ポジティブガンマのデルタヘッジ戦略

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あなたはポジティブガンマのデルタヘッジを繰り返して、相場の上下に関係なく利益を積み上げていけるオプション独特の戦い方をご存知でしょうか?

株式投資やFXでは上がるか下がるか予想して、取引をするのが一般的です。

ところが、相場観を一切入れない戦い方として、オプションを使った戦い方がポジティブガンマのデルタヘッジになります。

別名ダイナミックヘッジ(またはダイナミックヘッジング)と呼ばれています。

この手法をマスターすると、相場の方向性には一切興味が無くなり、その代わりに相場が大きく動くか全く動かないかという視点で日経平均の値動きを観察できるようになります。

ポジティブガンマのデルタヘッジでは大きく動けば動くほど利益は無限大に取れる可能性があるため、この戦略をマスターすることで今までにない利益の出し方を実感することができるでしょう。

この記事ではポジティブガンマのデルタヘッジ戦略で利益が出る根拠と、どのタイミングでデルタヘッジしていけばいいかの詳細を解説します。

この記事を読むことであなたも日経225オプションによるデルタヘッジを使って日々の日経平均株価に一喜一憂しない取引が出来るようになりますよ。

ポジティブガンマ戦略とは

ポジティブガンマ戦略とは、オプションのリスクパラメータの1つであるガンマを、プラスにした戦略のことを指しますが、同時にもう1つのリスクパラメータであるデルタを0(=デルタニュートラル)にする戦略のことを指します。

これがポジティブガンマ戦略の基本形となります。

アットザマネーのオプションを利用した場合にはデルタは0.5になりますので、例えばコールオプションを1枚買ってデルタが+0.5、日経225ミニを5枚売ることでデルタが-0.5となり、ポジション全体のデルタは0にすることができます。

このようにポジション全体のデルタが0になった状態をデルタニュートラルと呼びます。

このデルタニュートラルの状態をリスクカーブで描くと、下図のようにおわん型の形状が描けます。

これがデルタニュートラルにしたポジティブガンマ戦略の基本形の完成です。

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デルタヘッジとはデルタを0にする行為

この形状で、原資産である日経平均が変動すると、緑の損益グラフに沿って右側に移動するか左側に移動するため、ポジション全体の損益がプラスになります。

日経平均が上昇するとおわん型の右の曲線を登り、日経平均が下落するとおわん型の左の曲線を登っていくことをこの図が示しているからです。

つまり、日経平均が上昇しても下落しても、利益になる戦略を実現していることが分かります。

デルタヘッジで市場暴落時に112万円の利益を出せる理由とは、デルタニュートラルにすることでポジティブガンマから利益を取りに行っているからです。

ポジティブガンマを実現するには、先物とオプションを組み合わせたり、オプション同士を組み合わせてロングストラドルのポジションにすることが良く知られています。

いずれもエントリー時にデルタニュートラルをポジション組成時に実現する方法です。

ただ、エントリー時にはデルタニュートラルでも、デルタはこのおわん型の傾きを指しますので、日経平均が動けば動くほど、デルタニュートラルではなくなることがおわかりでしょうか。

日経平均が変動すると、徐々に傾きを持ち始めます。
つまりデルタがプラスかマイナスに変化しているということです。

そのようにデルタがプラスかマイナスに変化した際に、ポジションエントリー時と同様に日経225ミニを利用してデルタをニュートラルに戻すことでポジション組成時の状態に戻します。

このように日経平均の上昇か下落を再び狙うポジション調整を、連続して行うのがポジティブガンマ戦略の戦い方となります。

デルタニュートラルの状態から傾きを持つということは、デルタがプラスかマイナスかに振れています。

ですので、相場が続伸あるいは続落すればデルタから利益を狙えるポジションになりますのであえてポジション調整せずに利益を伸ばすこともできます。

ですが、ポジティブガンマ戦略の狙いは相場の方向性に関わらず上昇か下落のどちらかを得利益に変えることになりますので、基本的にはデルタをニュートラルに戻すことになります。

デルタを0にするために利用するのは日経225ミニ

そこでデルタニュートラルにするには、日経225ミニを使います。

例えば組成時のデルタが0であり、日経平均が上昇してデルタが+0.1となったら、日経225ミニを1枚売ります。

日経225ミニはデルタ0.1の商品になりますので、組成時にコールオプション1枚買い+日経225ミニ5枚売りのポジティブガンマのポートフォリオの場合を考えてみます。

コールオプションのデルタが+0.1増えた場合にポジション全体のデルタは、コール+0.6と日経225ミニ5枚の-0.5となるため、トータルは+0.1になります。

+0.1だけ余分なので、この時点で日経225ミニを1枚追加で売り、コールオプション1枚買い+日経225ミニ6枚売りへとポートフォリオを変化させることでデルタニュートラルを実現します。

このように日経225ミニを売り買いすることでデルタを調整していく行為がポジティブガンマ戦略の肝になります。

ヘッジポイントに到達したらデルタヘッジを行う

このようにデルタがずれたらデルタヘッジをします。デルタは0.1ずれたら実行するのか0.2ずれたら実行するのかはリスクリターンのバランスによります。

ヘッジとして調整する日経225ミニのデルタは0.1なので、デルタが0.1未満の変動に対するヘッジはできません。

もし日経平均がポジション組成時と同じ価格帯に戻ったら、今度はポートフォリオ全体のデルタが-0.1となっていることになりますので、先ほど売った日経225ミニを1枚買い戻します。

そうすることで、高い価格でミニを売り、安い価格でミニを買い戻したために日経225ミニから利益が出ていることがわかります。

では、どうやったらこのデルタヘッジポイントであるデルタ0.1を算出できるのでしょうか。

デルタヘッジの具体的方法

デルタヘッジのポイントを見極めるには、デルタの数値を把握しておく必要があります。

または、デルタが0.1ずれるポイントをガンマの数値から逆算して求める手法もあります。

ポジションを組成した6日後に日経平均株価が17,180円となり、デルタが+0.2となりました。

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よってこの場合は日経225ミニを2枚売ってデルタを0に戻します。

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このように組成時のリスクカーブ同様に現在の位置がおわんの底になり、上昇しても下落しても利益が出るリスクカーブとなっています。

毎日ヘッジできれば利益が残る

この状態で日経平均株価がエントリー時の16,855円に戻った時のことを考えてみましょう。

デルタヘッジに利用した日経225ミニはデルタが+0.2になるポイントの17,180円で売り建てて、元に戻った16,855円で反対売買して決済しています。

よってデルタヘッジを行うことで17,180-16,855=325、つまり32,500円の利益を確保できました。

利益を確定した状態で、組成時と同じデルタニュートラルのリスクカーブに戻っています。

ここからまた上下どちらかに日経平均が動くのかを待ち構えておいて、デルタがずれたところでデルタヘッジをするのです。

上下変動を繰り返すことで利益が増える仕組み

先ほどは日経平均株価が元に戻った時を検証しましたが、もし日経平均が一方方向に変動していったとしても、デルタヘッジは有効です。

上記の事例では17,180円で日経225ミニを2枚売ってデルタニュートラルになりましたが、実際の相場ではさらに株価が続伸して11日後の10月25日に17,385円まで上昇した際にはデルタが+0.08まで増加しています。

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いよいよデルタが0.1に届きそうなので、デルタが0.1ずれた時に、また日経225ミニを売ることでデルタニュートラルにすることが出来ます。

そうするとコールオプション1枚に対して、日経225ミニを合計で8枚売っていることになります。

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そこから上昇しても下落しても、デルタがずれた分だけデルタヘッジを行うことで、細かく利益確定していくことが出来ます。
なぜなら、株価上昇がとどまることなく上昇していっても、ポジティブガンマの形と言うことは含み益が増えていくからです。

よって、デルタがずれる分だけデルタヘッジをすることで、利益を確定することが出来ます。

ポジティブガンマによる利益のリスクはセータ

この戦略の課題は、セータにあります。

セータとは1日当たりに減価していくオプションプレミアムのことを指します。

ガンマとセータの拮抗点でヘッジをした場合その時点では損益は±0になるので、毎日日経平均株価が拮抗点まで変動し1日1回デルタヘッジをSQまでし続けた場合は損益が0になります。

よって損益分岐点でヘッジすると1日当たりのセータの損失をカバーできます。

毎日ちょうど損益分岐点で終わってヘッジしていれば損益0で終わることができます。

しかし実際は変動が損益分岐点ちょうどで終わることは無く、届かなかったり行き過ぎたりするので、理論通り0で終わることは稀であることが多いのが現状です。

動かずに時間が経過していくと、次第にグラフが落ち込んできて、損失額が増えていくことがわかります。

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この図は19日後まで保有した時のリスクカーブです。

黄色い線が徐々に落ち込んでいる様子が見て取れます。

デルタヘッジをセータ負け分より上回れば利益が残る

例えば残存日数が20日の場合デルタヘッジを20回したら±0になります。

なので21回以上デルタヘッジをしたらプラスになるといえます。

ただし損益計算をしやすくするために、デルタヘッジでは期中にデルタヘッジをしたのちに大引けでもデルタヘッジをすることが多いです。

この養成塾だけではなく一般的なデルタヘッジの解説でも大引けでデルタヘッジをしていることが多いです。

その大引けを除いて、21回以上デルタヘッジをする、つまり20日ある中でどこかで1日の変動の約2倍近く変動してヘッジをもう1回入れたということはその1回分だけは利益になります。

つまりデルタヘッジの回数が多ければ多いほど利益を確定できたことになります。

デルタヘッジには忍耐も必要

デルタヘッジとしての日経225ミニの注文が約定した場合に、日経平均株価が元に戻った場合に備えてデルタヘッジの注文を入れる、つまり常時上下にデルタヘッジのための日経225ミニの注文が入っている状態を維持することでデルタヘッジを連続して行える手法を解説してきました。

しかしながら、ポジティブガンマのデルタヘッジは「利食い」と表現している通り、デルタヘッジをした時点で一度利食いしています。
実はデルタヘッジを入れない方が、含み益が続伸していく状態を実現できるのですが、その得られるかもしれない含み益を放棄してデルタをリセットしているのがデルタヘッジとなります。

ということは相場が一方向に動くのであればデルタヘッジを入れておかない方が利益が伸びます。
その伸ばせる含み益を放棄して利益確定をするのがヘッジになりますので、ここでも「もしかしたら続伸するかもしれない」という相場観を排除して細かく利食いしていう手法がデルタヘッジとなります。

まとめ

ポジティブガンマのデルタヘッジとはオプションを1枚買ってデルタを0にする戦略。

デルタを調整するために日経225ミニを利用する。日経225ミニのデルタは0.1ポイントのため、アットザマネーのオプションのデルタ0.5に対して細かく調整することが可能。

デルタヘッジを繰り返すことは利食いを意味して、相場が上昇しても下落しても方向に関係なく利益を狙えるために、相場観が全くいらない投資スタイルが実現する。

セータが敵になり、動かないとタイムディケイにより損失が発生するので、相場が動くか動かないかがポジション組成時に検討することとなる。

 

このポジティブガンマのデルタヘッジ戦略についてはオプション投資家養成塾の第5章で詳細に取り上げて解説しています。

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