Apple株が上昇すると予測した時のデビットスプレッド


もし今からApple株が上昇すると予測し相場観を利益に変えたい場合は、個別株を購入するよりもオプションでコールデビットスプレッドを行えば、必要資金は少なく利益を上げることが可能です。

この記事では株式保有と比較したオプションの戦略事例を紹介し、その中でも証拠金を抑えて取引が出来るデビットスプレッド戦略と、組成の際の注意点について説明します。

証拠金が低く抑えられて毎週トレードできるようになれば、理論値通りのリターンを得ることも十分可能になります。

Apple株への投資方法

Apple株(ティッカーコード:AAPL)のチャートを見て、今から上昇すると予測したことを想定します。
現在価格は93.4ドルであったとします。(価格は6月27日の取引開始前の価格)

2016-07-04_223340

チャート分析等でこれから上昇しそうだという相場観を持っていたことを想定したときには株を購入することが一般的ですが、オプションを利用することで多彩な戦略を作ることが出来ます。

①現物株を購入する
②コール100ドルを買う
③プット90ドルを売る
④デビットスプレッド(コールを1枚買って、コールを1枚売る)

ではそれぞれの特徴を解説します。

現物株を購入する

これは非常にオーソドックスな現物株の保有となります。
自己資金は時価総額分、つまり株価×株数となりアメリカ市場は100倍が基本になりますので、93ドル×100倍=9,700ドルの株式を保有することになります。

日本円にしておよそ100万円となります。Apple株は株価が高めなので最小単位で取引する際には100万円近い自己資金が必要となります。

もし株価が暴落した場合にはリスクを全部引き受けることになりますので、もし株価が半額の50ドルになった場合には、自己資金が5,000ドルに目減りします。

コール100ドルを買う

株価の上昇を予測した時に、現物株を購入する代わりにコールを買うという選択肢もあります。
コールは損失限定なので、現物株のように下落リスクをすべて引き受ける必要はありません。
コールのオプションプレミアム料を支払ってコールオプションを買えばよいのです。

コール100ドルというのは100ドル以上になると現物株と同じ値動きをする商品になりますので、値上がりするという相場観であればコールオプションを取引することも良いかもしれません。

ただし最初にプレミアム料を支払いするので、相場が動かなければ時間と共にプレミアムが減少していき、有限ですが損失が出ます。
つまり相場が動くという思惑の他に、動くタイミングも重要になります。

この2つが揃うときであれば現物株よりもずっと少ない資金で大きな利益を取ることが出来ます。

プット90ドルを売る

「株価が上昇するだろう」という相場観は持ちつつも、強い相場観を持っておらず動かない時間もあり得ると思った時に、プット90ドルを売るという選択肢があります。

この場合は満期に90ドル以下にならなければ、オプションプレミアムが利益として残ります。
このプレミアム料の利益をプレミアムゲインと呼び、詳細はLEAPSで投資の利回りを高める2つの具体的方法で解説しています。

プット90ドルを売るということは、現物株を90ドルの指値で待っていることと同じです。
よってリスクは現物株の値下がりリスクと同じだけ保有していることになりますので、最大リスクは現物株の値下がり損を引き受けることとなります。

しかしながら現物株を指値して待っていても利益は得られないのに対し、プット90ドルを売るとプレミアムゲインで時間が経つごとに少しずつ利益が増えていきますので、同じリスクを取るのであればプレミアムゲインが得られるプット売りが優れています。

デビットスプレッド(コールを1枚買って、コールを1枚売る)

デビットスプレッドととは、例えばApple株が93ドルにある時に、低い権利行使価格のコールを買って、高い権利行使価格のコールを売るというオプションの組み合わせ売買のことです。
オプションの組み合わせの売買のことをスプレッドトレードと呼び、今回紹介するデビットスプレッドはお金を先に支払って(=デビット)損失限定ポジションにしていることからこのような名称がつけられています。

例えば93ドルのコールオプションを1.5ドルのプレミアムで買い、94ドルのプレミアムのコールオプションを1.0ドルで売ります。
支払ったお金は1.5ドル-1.0ドル=0.5ドルとなります。この支払が最大損失となり、損失限定ポジションとなっているのがデビットスプレッドの特徴です。
(オプションは100倍しますので実質は50ドル)

この時の利益も限定となります。

最大受け取りは94ドル-93ドル=1.0ドルになり、ここから支払ったお金を引きますので1.0ドル-0.5ドル=0.5ドルが最大利益となります。

払ったのは50ドルで、93.4ドルが94ドル以上になった場合には受け取り1.0なので差引50ドルの利益になる。
わずか0.6ドル上昇すれば良いことがわかります。

最大利益を限定する代わりに最大損失も限定して戦えるのがデビットスプレッドになります。

このデビットスプレッドを組成した後の証拠金は最大損失額に限定されますので、0.5ドルが維持するために必要な証拠金となります。

現物株を買うよりも、コール100を買うよりも、ずっと必要資金は抑えられて上昇への相場観を反映したポジションを作ることが出来ます。

オプションの満期の選定

アメリカ株で流動性の高い銘柄の場合には、1週間後に満期を迎えるオプションを選定することが出来ます。

日経225オプションは1か月後の満期のオプションが主流で、weeklyオプションは流動性に乏しいですが、アメリカ株は非常に流動性があるためweeklyオプションでも取引を行うことが出来ます。

よって1週間や2週間の早く満期が到来するオプションを選択するのが良いでしょう。

短い満期を設定したのは、残り1週間で動ける距離(株価の高低)は限定的で予測が付きやすいということです。
もし1ヵ月満期のオプションを選定すると、1か月先の方向性を予測しなければいけないので、中期トレンドを知る必要があります。
その点1週間であれば、短期の方向性を予測すればよいので、日足よりも短いテクニカル分析を採用しても良いかもしれません。
4時間足のテクニカル分析を用いることも有効でしょう。

そして方向性が1回当たれば、1週間でもみあい相場にならなければ思惑通りの値動きになってくれる可能性が高くなります。

この満期の設定についてはご自身の相場観に合わせて選定できますので、もしテクニカル分析で長期トレンドを読むことに長けている場合は1ヵ月や2ヵ月先に満期が到来するオプションを選定しても良いでしょう。

アメリカ株に分散することのメリット

アメリカ株は4000銘柄以上あります。
テクニカル分析ができる人はスクリーニングをして上昇トレンドや下落トレンドになっているものだけを抽出することが出来れば、いくつもの魅力的な取引を見つけることが出来ます。

日経225オプションの場合は日経平均株価に連動したオプションしかありませんが、この日経225オプションが4000銘柄以上に存在しているのがアメリカのオプション市場になります。

このように銘柄を分散させたり、weeklyオプションで時間を分散させ回数を増やすことで、時間も分散できます。
一回の取引ボリュームは小さくても、回数を重ねることで結果が確率論に従ってきます。

もし10銘柄でも50週やれば、1年間で500回の施行回数が実現します。
大数の法則として確率論に従うならば、おおよそ500枚も試行回数があれば確率論に従うのではないかと推測できます。

この場合にはテクニカル分析が全て当たるとは限りませんので、当然ダマシのサインもあるでしょう。
テクニカル分析の精度が7割だとしても、勝率7割、勝つときと負ける時の金額が5分5分であればトータルで利益となることが分かります。

もしテクニカル分析が6割しか当たらなくても、勝つときと負ける時の金額が5分5分であればテクニカル分析の優位性の分だけ投資による成績は向上します。

まとめ

Apple株が上昇すると予測した際には4つの投資手法が考えられるが、資金を少なく始められるのはデビットスプレッドである。

勝つ時と負ける時の損益が同じであれば、株価の方向性を当てに行く手法(テクニカル分析など)を用いることで勝率を高めれば期待値が上昇する。

確率論に従って結果を出すには試行回数を増やすことが理論値に収斂しやすいので、アメリカ個別株のような銘柄が多い市場を探すと良い。


 

こちらもどうぞ

にほんブログ村 先物取引ブログ 日経225オプションへ

アメリカ株オプション ストラテジーセミナー

2016年6月27日にアメリカ株オプションを利用したストラテジー解説セミナーを実施しました。

具体的なストラテジーを3種類挙げ、取引の際の注意点を解説しています。


セミナー動画の詳細はこちら