LEAPSでコツコツと確実に利益を増やす7ステップ

LEAPSはオプション投資家のみならず事業家、サラリーマン、主婦にも人気があります。その人気の理由は1つは1度取引を終えたらおよそ1年くらいは何もしないでほったらかしにしていても怖くないからです。ここでは、1年ほったらかしにしても怖くないLEAPS戦略の具体的な7つのステップをアメリカの代表的な企業であるApple社を事例に紹介していきます。

1.投資してもいいと思う企業を探す

例えば、Apple社なら株主になってもよいなと考えたとします。
アメリカの企業等のは馴染みがあまりないかもしれませんが、Apple社はiphoneで有名な会社です。
他にはコカコーラ社やMicrosoft社、ジョンソン&ジョンション社など日本でも聞いたことがある企業はたくさんあります。

まずは足がかりに日本で私たちが購入できる商品などから企業を調べてみるのもいいかもしれません。
一昔前からは外資系企業も数多く日本市場に参入しているため身の回りの所有品から調査するのもいいかと思います。
宝飾品やバッグのブランド名から企業を検索したりアパレルブランドなどでもアメリカ発祥のブランドがあれば、そのような企業でも良いかと思います。

企業分析をするためにも、まずは聞いたことがある会社、知っている会社、興味を持てる会社を選定しましょう。

なぜなら、これから1年以上も投資をする銘柄となりますので、興味がないと飽きてしまうし価格変動に興味が無くなってしまうからです。
LEAPSはほったらかし投資なので、興味が無くても構いません。
しかしもしこれからアメリカ企業に投資する場合には、モチベーションを維持するためにも、多少馴染みがある企業だとかテレビで聞いたことがあるくらいの知名度があった方が興味が持てます。

2.投資リターンを考えて権利行使価格を選択する

企業を選定したら、次は投資リターンを検討します。

ここではApple社の株を購入することを考えていきます。
現在のAppleの株価が108ドル付近にいると考えます。

appleの株価チャート引用:yahoo finance

通常は株を保有したい場合には、株式を購入します。株式は100株単位で購入することが出来ます。
108ドルのApple株は100倍の10,800ドルを用意すると購入することが出来ます。

ですが、108ドルで購入したあとに値下がりするかもしれません。

長期的には業績が好調であれば株価も上昇していくと考えられますが、保有期間内にアメリカ経済が軟調になってしまうとApple株も下げてしまう可能性はあります。

「100ドルまでもう一回さげないかなあ。そこでなら買ってもいいけどなあ。」

という心理が働くのは当然のことでしょう。

かといって100ドルにまで下がるのを待っていると、いつまで経っても下がらないかもしれません。
iphoneの販売が好調だったり新しい商品の投入により株価がいつ上昇するかわかりません。

機会損失

値下がりするのを待っているのに値段が上がっていくと悔しいものです。

「あのとき買っておけばよかった」
という後悔だけならまだいいのですが、投資家はその時100ドルで購入できるだけの資金を用意して株価が下がるのを待っているはずなので、その資金は使われることなく時間だけが過ぎてしまいます。

これを機会損失と呼びます。
もし投資していないで資金を余らせている間に、資金を活用して他の投資で利益が稼げたはずです。

この稼ぐ機会があったお金を稼ぎ損ねているので、機会損失を呼ばれます。

よって、Appleは100ドルくらいになればとても割安だから買いたいと考えていても、機会損失がもったいなく仕方がないから現在の価格の108ドルで買わざるを得ない、ということになります。

もし108ドルで買って100ドルになったら、100ドルで待っていた方が良かったことになります。
ですがこの先株価が上昇するかもしれません。
108ドルで買った後に値下がりするリスクを引き受けて、将来上昇することを見越して株を購入することになります。

機会損失を防ぐには

この機会損失を防ぐのには、プットオプションを売ることが有効です。

株を買うために100ドルに指値をして待つのは株式投資家ならイメージが付きやすいかと思います。
ですが、同じ効果がプット100ドルを売るという行為で実現できるのです。しかも機会損失を防げます。

3.その権利行使価格のプットオプションを売る

Apple社のプットを売ります。オプションは1枚単位で売買できます。1枚は100株(100倍計算)相当となっています。
yahoo financeのオプション価格表を見てみましょう。

appleのプットオプションの価格

2017年6月16日満期のプットオプション 権利行使価格100ドルのプレミアムの中値およそ9.3ドルとなっていますので、このオプションを売を売ることで100倍の930ドルが手元に入ってきます。

売る時の証拠金はIB証券では2,244ドルと表示されています。

IB証券のTWSの発注前証拠金画面

このように表示されています。

委託証拠金である2,244ドルを持っていればオプション1枚を売り建てることは可能ですが、cash secured put writingの観点からは、全額用意したほうが安全です。

プット100ドルを売った効果

100ドルまで下がってこなければ約定しないのが株の指値ですが、P100(プット100ドル)を売ることの意味は次の通りです。

満期までの期間内にプットの買い手による権利行使があれば100ドルでApple社の株100株を買い受けなければならない

効果としては100ドルの指値で待っていて、100ドルになったから100ドルで買うという行為と一緒です。
異なるのは、P100を売った時にプレミアムと呼ばれる保険料を受け取ることが出来ます。このプレミアムについては4アクション目でも解説します。

なお、100ドルを下回らない限りは権利行使(オプションが株式に変わること)されることはありません。

4.プレミアムをもらう

P100はおおよそ9.3ドルで売れるということは、100倍なので930ドルのプレミアムを得られます。

ここで注意したいのは、受け取った金額は預り金であり、まだ利益になっていません。
このプットオプションの権利が消滅した時に、損益が確定します。

ですが、預り金といえど権利行使された際にはIB証券のステートメント上では株に変わった際に取得コストから差し引かれて計算されます。
ですので、売った時に受け取ったプレミアムは返却しなくて良い(=利益相当額となる)と解釈することもできます。

100ドルの株を買おうと指値して待っていた場合、投下資金は10,000ドル(100ドル×100枚)となります。
この10,000ドルを保有して待ち構えていないといけないにも関わらず、買えるかどうかはわかりません。

株価が値上がりして100ドル未満にならなければ買えないので、機会損失が発生してしまいます。

もし100ドル未満になってApple株を100ドルで購入したことに備えて満額用意する、つまり1000ドルを用意してP100を売ることができれば、投下資金を用意して100ドルで指値して待っている状態と同じなので安心感があります。
これがcash secured put writingとなります。

cash secured put writingとは

LEAPSで代表的な戦い方としては、cash secured put writing(キャッシュ セキュアード  プット  ライティング)という考えがあります。直訳すると、「現金を担保してプットを書く」ということです。
このcash secured put writingは、オプションを証拠金で取引しないことを意味します。

少ない資金量でレバレッジを掛けた取引が出来るのが証拠金取引ですが、利益が大きくなる半面、損失額も自己資金量を超える危険性があります。
プット売りが権利行使されて株に変わったとしても自己資金を全額用意しておけば、株を購入して保有しているのと一緒で、万が一企業が破たんしても最大損失は株価のみです。株を失うだけで、自己資金以上の損失は被らないで済みます。

このように自己資金を全額用意してプット売りを行い、自己資金を超えて損失が出ないように安全性を高めたプット売りを実現するための手段です。

安全性を高めたとというのは、自己資金以上の損失を回避しているにすぎません。株価の値下がりを回避しているわけではないことに注意して下さい。
株価の上下やオプションプレミアムの変動は損益に影響しますが、その変動リスクは引き受けるという考えのもとで投資を続けられる(=自分が破たんしない)ようにする考えになります。

なお、日経225オプションは基本的に証拠金取引となります。満額自己資金を用意する場合は、日経225オプションで「ほったらかし」は出来るのかの記事で解説したように、日経225オプションを1枚をcash recured put writing として売るのには約1,600万円の自己資金が必要となります。
ですが通常は証拠金取引として1枚程度なら60万~100万円で取引が出来ますのでレバレッジが約16倍あります。
このようにレバレッジがかかっている商品とLEAPSを混同しがちですが、全額フルキャッシュで用意するのとしないのとでは、リスクの面で大きな違いがあります。

語源

writingというのは契約書類にサインをするということを意味しており、株のような「trading=取引」と違ってプットを契約しているという意味合いがあります。
つまり保険契約を締結しているという考えです。

いずれも英語となりますが、キャッシュセキュアードプットについて解説されているサイトがあります。
こういったサイトが無料で提供されているのも、アメリカにはオプションが幅広く普及している証拠だと考えられます。
http://www.optionseducation.org/strategies_advanced_concepts/strategies/cash_secured_put.html
http://www.cboe.com/strategies/equityoptions/cashsecuredputs/part1.aspx

cash secured put writingと指値の経済効果

このように、cash secured put writingの考えを採用すれば、Apple株を購入するのに100ドルの株を100株買ったら1万ドル必要になり、プットオプションを売るのにも同額の資金を入れておくことになります。よって
経済効果は一緒なのです。つまり100ドルで指値して株価が下落するのを待つのと同じになります。

1万ドルとは日本円にしておよそ120万円になります。120万円を用意してプットを1枚売るのは、cash secured put writingとして安心できます。ここでの安心は、値下がりしないという意味ではなく、万が一倒産しても自己資金の範囲内で済むという意味です。

5.満期まで1年間待つ

ただひたすら満期まで待ちます。

LEAPSの限月にはルールがあり半年しか限月が無いものもあれば、超長期で2年先まである銘柄もあります。
たいていは1月に満期となるオプションが存在しています。

その間は株価の上下を気にしません。それがほったらかしの利点です。

毎日株価をチェックしたりご自身のポートフォリオを前日と比べて損益がどうなっている評価してももちろん構いません。
しかし、確認しても何もすることがありません。ほったらかしなので、ただ確認するだけです。

次の行動は約1年後、売ったオプションが満期になった時に行動を起こします。

6.満期で100ドル以上になってれば利益確定。また次のLEAPSへ

満期にアウトオブザマネー、つまり今回のプットオプションの事例だとApple株が2017年1月に100ドル以下になっていなければ、当初売った時に得たプレミアム930ドルが利益として確定します。そのあとはまたLEAPSを繰り返せばよいのです。

利益として確定したら、またApple株への投資としてLEAPS戦略にトライしてもいいですし、他の銘柄を探して投資しても構いません。

手順の1に戻るだけです。

7.権利行使を受けたらその株式を保有する

この時選択肢は2つあります。

  •  (1)カバードコール
  •  (2)塩漬け

(1)カバードコール

もしインザマネーになって権利行使された場合は、時価評価額ではなくプットの権利行使価格で株を購入します。
この時購入する株数は100株となります。
オプション1枚は株の100株と等価なので、1枚売っていれば100株、2枚売っていれば200株を保有することになります。

このとき時価評価額は100ドルより引くなっているはずなので、その差額分が含み損となります。もしApple株が90ドルになっていたら、-10ドル分×100倍=-1000の含み損です。

ですが権利行使されたときにプットオプションは無くなりますので、当初売った時に得たプレミアムの930ドルは手元に利益として残っています。よって差引-1000ドル+930ドル=-70ドルの含み損状態となります。

この時の含み益は、Apple株の損益では-1000ドルの含み損になっていて、手元の保有資産額が+930ドルになっているので、ポートフォリオ全体として見た時に、資産が-70ドルになっているという解釈になります。

株の損益だけを見ると大幅なマイナスになってしまうのですが、含み損だけではなく手元に残った現金と一緒に全体を俯瞰するように心がけましょう。

リスクは株価の暴落

このように、LEAPS戦略でもリスクが無いわけではありません。
プット売りを選択することは、100ドル以下にならなかったら株を買えないという機会損失を防ぐメリットがある一方で、プットオプションを売りをしている最中にApple株が下落してしまい、権利行使価格から非常に離れた価格、例えば80ドルや70ドルまで下落した場合になります。

もしApple社の株が暴落した、例えば80ドルにまで下落したとしても、プットオプションが持つ100ドルで買うという契約自体は有効なので、100ドルで買わないといけません。

本来は下落した底値圏で買うのが一番賢い株の買い方ですが、底がどこにあるか現時点ではわかりません。

下落した後に株を買うなら80ドルでApple株を購入できたところを、あらかじめ100ドルで買う条件を引き受けているのがプットオプションの役割です。

も し株価が80ドルになったとした場合には、‐20ドルの含み損でApple株を保有することになりますが、プットのプレミアムは受け取っていますので、-20ド ルにプットプレミアム分を足した額が含み損となります。よって損益分岐点は100ドル-9.3ドル=91.7ドルとなります。91.7ドル以下になると含 み損が発生します。

このプットについているプレミアムは、将来のリスクを引き受けていることに対する対価です。
もしかしたら100ドル以下になるかもしれないリスクを引き受けた代わりに、9.3ドルを受け取ることが出来ていると言えます。

プット売りの最中はカバードコールできない

プットオプション売りを保有した状態ではコールを売ってもカバードコール戦略になりません。

なぜならコールをカバーする現物株を持っていないからです。
プットオプションのみでは現物株の損益を実現しないため、割り当てがあり現物株に置き換わってからコールを売ることで初めてカバードコール戦略になると言えます。

よって、プット売りで満期まで持っている途中でさらなる下落があると、含み損として引き受けなければいけません。

(2)塩漬け

文字通り塩津けにしてほったらかしして値上がりするのを待ちます。株価が上がらなければ上がるまでずっと待ちます。
もともと保有してよいと思う会社を選んでいるはずなので、喜んで保有し続ければよいのです。

株を保有している段階では損失は確定ないので、含み損として持ち続けます。株価が上がらなくても、配当があれば多少利益が出ます。
もし業績向上などで急騰した時には、利益になります。この点はカバードコールには無いメリットです。

もしカバードコールを売っていた場合あ、利益を限定する反面、暴騰しても値上がり分の利益はコール売りの損失と相殺されてしまいます。

カバードコールのプレミアムが低い場合

塩漬けを意図的に選択する場合は問題挙がりませんが、もし満期になって現物株に変わっていても売るべきコールの権利行使価格が遠すぎると、プレミアムがほとんどつかない状態となり、売れない(=買い手がいない)という状況も起こりえます。

その場合はやむを得ず塩漬けにして待つしかありません。

7ステップによる利回り計算

Apple社の株を保有するためのcash recuredされた状態、つまりはフルキャッシュ状態にするには10,000ドル必要で、そのうちうち930ドルは市場から受け取っているので、実質は9070ドルを用意しておけばよいことになります。

つまり9070ドルの投下資金で930ドルを得たことになりますので、930÷9070×100=10.3%の利回りとなり、 年利換算8.8%となります。

まとめ

cash secured put writingを用いれば株と同等のリスクを引き受けるだけでプット売りが実現できる。
Apple株という安心感がある(破綻しにくい)有名株でも計算上は年利が8.8%となっている。

ただしリスクは存在するために、投資してもいいと思える企業、そして株価が下落しても回復すると思える企業を選択して投資をすることが肝要。
自分が上がると思って購入している株なら、一時的に下落しても回復するまで待つことが出来る。

 


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