米国債はゼロクーポン債とクーポン付の優劣を判断する公式

この記事では国債の利回りの公式を記載します。ポイントさえ抑えれば難しいものではありません。

あなたは国債の取引を行う際に、利回りを正しく計算できていますか?

利回りを正確に把握していないと、購入価格の高安のみが選定基準となり、適切な投資判断ができなくなります。

国債の利回りで最も大事なのは、クーポン利率と本体値上がり益の合計です。
この記事では国債の利回りの公式を記載し解説していきます。

公式は用語が多くて難解に思えますが、ポイントさえ抑えれば難しいものではありません。過去に私が取引をした米国債の事例、及び現在の流通価格を元に利回りの計算を当てはめてみましょう。

国債利回りの公式

国債の利回りを求める公式は下記になります。

$$(利回り%)=\frac{(クーポン利率%)+\frac{(償還価格%)-(購入価格%)}{保有年数}}{購入価格%}×100$$

この式は新発債に限らず既発債でも活用することが出来ます。また、償還まで保有せずに途中売却した際の利回りの計算にも使用することが出来ます。

取引事例の検証

米国債のゼロクーポン債「STRIPS債」を購入する方法にて購入した国債を確認してみましょう。

残り10年の保有年数となる2026年満期となるBondを購入しました。STRIPS債はゼロクーポン債となっていますのでクーポン利率は0です。償還価格が1,000ドルであり、購入価格が841ドルでした。この時価格は%表記で代入しますので、IB証券での購入時の価格と同様満期償還は100%、購入価格は84.1%と置き換えます。

式に数値を代入すると

$$(利回り%)=\frac{0%+\frac{(100)-(84.1)}{10}}{84.1}×100=\frac{0%+1.59}{84.1}×100=1.89%$$

となり、購入時に計算した利回りと一致します。

STRIPS債ではないBondとの比較

では今度はゼロクーポン債ではない、通常の債券価格と比較してみましょう。

ほぼ同じ条件と揃えるために、現在(2016年8月)時点のSTRIPS債と、通常のBondを比較してみます。

下記の画像が現在の国債の価格です。

  • 上がBond STRIPS Principal
  • 下がBond

となっています。

2016-08-17_235656

売り気配の数値を見て分かるように、上のゼロクーポン債であるBond STRIPS Principalは88.941に売り気配がありますので、この価格で取引可能です。ちなみに最低889.41ドルあれば国債を持つことが出来ます。

一方の下のBondは147.30ドルの売り気配です。購入時には1,473ドル必要となります。償還価格は1,000ドルなので、473ドル分も余計に高い商品を購入するように見えるかもしれません。
しかしながら、Bondはクーポン利率がありますので、クーポン利率を考慮して比較する必要があります。

なお、両者の諸元表を表示しておきます。
こちらは対象の銘柄をダブルクリックすると、基本情報が表示されます。

ゼロクーポン債であるBond STRIPS Principal

2016-08-17_235728

簿価(=償還価格)が1,000ドルであることと、「クーポンなし」と明記されています。

Bond

2016-08-17_235716

一方のBondには7.5%のクーポン(金利)が付いていることが分かります。

つまりBondは金利を考慮して473ドル分余計に高くなっていることが推測できます。

2つの銘柄の利回りの比較

では実際に計算してみましょう。公式は

$$(利回り%)=\frac{(クーポン利率%)+\frac{(償還価格%)-(購入価格%)}{保有年数}}{購入価格%}×100$$

でした。

STRIPS債

前述したように

$$(利回り%)=\frac{0%+\frac{(100)-(84.1)}{10}}{84.1}×100=\frac{0%+1.59}{84.1}×100=1.89%$$

となっています。

Bond

$$(利回り%)=\frac{7.5%+\frac{(100)-(147.3)}{10}}{147.3}×100=\frac{7.5%-4.73%}{147.3%}×100=1.88%$$

0.01%ほど誤差がありますが、これは売り気配値で計算をしたためにずれたものと考えられます。

以上より、STRIPS債でゼロクーポン債を取引しても、クーポンがあるBondを取引しても、最終的な利回りは同一となります。
つまりこの両者に鞘は起きないのです。
どちらかが一方的に有利であればたちまちさや取り業者が介入して鞘を抜くでしょう。

流動性が抜群の市場では、さや取りを専門とする業者も多数いるため、理論価格通りの値付けがされやすいといえます。

クーポン金利を受け取る際の課題

最終利回りは計算上同一ですが、クーポン付きBondの場合はクーポンで支払われる利子に対して課税されます。

STRIPS債は利子を受け取る分を本体価格に割引いているので、償還時まで利子配当がありませんので課税はされずに償還時に一括課税されます。

この税金発生の有無についても抑えておきましょう。

まとめ

Bond STRIPS Principalというゼロクーポン債を購入しても、クーポン付きのBondを購入しても、最終利回りは同一となる。

つまり償還期間や償還価格が同一である債券において、クーポン有りを選定してもクーポン無しのゼロクーポン債を選定しても優位性は無い。

 


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