日経VI先物で利益を上げるために注意すべき6つのポイント


あなたは「盛ったボラティリティは売れ」という言葉を聞いたことはありますか?

インプライドボラティリティは急騰した後は必ず低下します。
その「盛った(=急騰した)ボラティリティ」の低下を売れば労せずとも利益を取ることが出来ます。

これまで直接的にボラティリティを売買することが出来ませんでしたが、日経平均VI先物の登場で、ボラティリティを売買することが可能となりました。

ここでは日経VIの特徴と、売買の際の注意点について解説します。

あなたもこれでオプション投資の上級者が用いるボラティリティを売る行為が出来るようになります。

日経平均VI先物(日経VI先物)の特徴

日経平均VI先物は原資産となる日経平均VI指数に連動した、先物商品になります。
取引時の注意点を解説していきます。

1.流動性が低い

日経VI先物は上場後に取引枚数を増やしていっていますが、まだ流動性が充分とは言えません。ザラ場中に狙った価格で約定させることはまだ難しいです。
指値で待っていて相場が変動して約定するという条件か、または大引けで約定させることがまだ一般的でしょう。
大引けの約定枚数は1日当たり100枚を超えるので、比較的約定させやすいと言えます。

6月22日における15:10時点の約定枚数
期近VI先物:8枚
期先VI先物:14枚

引け時点の約定枚数
期近VI先物:108枚
期先VI先物:101枚

期近が7月限、期先が8月限とメジャーSQに絡んでいないため、メジャーSQに近い銘柄の場合は取引量が増加する傾向があります。

日中の買い気配値と売り気配値は1ポイント近く差が付いていることもありますので、なかなか思うように約定させにくいということが現状です。

このザラ場中では約定させにくいということを念頭に売買するようにしましょう。

2.満期がある

日経VI先物は満期があります。
満期があるということは、先物を持ち続けても満期が来たら決済しないといけないということです。
つまり買って持ち続けることが出来ずに、ロールオーバーと呼ばれる限月を先の銘柄に乗り換えないといけません。
このロールオーバーの際にロスが発生する可能性があるので、日経平均VI先物の売買の際にはロールオーバーコストも考慮して取引する必要があります。

3.SQ日が先物・オプションのSQ日と異なる

この日経平均VI先物のSQ日は、先物・オプションSQ日から30日前に設定されています。
つまり先物・オプションのSQ日である第2金曜日ではなく、月によって異なるタイミングでSQ日が来ることになります。

4.日経VI指数と日経VI先物の値動きが違う

私たちは日経平均VI指数に対する先物しか取引が出来ませんが、先物は「先の期日の物とを取引する」商品です。
そしてインプライドボラティリティは「上がったら下がる、下がったら上がる」性質があります。

と言うことは、日経平均VI指数が上昇しても、先物は指数ほど上昇しないことがあります。
いつかは下がるだろう、と先読みしているのです。

つまり感応度として捉えると日経平均VI指数と日経平均VI先物は100%連動しないのです。
もちろん関連はあるので傾向は同じになりますが、特に期近の銘柄と期先の銘柄で、期先の銘柄の方が反応が薄い傾向があります。

上図が指数、下図が先物です。
指数は34ポイントまで上昇していますが、先物は28ポイント付近にいることが分かります。

2016-06-22_235021

2016-06-22_235240
日経平均と日経平均先物は、ほぼイコールで動きます。
理由は裁定取引が出来て裁定業者がアービトラージを行ってるため、日経平均にサヤ寄せするからです。
日経VI指数と日経VI先物に関しては裁定取引が成立しないので、そのような裁定業者が入っていないのです。
サヤではなく先物の特徴として価格差が生まれていることによります。

5.長期の先物ほど平均に近づく

日経VI指数は長期的には20に収斂していくように見えますが、短期的には相場によって変動があります。
一方の先物は満期における値を見ているので、満期まで遠ければ遠いほど常に20付近(市場参加者が将来どの数値に収斂するか)という値を目指しています。
よって限月が遠いものほど20に近づく傾向があります。

現在が30ポイントであれば、期近は29ポイント、期先は27ポイントというように、期先になればなるほど20に近くなります。
一方で現在の日経VI指数が15ポイントの時には、期近は16ポイント、期先は17ポイント・・・というように20に近くなる傾向にあります。

20と言うのは一般的な平均の値であり、その相場状況によっては収斂するであろう数値が20ではない可能性もありますが、一般的にはこのように先物価格が異なっています。

商品先物では期先になるほど安くなるのをコンタンゴ、期先になるほど高くなることをバックワーデーションと呼び、常に指数と先物は一定ではないことが常態化しています。
よって安すぎるときには期近より期先が高く、高すぎるときには期近よりも期先が安い傾向があります。

この差は解消するさやではないので、安いものを買って高いものを売るというサヤ取りは出来ないと言われています。
もし限月が無ければ一致するタイミングがあるかもしれないが、現実は満期と言うリミットがあり投資を続けられない。ロールする必要が出てきます。

6.個別オプション銘柄のベガヘッジではない

注意しないといけないのは、個別銘柄のベガをヘッジするわけではなく、日経平均VI指数と関連がある日経平均VI先物によって市場全体のボラティリティのヘッジをするという機能であることです。

日経225ミニはデルタを完全にヘッジするのに対して、日経平均VI先物はベガをフルヘッジすることは出来ずに間接的にヘッジしていると捉えましょう。

日経平均VI先物の特徴

以上の注意点を踏まえた日経平均VI先物の特徴を解説します。

・1ポイント1万円の損益

日経VI先物は1ポイント変動すると1万円の損益が発生します。
つまりギリシャ文字のベガの数値に換算すると1枚当たりベガ10となります。
オプションのギリシャ文字に例えると

  • デルタ0
  • ガンマ0
  • セータ0
  • ベガ10

という特殊なオプションであると言えます。なお、日経225ミニについては

  • デルタ0.1
  • ガンマ0
  • セータ0
  • ベガ0

という特殊なオプションと想定するとデルタヘッジなどに活用することが出来ることが分かりますが、同様にベガのヘッジとして日経VI先物を活用することが出来ます。

・証拠金

現在の1枚当たりの証拠金はおおよそ8万~10万円となっています。
この金額を証拠金として拘束することでベガ10をヘッジできる計算となります。

日経225ミニはSPAN証拠金の1/10の証拠金なのでおおよそ8万~10万円程度でほぼ同等の証拠金量となっています。
デルタヘッジは日経225ミニ、ベガヘッジは日経平均VI先物で行えると覚えておきましょう。

・税金

税金の扱いは申告分離課税であり他の先物やオプションと損益通算できます。
株式の損益との通算は現時点ではできません。

以上が日経VI先物の特徴と取引の際の注意点になります。
合わせて原資産となる日経VI指数についても性質を把握しておきましょう。

日経平均VI指数の特徴

では続いて日経平均VI先物の原資産となる日経平均VI指数について解説します。

このボラティリティインデックスというのは、日経225オプションの各権利行使価格のコールとプットのプレミアムから算出されるインプライドボラティリティを基に1つの指標とした数値となります。

期近と期先の全銘柄をあるルールに基づいて指標化しています。単純平均ではありませんが、おおよその現在の相場の指標となる値として知られています。

・吹いたら青天井

インプライドボラティリティは天井がありません。
過去の実績を見ると100ポイント程度で止まっていますが、理論上は青天井になりさらに高値になることもありえます。
実際にアメリカ株のインプライドボラティリティは200ポイントを超えているものもあります。
ただし過去の経験では100ポイント程度で収まっているという解釈が出来るのが現状です。

・0にはならない

インプライドボラティリティはオプションプレミアムから算出されていますので、0にはなりません。
0 になるということはオプションが先物化すること(または全くオプションプレミアムが付かない)と言うことになりますので、金融市場の崩壊が無い限りインプ ライドボラティリティは各オプションごとに算出され、その代表となる日経平均VI指数も0になることはありません。(平均ではありません)

・20を平均として上下を繰り返している(ように見える)

過去の傾向として、20ポイント当たりに収斂していく傾向があります。
20ポイントを超えると20ポイントに向けて緩やかに下落し、20ポイント以下になると20ポイントに向けて上昇すると考えられています。
しかしインプライドボラティリティは人の思惑を数値化したものなので、20ポイントが妥当と考えられている保証はありません。
見方によっては上昇するときはびっくりして一気に吹き上がり、その他は落ち着くのに時間がかかるためだらだらと緩やかに下落していくだけであり、その平均を取るとおおよそ20ポイントだと解釈もできます。
最低の数値は13ポイント付近にもなっていましたので、20に回帰する傾向があると言っても必ず20を目指すとは限りません。

・ボラティリティの性質上ゆっくりと低下することが多い

急騰した後には急速に値を戻すことがありますが、何もイベントが起きない時は時間を掛けてゆっくり下がる傾向にあります。
これは何もないという確証を得るのに時間がかかるためでしょう。
例 えばリーマンショックのような金融危機があると、経済の平穏を取り戻すのには相当の時間がかかるためインプライドボラティリティは高止まりしますが、選挙 や地震などの一時的なイベントに対しては、発生時には変動があるもののその後は速やかに収束していくものと考えられます。

しかしながら、東日本大震災の場合は地震の後に原発の問題があり、問題が長期化する懸念があったためボラティリティが下がらなかったと言えます。

・いつ吹くか分からない

ビックリするのには予期しないことが必要なので、予期した変動ではビックリする度合いが小さいと言えます。
イギリス国民投票については事前予想が出ていますし、結果が出るタイミングもわかっています。
このようなときにはリーマンショックや東日本大震災などのような異常にも思える急騰は起きない傾向になります。
しかし、このイギリス国民投票をきっかけに何か参加者が予期しない出来事が誘発されると、その驚きがボラティリティとなって日経平均VI指数が上昇すると考えられます。

・日経平均が上昇すると低下しやすいが、必ずしもそうではない

このような日経平均VI指数の特徴を鑑みると、日経平均が上昇する際にはボラティリティが低下する傾向があり、日経平均が下落すると不安要素が出てくるためボラティリティが上昇する傾向があります。
しかし傾向があるというだけで絶対法則ではありませんので、日経平均が上昇してもボラティリティが上昇することはあります。
日銀の黒田バズーカは市場参加者が予期しない所で、文字通りサプライズで金融緩和をしました。
このような市場参加者の裏を突くような出来事が起きると、ボラティリティは上昇します。

インプライドボラティリティは市場のビックリ度合いを示していますので、日経平均が上下する方向性の指数ではないのです。

この意味で脈拍のような数値ということが言えます。

指数とは

有名な指数としては日経平均株価があり、こちらは東証一部に上場された225銘柄の加重平均の値を算出した指数となっています。
市場の傾向を表す指標として利用されていますが、個々の銘柄の株価は日経平均株価と同じではありません。
同様にオプション銘柄単独のインプライドボラティリティは日経平均VI指数とイコールになるとは限りませんが、相場の傾向を見るのに役立てることはできます。

つまり指数が3ポイント上昇したら、個々の銘柄のインプライドボラティリティはおおむね3ポイント程度上昇しているだろうということが予測できます。
実際の銘柄のインプライドボラティティはそれぞれ独立して価格形成されているので単純な同数となりませんが、傾向はつかむことが出来ると言えます。

指数は直接売買できない

指数は、それ自体を取引することはできません。日経平均株価と同じです。
日経平均株価も、直接取引できないので先物やETF、CFDを利用して取引をします。

日経VI指数を取引するには、この指数を原資産とした先物を取引することとなります。

インプライドボラティリティとは

インプライドボラティリティとは、オプションプレミアムから導き出されるボラティリティを指します。
オプションプレミアムが各オプション銘柄に存在していますので、銘柄ごとにインプライドボラティリティが算出されています。
インプライドボラティリティを決める構成要素はブラックショールズ式に基づき

  • 原資産価格
  • オプションプレミアム
  • 権利行使価格
  • 残存日数
  • 金利

によって決まります。

例えば
原資産価格=16,000円
オプションプレミアム=400円
権利行使価格=16,000円
残存日数=7月SQまでの3週間
金利=0.1%
という条件のオプションがあると仮定します。

この際にオプションプレミアムと言うのは、理論値や妥当値は無視すると、単純な需給バランスによって値付けされていることが分かります。
売り注文と買い注文が成立していて400円という値段が付いているというわけです。

ここでオプションプレミアム以外の要素が不変だとして、オプションプレミアムだけが500円になったらどうなるでしょうか。
オプションプレミアムが400円から500円になるということは、需給バランス的にはこのオプションに対する買い圧力が強まったと言えます。
原資産価格が不変にもかかわらずオプションプレミアムが上昇するということは、これから相場の急変があるのではないかと市場参加者が思っているから、一見割高になっている500円のプレミアムのオプションが買われていると解釈できます。

プレミアムが400円の時のインプライドボラティリティ

この時にインプライドボラティリティを算出すると、オプションプレミアムが400円の時には29.9%となっていることが分かります。

2016-06-22_234653(画像はPrizeを参照)

プレミアムが500円の時のインプライドボラティリティ

それに対し、プレミアムが500円になるとインプライドボラティリティは37.3%になっています。

2016-06-22_234907この数値が高まれば高まるほど、市場参加者が相場の急変を予想して、オプションを買おうとしていることを暗示した数値となっていることが分かります。

このようなインプライドボラティリティの高まりを指数化したものが、日経平均VI指数となります。

よって日経平均VI指数を見ることで、市場参加者がこの先どのくらいの変動が起こりそうだと予想しているのかを視覚化することが出来ます。

インプライドボラティリティが高止まりしている理由

なお、現在2016年6月に日経平均VI指数が30ポイントを超えて高止まりしているのは、イギリスの国民投票の結果を待っているものと思われます。

2016-06-22_235021

しかし、本当に国民投票の結果が出たらインプライドボラティリティが低下するのかは、わかりません。

イベントが去ってボラティリティが下がったのを振り返ると、高止まりした原因が分かります。
もしかするとFOMC議長の発言を待っているのか、それとも7月初めの雇用統計の数値やアメリカの利上げの可能性があるのかないのか確認するまで高止まりしているかもしれません。

事実として今言えることは、6月半ばに日経平均が下落して、インプライドボラティリティが上昇しているが、その高くなったインプライドボラティリティは高止まりしている、ということだけです。

インプライドボラティリティの特徴

まるで人間の脈拍のように、相場が予期しない動きをすると、インプライドボラティリティは上昇します。
そしてゆっくりと低下していく傾向があります。

これはビックリするときは予告なく事象が発生するのに対し、びっくりした後平静を取り戻すのは何も起きない期間がしばらく続いて落ち着く必要があるからです。

短期的にはびっくりした後には急速に値を戻していきますが、そのあとじりじりと低下する局面が訪れます。

この特徴を生かして、高止まりしている原因を予測し、さらにこの先の動向を予測したうえで売買を狙っていくのが日経平均VI指数を活用した取引となります。

日経平均VI指数の値動きの確認方法

カブコムのカブステーションの銘柄名に「145」と入力すると、日経VI指数のチャートが表示されます。先ほど掲載したチャートは日経VI指数のチャートとなります。

145(日経平均VI指数)

2016-06-22_235021
なお、145.1と入力すると期近の先物チャート、145.2と入力すると期先の先物チャートが表示されます。

145.1(期近先物チャート)

2016-06-22_235240

145.2(期先先物)

2016-06-22_235254

日経平均VI指数の計測時間帯

9:00-15:15です。日中のみ表示されています。
後述する日経VI先物はこの時間帯のみ取引可能です。

まとめ

現状は引けに流動性が集中しているため、ザラ場で決済するアクティブなトレードには不向き。
1ヵ月以内のざっくりとした方向性を予測して取引をして放置するやり方となる。
ギリシャ文字のベガが10なので、ベガヘッジとして活用可能。
しかし先物の取引になるのでコンタンゴ、バックワーデーションという限月による価格差に注意が必要。

 


 

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