株価が毎年20%超下がるVIX関連株を「カラ売り」して稼ぐ


右肩上がりに上昇する銘柄を見つけたら、投資のセオリーに従って「安く買って、高く売る」ことで難なく利益を上げることが出来ます。
しかしながら、世の中にはそのような理想的な銘柄は多くはありませんし、そのような銘柄を見つけるのが難しいですよね。

そこで、逆転の発想で右肩下がりに株価が減り続ける銘柄を見つけてみてはどうでしょうか。

その銘柄を「高値でカラ売りして、安値で買い戻す」ことで同じように利益を上げられることが出来ると思いませんか?

こんな発想を実現できる、株価が常に減り続けている銘柄がアメリカ市場に存在しているのです。
それが「VXX」という銘柄名の、指標連動証券(ETN)になります。

実際に株価の値動きを見ながら、年度初めにこのVXXを売ったときの株価の下落具合を見てみましょう。

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2011年末は2039ドルとなっていました。
2012年末は390ドルに下落しました。(去年の年末から下落率80.8%)
2013年末は198ドルに下落しました。(下落率49.2%)
2014年末は147ドルに下落しました。(下落率25.7%)
2015年末は96ドルに下落しました。(下落率34.7%)

このように毎年25%を超える下落率を記録しています。

現在の株価は30ドル付近ですので、2016年は現時点ですでに68%近く下落していることが分かります。

この記事では、なぜVXXが常に25%を超える値下がりを毎年続けているのかを説明します。

将来値下がりが決まっている銘柄にカラ売りを仕掛ければ、きっとあなたも利益を得られることでしょう。

VXXの株価下落の要因は、中身がVIX先物だから

VXXはご覧のように一様に下げていく商品です。
理由は、このETNの構成商品がVIX指数に連動するVIX先物を組み込んでいるからです。

このVIX先物を組み込んでいるために、需給とは関係が無く下がり続けているのです。

このVXXの商品概要を見てみましょう。

iパス・S&P 500・VIX・ショートターム・フューチャーズ・ETN

S&P 500 VIX Short-Term Futures Index Total Returnに連動する、ボラティリティ指数(VIX)先物ETNです。期近1, 2限月の短期VIX先物のロング(買い)ポジションを継続的にロールオーバーすることで、S&P500 Indexのインプライド・ボラティリティー(投資家心理)を反映しています。

引用元:180.co.jp

このように、第1限月と第2限月のVIX先物の買いポジションで構成されていて、常に「ショートターム」、具体的には1ヶ月の期限となるVIX先物に連動するように毎日調整を繰り返している銘柄になります。

その毎日の調整が株価を下落する要因になるのです。

ではなぜVIX先物で毎日の調整をすると価格が下がっていくのか。

それには

  1. 1ヶ月のVIX先物を実現するために毎日銘柄を組み替える
  2. VIX先物は期限が遠い銘柄ほど高くなる

という2つの現象があるからです。

一つずつ解説します。

1.1ヶ月先のVIX先物を実現するために毎日銘柄を組み替える

VXXの発行元であるBarclaysと言う企業は、運用ルールに基づいて淡々と1ヶ月の期限となるVIX先物を保有し続けます。

しかし先物には期限があり、毎日発行されているわけではないので、期限が1ヶ月相当となる状態を再現するように毎日調整を繰り返しています。

VXXが採用しているVIX先物は、1ヶ月の期限の先物と、2ヶ月の期限の先物のみを使って、ちょうど1ヶ月先のVIX先物の値動きを作っています。

もし今日が10月16日であればちょうど1ヵ月先の11月16日のVIXを100%持てば実現します。

しかし、翌日の10月17日になると、保有している商品は一日経過したために、1ヶ月に満たないVIX先物を保有していることになり、ルール通りのポートフォリオになりません。

そこで、保有している銘柄を決済し、翌月のVIX先物に組み替えることで、トータルで1ヶ月の期限となるVIX先物を作り上げているのです。

例えば1日経過したら11月限のVIX先物を一部切り崩して(売り決済)、12月限のVIX先物を買います。
比率はちょうど1ヶ月のVIXのポートフォリオとなるように緻密な計算がされます。
また翌日になれば、さらに11月限のVIX先物を売って、12月限のVIX先物を買います。

これを毎日毎日繰り返して、11月16日になると12月限のVIX先物100%のポートフォリオが完成します。

その次の日は、また12月限のVIX先物を切り崩し、今度は1月限VIX先物を買います。

このようにして「常に1ヶ月の期限となるVIX先物」を実現させるために常に期限が近いVIX先物を決済して売り、期限が遠いVIX先物を買うことで調整を繰り返します。

2.VIX先物は期限が遠い銘柄ほど高くなる

前項で解説したポジション調整だけでは、冒頭のVXXが下落し続ける理由に結びつきませんが、実はVIX先物は期限が遠い銘柄ほど高くなる性質があります。

実際に2016年11月10日のVIX先物の価格を月ごとに見てみましょう。

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上から順番に1ヵ月ごとのVIX先物の価格を表示しています。

11月の銘柄が16.25、12月の銘柄が16.85・・・と期限が遠くなるほど価格が高くなっています。

前日の11月9日も同様です。グラフにプロットするとこのように期限が遠くなるほど高くなる様子がわかります。

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このように、期限が近い(=期近)のVIX先物は安く、期限が遠い(=期先)のVIX先物は高い傾向にあるのです。

ただし常にこのような状態にあるわけではなく、稀に逆になって期限が近いVIX先物が高い場合もあります。
ですが、相場の7割~8割は上記の図のような期限が近いVIX先物が安い状態となります。

このなかの最初の11月と12月の銘柄をVXXでは取り扱っていて、安い価格である11月のVIX先物を売り、11月よりも高い価格の12月のVIX先物を買って、毎日調整しています。

投資で利益を上げるセオリーの「安く買って、高く売る」の全く逆の「高く買って、安く売る」ことを上場以来毎日毎日ずっと繰り返しているわけです。

その結果が冒頭のチャートのように一様に値下がりしていく株価となっているのです。

リスクを知ればカラ売りも怖くない!

以上の2つの要因でVXXが下落していく性質により、VXX株を空売りすることで利益を得られることが分かりました。

しかし実際に取引する際にはリスクを把握しておくことが投資する際の安心感につながりますので、損失可能性のあるリスクを紹介します。

株価が上昇する場合は含み損になる

先ほど記述した、残り約2割ある期限が近いVIX先物が高い状態の場合は、株価が上昇します。

VIX先物が高くなる場面と言うのは、S&P500採用銘柄の変動が大きい時にVIX先物が上昇することが知られています。

よって、相場の混乱の時には、期近のVIX先物が高くなる場合があるので、含み損になる可能性はあります。

例えば2015年のチャイナショックの直前にVXX株を売っていた場合には、一時的に含み損になります。

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65ドルで売っていたものが一時的に125ドルになっているので、60ドルの含み損となっています。

でも心配ありません。

もし1年間、2016年8月まで持ち続けた場合には33ドルまで下がっているので、差引32ドルの利益を上げられることが下記のチャートから分かります。

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このチャイナショックのあとで投資を開始した人は、いかなるタイミングで開始してもカラ売りで利益を得られる状態だったのです。

このように、短期間では含み損になる可能性を考慮すると、最大含み損の金額を予測し、それに耐えらえれるような資金量を用意しておけばよいでしょう。
そして含み損を乗り越えて長期保有することで、一時的な含み損は取り戻せることが過去のチャートから読み取れます。

カラ売りには貸し株料が発生する

このVXXを売る場合には、株の空売りと同様の貸し株料が発生します。

IB証券の場合

IB証券の場合は年間3%程度です。柿の左下にある2.9640%というのが貸株料となります。

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サクソバンク証券の場合

サクソバンク証券の場合は100株の注文で一日あたり0.35ドルかかり、推定金利は0.22ドルかかりますのでおよそ一日あたり0.57ドル程度かかります。

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年間に換算すると208ドルであり、36ドルの株を100株売るための投下資金に対して208ドルのコストとなるのでおよそ年間5.8%の維持コストとなります。

その他取引の際の手数料を差し引いて、冒頭の株価の減価率を上回るかどうかが投資判断のポイントとなります。

この貸し株料は一律ではなく市況によって変化しますので気を付けましょう。

空売り規制で売れないタイミングに注意

気をつけたいのは、空売り規制と言う制度があります。
これは株価が下落することが確実視されたときに、空売りを一時的に規制する措置です。

これまで解説したようにVXXは株価が下落していくことが決まっている商品ですので、空売り規制がたびたび発生します。
各証券会社でアナウンスがありますので、いざ売ろうとした時に売れないこともありますので注意しましょう。

IB証券やサクソバンク証券で取引が可能

ではどこでこのVXXを取引が出来るかと言うと、上記でコストを比較したように、IB証券やサクソバンク証券などの証券会社で取引することができます。

特にサクソバンク証券は円建てで運用するので、決済価格が円建てて表示されており、最初に取引するのはやりやすい証券会社だと言えるでしょう。

サクソバンクでの取引事例

実際に発注の様子です。

このように非常に簡単に取引をすることが出来ます。

まとめ

VXXは2012年から平均で年間の株価が20%超下落しているので、カラ売りをするのには絶好の銘柄と考えられます。

VXXの株価が下がり続ける要因は、VIX先物を組み替えていて「安いものを売って、高いものを買う」ことを繰り返しているからです。

もしカラ売りをして含み損が出ても耐えらえるだけの資金量と、貸し株料を考慮して余裕ある資金で取引するようにしましょう。


 

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