LEAPS戦略を用いる際の銘柄の選定基準とは

投稿者名:金森 雅人

LEAPS戦略を行う際に、アメリカ株の銘柄選定が重要となります。

要素は3つあり、まず1つ目はオプション売買がされている銘柄でLEAPS銘柄(9ヶ月以上先の満期のオプション)があるか、2つ目は流動性が充分あるか、そして3つ目はインプライドボラティリティ(IV)は魅力的なくらい高いか。

以上3つの要素を抑えて銘柄選定することでLEAPS戦略の銘柄選びには困らなくなるでしょう。

今回はその調査の方法を解説します。

オプションが存在するかの確認方法

一番重要なのは対象となる株にオプションがあるかどうかです。アメリカ株は4000社以上取引ができますが、全てにオプションが有るわけではありません。
企業によっては株は取引出来てもオプションが無い場合がありますのでまずはオプションがあるか調べましょう。

yahoo!finance

アメリカ版のyahoo!financeにはOptionsという項目があります。こちらをクリックするとオプションのプレミアム一覧が出てきます。

2016-05-28_000038

このページで限月の指定もできますので、9ヶ月以上の残存日数があるLEAPSが存在するかどうかもリサーチすることが出来ます。

IB証券TWS

IB証券の取引ツールであるTWSを利用する場合は、オプショントレーダーにある左上の枠に企業のシンボルを入力します。

2016-05-27_232550

オプションが存在していればプレミアム一覧が表示されます。

流動性の確認方法

流動性を確認するのには、CBOEのサイトからオプションの流動性一覧リストを取得することが出来ます。

2016-05-27_233119

このリストがあれば、もし企業のシンボルがわからない場合でも一覧として取得できますので非常に重宝する情報です。

インプライドボラティリティ(IV)の確認方法

IVを確認するにはivolatility.comが便利です。このサイトは無料アカウント登録が必要となります。

ivolatility.comのアカウント登録方法

下図のjoin freeをクリック。

2016-05-27_233453

必定事項とメールアドレスやパスワードを記載し「Register」を押し送信すると、すぐにユーザー登録が完了し利用できるようになります。

2016-05-27_233519

検索方法

左側の「Basic Options」を選択して、シンボルを記入する欄に対象となるシンボルを入力します。
シンボルが必要となりますので、CBOEのサイトで取得したシンボル一覧が役に立つでしょう。

2016-05-27_233643

シンボルを入力すると、IVの値が表示されます。上記の赤枠はプットとコールを合わせたIVの平均値です。
過去のIVの変化などもこのページで調査することが可能です。

インプライドボラティリティ(IV)とは

インプライドボラティリティは、インプライド(=暗示する)と名前が付いているように、暗示をしている数値と言われ、将来の不確実性を数値化しています。

将来何があるかわからないと市場参加者が考えていたらオプションを買って保険をかけるためオプション価格が増加しインプライドボラティリティも増加する。
逆に将来の不安がなくなると、オプションの買い手よりも売り手の方が多くなり価格が下がっていく。

その際に、権利行使価格や限月ごとの価格の絶対値を比較しても評価できないので、インプライドボラティリティという数値に置き換えて今のオプションプレミアムが高いのか安いのかを判断できるようにした数値です。

インプライドボラティリティを決める要素

インプライドボラティリティは下記の5つの要素で構成されています。

  • 権利行使価格
  • 原資産価格
  • 満期日
  • 金利
  • オプションプレミアム

価格に影響があるインプライドボラティリティは、人間の心拍数のように、何かが起きると驚いて心拍数が高まるように数値が上がり、何も起きずに平穏になると徐々に心拍数が安定するかのように下げて安定していきます。

数値が高いということは、不確実性が高い証拠であり、株価が上下どちらかに変動しやすいということを意味します。
しかしながら、オプションは満期までにインザマネーになっているかどうか、権利行使されるかどうかなので、変動しやすいということを示しているからといって必ずしも損失が増えるとは限らないのです。

オプションプレミアムは保険料を示していますので、保険を支払った額が多ければそれだけ事故が起きるというわけではなく、還付金が多いからオプションプレミアムが高い場合もあります。
企業の業績を予測できるのであれば、今は株価が低迷していても将来上昇する余地があると考えられるかもしれません。

また、インプライドボラティリティが常に高い銘柄、逆に常に安い銘柄という特徴もありますので、一概にインプライドボラティリティによって相対的に投資のリターンの可能性を決められない場合もあります。

まとめ

上記のサイトやツールを利用することで、LEAPS戦略に必要なオプションの有無 、流動性、IVの3要素を全て取得することが出来ます。

この結果からご自身が取り組みたい銘柄を選定しLEAPS戦略を実行していけばよいでしょう。

LEAPS取引で7ヶ月利回り31.7%を得た具体的手順も併せて読むと理解が深まります。

 

 

 

 

※当ブログは筆者の個人的な見解を示すものにすぎません。掲載しているデータの収集とその分析についても、筆者の個人的な視点に基づく分析であり、その有効性を保証するものではありません。解説においては、筆者の独自の視点で学習目的のために事例を簡略化している場合があるため、資料の中で紹介される事例は実際の相場とは異なる場合があります。取引事例についても、完全に再現しているものではなく、かつ、その有効性を担保するものではありません。また、本資料に含まれる記述や情報については十分精査しておりますが、その内容に関して筆者は一切責任を負いません。

※当ブログは過去の市場分析と戦略案を検討するものでありますが、取り上げている投資戦略についてはシミュレーション上のものであり、確実にそのような結果が出ることを示すものではありません。また、相場状況によっては損失が出ていた可能性も十分にあり得ます。当該シミュレーション結果が解説の中で説明した戦略の優位性や利益を保証するものではありません。よって、その内容を将来に当てはめて利益が出ることを保証するものではありません。投資手法の有効性などにつきましては、読者の皆様において十分に内容をご精査いただき、商品の特性、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分にご理解いただいたうえで、ご自身の投資判断と責任でお取引いただくようお願いします。

※株式取引(米国株式)、オプション取引(米国株オプション取引)においては、株式相場、為替相場の変動等によって損失が生じるおそれがあります。お取引に際しては、あらかじめお取引先の金融商品取引業者等より交付される契約締結前交付書面等を十分にお読みいただき、商品の性質、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分に御理解いただいたうえで、御自身の判断と責任でお取引いただきますようお願い申し上げます。
 

関連記事

   オプション取引に関する無料メルマガを購読できます    登録はこちら
TOP
TOP