです。

 

たまに理論値から外れるときもありますが、

それでも大幅に外れるわけじゃなく、

想定の範囲内で誤差の程度で

外れるということが分かると思います。

 

 

 

損益分解については

理解できたでしょうか?