MNレシオは為替変動により、NT倍率よりも変動しやすい指標

MNレシオ(MN倍率)とは、日経平均株価(N)を、東証マザーズ指数(M)で割った指数を指します。
現在およそ17.6前後を推移しています。

有名な倍率の指標としてはNT倍率(日経平均株価÷TOPIX)がありますが、なぜ今NT倍率よりも、MNレシオの方に注目が集まっているのでしょうか。

それは、東証マザーズ先物取引が2016年7月に開始されたことによって資金効率よく取引が出来るようになった点が挙げられます。

しかも、NT倍率のような関連性が強い銘柄ではないがトレンドとしては同じ方向を向いているということが、取引としての面白さを増幅させています。

その理由は為替変動にあります。

東証マザーズ市場に採用されている銘柄は国内向け商品やサービスを展開している企業が多いために、日経平均採用銘柄のようなグローバル展開による為替の影響を受けにくいのです。

この記事では日経平均と東証マザーズ先物の関連性について解説していきます。

日経平均株価と東証マザーズ指数の関連性

日経平均株価と東証マザーズ指数の関連性について考察します。
倍率の指標として有名なNT倍率と比較してみましょう。

日経平均株価とTOPIXの関連性

日経平均株価は東証一部上場225銘柄の加重平均値となり、TOPIXは東証一部に上場している全銘柄の指数となります。

TOPIXは東証一部上場の全銘柄であり、その銘柄の225銘柄だけを抽出したものが日経平均株価となります。
つまり日経平均株価とTOPIXは関連性がとても強いことが知られています。

日経平均株価が上昇すればTOPIXも上昇する傾向がありますので、相関係数はかなり高いと言われています。
相関係数が高いということは、レシオ売買で利益を上げるのは難しいと言えます。

昔からNT倍率は、もっぱら大口投資家が市場間の歪み(サヤ)を抜くために利用するとも言われており、個人投資家はNT倍率を取引して利益を上げるというよりも、指標の一つとして参考にしている場合が多いでしょう。

日経平均株価と東証マザーズ指数

では日経平均株価と東証マザーズ指数についてはどうでしょうか。

東証マザーズに上場されている銘柄と、日経平均株価に採用されている225銘柄で一致している銘柄はありません。

現在の流れは、東証マザーズ市場があり、その上位に東証二部、それから東証一部があり、最も上位に日経平均株価の採用銘柄として225銘柄が存在していると考えて良いでしょう。

その階層はピラミッドのように形成されています。5272691

サッカーのJリーグで例えるならJ1とJ2のクラブのようなものです。

Jリーグと言う大きなカテゴリでは全クラブ同一ですが、J1とJ2リーグでは戦う回数や時間が異なりますし対戦相手も異なります。
何回勝てば優勝できるかということもリーグによって異なりますので、同じJリーグでありながらそれぞれ別に動いている世界となります。

日経平均株価と東証マザーズ指数も、日本で取引されているため、日本の経済、景気、要人の発言や金融政策などには同じように影響を受けます。
しかし日経平均株価が上昇したからと言って、必ずしも東証マザーズ指数も上場するとは限りません。
もちろん逆の場合もありますし、日経平均株価の変動が少ないのに、東証マザーズ指数だけが上昇することや下落することも十分考えられます。

ここが日経平均株価とTOPIXにはない、面白さでもあります。

為替の変動

ただ、日経平均株価採用銘柄はグローバル企業が多い一方で東証マザーズ採用銘柄は国内に強い企業やベンチャー企業が多いため、為替の影響を受けやすいのは日経平均株価で、東証マザーズ指数は為替の影響を受けにくいと言われています。

しかし為替の影響で日本経済が浮き沈The symbols of the dollar and the yen on weightみすると、おのずと東証マザーズ指数も連動して変化するでしょう。

こういった側面から、日本の企業と言う意味では関連性は極めて強いものの、企業の規模やグローバル展開の有無による為替の影響などから相関係数は日経平均とTOPIXほど高くないことが予想されます。

この東証マザーズ指数を活用することで利益を狙うのがMNレシオの考え方となります。

TOPIXと日経平均株価は連動性が高すぎて少々扱いずらい傾向があります。
機関投資家がサヤを抜くために活用している相場では、個人投資家がそのサヤを抜くことが難しくなります。

その点、東証マザーズ先物は上場したばかりで、かつ東証マザーズ市場と日経平均との連動性が未知数のため、リスクが高いと評価されます。
しかし、個人投資家としてはこのリスクを認識して積極的にリスクを取りに行くことで、リターンを得られる可能性が充分に高まるのです。

リスクのないところにリターンはありません。

機関投資家がNT倍率を好んで投資するのは、リスクが低く安定して利益を得られる可能性が高いからです。
リスクが低いので当然利益も少なくなりますが、その分投下資金を潤沢に用意して数量で稼いでいるのです。

我々個人投資家で潤沢な資金が無い場合には、その潤沢な資金量の代わりにリスクを取ることでリターンを狙いに行く手法を取る必要があります。

その意味で東証マザーズ先物は、東証マザーズ指数と言う多少リスクがあると考えられる市場の銘柄を積極的に採用することで、リターンを狙い日程るという意味合いがあります。

先物での取引

実際には日経平均株価や東証マザーズ指数をダイレクトに購入することはできません。

先物かETF化された商品にて取引することになります。

そこで注目されているのが、7月に上場された東証マザーズ先物になります。

取引には東証マザーズ先物を使うので、現在価格が930円だとすると1000倍の93万円の取引となります。
よって日経ミニを活用します。日経ミニは取引価格が160万円と、東証マザーズの取引額に近いからです。

倍率を計算する

そしてこの倍率を参考に、先物の枚数を調整することで時価総額を同一にします。
日経平均先物が1600万円なので、93万円の東証マザーズ指数先物は何枚保有すれば同一になるでしょうか。

答えは1600/93=17.2となりますので、17.2枚保有すればよいことが分かります。

この倍数のことを「レシオ」と呼んでいます。
MNレシオの意味はこの倍率を意味しています。

日経平均先物と時価総額を合わせるには、東証マザーズ指数先物を17.2枚保有することで時価総額が一致します。

レシオの変化を予測する

時系列で値動きを見ていくと、このMNレシオが変化していることが分かります。
つまり完全に値動きが変動していないのです。

そこで、レシオ(倍率)が高くなると思えば、日経先物を1枚買い、東証マザーズ指数先物を17.2枚売ります。
この状態で倍率が高まる、つまり日経平均先物の価格が東証マザーズ指数先物よりも大きく動けば、両者の時価総額に差が出ます。
その差額を利益に変えることが出来るのです。

反対にレシオ(倍率)が低くなると思えば、日経先物を1枚売り、東証マザーズ指数先物を17.2枚買います。
この状態で倍率が低くなる、つまり東証マザーズ指数先物の価格が日経平均先物の価格よりも大きく動けば、時価総額に差が出て買っている東証マザーズ先物の方が時価総額が大きくなり、利益になります。

このようにレシオの変動を予測して取引する手法がMNレシオの特徴です。

日経平均先物とは

日経平均先物とは、日経平均に連動した先物取引のことです。

我々投資家は日経平均株価そのものを購入することはできませんので、日経平均先物、または日経ミニを利用します。
先物に限らない場合はETFを利用するという方法もあります。

このとき日経平均先物は取引価格の1000倍、日経ミニは取引価格の100倍が実際の投下資金となりますので、個人投資家は日経225ミニを利用すると少額から始めることが出来るでしょう。

日経平均株価が16000円の場合、日経平均先物は1600万円、日経ミニは160万円の資金を取引することになります。

しかし、1600万円もの資金を用意できる投資家は限られていますので、証拠金制度を利用しています。

証拠金とは、実際にこの1600万円を必要とせずに、預け入れる証拠金にレバレッジを掛けることで取引が出来るようになります。

預け入れる証拠金はSPAN証拠金所要額によって変動しますが、先物は約80万円、ミニは約8万円で取引が可能です。

差金決済タイプ

決済については差金決済となりますので、日経平均先物を取引しても1600万円全額が必要となることは無く、証拠金の約80万円に対して利益があれば差額を受け取ることが出来、損失の場合は差額を支払うことで決済が完了します。
つまり値幅だけを損益として計算できるために、資金効率が良いと言えます。

東証マザーズ指数

東証マザーズ指数先物は2016年7月から取引開始されています。
これまで東証マザーズ指数と言われる東証マザーズに上場されている株式銘柄の加重平均の値はありましたが、先物がありませんでした。

7月から取引できるようになったため、最近注目を浴び始めた取引でもあります。

J-GATEという新システムを日本取引所が採用し、株や先物・オプションの取引時間が夜3:15までだったものが5:30まで延長され、取引開始時間も9時から前倒ししてSGXの値動きを取り込めるように8:45からスタートしています。
この時間変更もJ-GATE採用に合わせて切り替わっています。

東証マザーズは取引価格の1000倍になります。

よって東証マザーズ先物が930円の場合は、93万円の取引となります。
東証マザーズも証拠金を必要として、およそ8万円の証拠金を預けることになります。

東証マザーズ先物過去の価格推移は、2016年7月以前は存在していません。
しかし、指数は古くからありますので、傾向を掴むのには指数を代用の数値として過去の推移を評価することで東証マザーズの推移を知ることが出来ます。

まとめ

MNレシオは日経平均株価と東証マザーズ指数の価格変動の差を利益に変える戦略。

有名なレシオ指標としてはNT倍率(日経平均÷TOPIX)がありますが、日経平均とTOPIXでは価格の連動性が高すぎてサヤが生じにくいので、個人投資家が利用するには東証マザーズ指数を利用することでリスクを保有し積極的に利益に変えていくことが必要になります。

東証マザーズ指数は為替変動を受けにくく、日経平均株価は為替の影響を受けやすいので、純粋な市場間のずれの他に、為替の変動も倍率を変化させる要因となるので、売買チャンスが生まれやすいと言えます。