株価が20%下落しても勝てる理由は「損益グラフ」にある

あなたは株式投資をする際に、「これから株が上昇するだろう」と予想して投資した直後に、株価が下落して含み損を抱えてしまった経験がありませんか?

もし投資の勝敗を分ける「損益分岐点」を、現在の株価がすでに上回っている状態で投資をスタート出来たら、非常に利益を上げやすくなると思いませんか?

今回私はアメリカ株オプションを利用して、現在の株価が15.47ドルにいるときに、損益分岐点が12.77ドルになるような投資を行いました。

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つまり12.77ドル以下にならないと損失が出ないという投資スタイルを実現することが出来たのです。

結果として、12月18日に決済した時の株価は15.29ドルだったので、危なげなく利益を得ることが出来ました。

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チャートを見ると株価が若干下落していますが、123.9ドルの利益を得ることが出来ています。

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15.57ドルから約20%下落しても、損益分岐点付近であるという、非常に損になりにくい投資法だったのです。

この投資のメリットを実感するには、損益グラフを描くことが最も分かりやすいので、今回はその損益グラフを用いて解説します。
ぜひこの投資法をマスターして、有利な取引を行えるようになりましょう。

この投資スタイルを身に付ければ、もし株価が下落しても安心して持ち続けることが出来るようになりますよ。

損益グラフを描ければオプションのメリットが分かる

損益グラフとは、横軸に株価、縦軸に損益をプロットした直線的なグラフのことです。

通常は15.57ドルより株価が高くなれば利益、安くなれば損失になるのが株式投資の一般的な損益になります。

株価と損益の関係は単純です。株数に対して損益が決まるからです。

株の損益グラフ

例えば100株を保有した時の損益を描画してみると、このように直線の損益グラフを描きます。

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通常の株式投資の場合は、15.57ドルから1ドル上昇したら100ドルの利益、15.57ドルから2ドル上昇したら200ドルの利益、というように比例していきます。

逆に1ドル下落すると-100ドルになりますので、100ドルの損失です。

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この図からわかることは、トレンドは上昇すると思っても、株を保有した直後に株価が下落して損失が膨らんでいく可能性もあるということです。

そこで、この損益分岐点である15.57ドル(今の株価)を引き下げることが出来れば、有利な投資になるはずだと考えて私が活用したのがオプションになります。

オプションの損益グラフ

今回私が投資したのはESVのオプション売りになります。123ドルでESV 18DEC15 P14を売りました。

このオプションは期日になったら14ドル以下になると株と同じ損失が生じるグラフが描かれます。

一方で、14ドル以上はいくら株価が高くなっても利益を得ることが出来ずに一定の利益額になります。

この値動きをグラフ化すると、下図のようになります。

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このオプションを売ることで、最初に1.23ドル受け取ることができて、期日に株価が12.77ドル以下になっていなければ、勝ちとなる投資です。

オプションと株の損益グラフの比較

このグラフが優れているのは、損益分岐点が15.77ドルから12.77にまで引き下げられたことにあるのとともに、損失になる場合には通常の株の保有と同じ損益グラフを描く点です。

たとえば株価が13ドルに下落した際に、オプションを使っていると、株から損失になる額よりも123ドル分有利なので、まだ利益が残っているのです。

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このような状態で投資ができるので、利益が残りやすいといえるでしょう。

オプションがなぜ損益グラフが左にずれるのか

オプションを売るというのは、株を保有した時の無限の利益を放棄しています。

実現するかどうかわからない無限の利益を放棄することで、現在の株価が上昇もしなければ下落もしない、もみ合っていたとしても利益になるような損益グラフが実現しています。

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今回のオプションは123ドル分のお金を受け取って、14ドル以上の利益になる権利を放棄しています。

もし株価が16ドルになっても、123ドル分の利益になります。仮に株価が18ドルにまで上昇しても、利益は123ドルのままです。

逆に株価が13ドルまで下落したら、13ドル-15.57ドル=-1.43ドル×100株=143ドルの損失になります。
ですが、最初に123ドルをすでに受け取っているので、123ドル-143ドル=-20ドルの損失に低減されています。

つまり最初に123ドルを受け取っているのが最大利益で、もし株価が14ドル以下になったとしても、受け取ったお金は返す必要が無く株の損失と同じ動きをします。

そうすると、最初に受け取った金額以下にならなければ、損益はプラスで終わることが出来ます。

123ドルを受け取っているので、1.23ドル分の下落、14ドルから1.23ドルを差し引いた12.77ドルが損益分岐点となります。
12.77ドル以下にならなければ、利益が残る投資を実現できたことになります。

重ねて比較することでメリットが分かる

もう一度損益グラフを重ねた図を表示します。このように損益グラフを重ねてみると、少し右側にずれています。

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現在の株価が15.57ドルの時に、損益分岐点が12.77ドルとなっています。
つまり現在の株価が15.57ドルから20%近く下落して初めて損失になるのです。

投資で買ったか負けたかを示す損益分岐点が、左側にずれているということは、株価が下がっても損失になりにくいことを示していることがわかりますよね。

オプションが株よりもリスクが低い理由

私の取引事例では、棚面のところに収まったので利益を上げる事が出来ました。
もし下落したとしても、下落の程度はグラフの傾きに従いますので、株を保有した時と全く変わりません。

この戦い方のポイントは株式投資よりもリスクを低く出来たという点です。

株の保有と全く変わらないリスクでいながら、オプションを売った時の受け取りを使って損益分岐点を下げることに成功しています。

損益分岐点を下げたということは、もし仮に株価が全く動かなかったとしても、利益を得る可能性があります。

つまりオプションを売った方が、損益グラフで考えた場合には利益を上げやすいということが言えます。

もし株価が大暴騰するのを予測できるのであれば、無限の利益を狙いに行ける株式投資の方が優れていますが、負けにくさという観点では損益分岐点が低くなる方がずっと利益を上げやすいということが言えます。

このずれ量は最初に売ったプットのプレミアム代金分だけ左にずれています。

なぜ最初にお金を受け取って開始することが出来たのかというと、「義務」を引き受けた代わりに対価をもらっているからです。

プット売りとは「保険料の受け取り」である

オプションは定期保険を考えると理解しやすいでしょう。

プット売りとは「ESVの株価が14ドル以下になったら困る」という人が万が一14ドル以下になった時の保険金が下りる商品としてプットを買います。
このプットを売るので、投資家は保険を売っていることになります。

保険を売ると、保険料が手元に入ります。しかしながら、もし万が一の出来事が起きた場合には、その受け取り保険料に関わらずに保険金を支払わなければいけません。

この保険料が今回のプット売りでは「14ドルで買わなければいけない」という条件になります。

もし14ドルで買わなければいけない義務が発生して現在の株価が13ドルだと、1ドル分損失を被ることになります。
14ドルで買わなければいけないので、14ドルで購入して、現在の株価の13ドルで売るからです。

ところが、私が取引したプットオプションは123ドルの価格が付いていましたので、株価が13ドルになって1ドル分損失になったとしても、受け取った保険料は返さなくていいので123ドル-100ドル=23ドルの利益が残っています。

このように、利益と損失のちょうど分岐点になるところを損益分岐点と呼び、今回の投資の場合はプット14ドル-1.23=12.77ドルになります。
つまり12.77ドル以下にならなければ投資としては勝利で終われるのです。

このような、株式投資の「上がるか、下がるか」という勝負に付随した保険料を売買するのが、オプションの特徴です。

取引の際の注意点

ではオプション売りは万能の投資スタイルではありません。
必ず利益になる投資スタイルではないので、次のことを気を付ける必要があります。

期限があり将来の株価の予想である

オプションは決まった日付に株価が何ドルになるかで勝敗が決まります。
株を保有する場合は明日株価が上下したら損益にダイレクトに反映されますが、オプションの場合はあるきまった日付(今回の事例では12月18日)時点の株価のみが損益に関係します。

少ない資金で行えるので、資金管理する必要がある

今回は100株を保有するのに必要な資金は15.57ドル×100株=1557ドルではなく、証拠金としておよそ300ドル程度で済みます。
つまり資金量が少なく、レバレッジを掛けた取引が出来ます。

メリットのように見えるかもしれませんが、資金管理をきちんとしないと思わぬ証拠金不足を招いてしまいますので、1557ドル分の資金を確保して取引したほうが安全性は高いでしょう。

まとめ

損益グラフを描くと、株よりもオプション売りの方が利益が出る可能性が高い。

損益分岐点はオプション売りのプレミアム分だけ左にずれる。

損益分岐点が左にずれるのは、無限の利益を放棄することで実現する。