「LEAPSの税金」課税対象になる取引はこの2種類


LEAPSを実行するにあたり、税金の知識は必要不可欠です。

日本国内で取引する日経225オプション取引は申告分離課税のみですが、米国株の利益は申告分離課税、米国株オプションの利益は総合課税となります。

ここではLEAPSで実行する取引ごとの税区分の違いについて説明します。

 

納税国について

日本からアメリカ市場の株やオプションを取引する場合には、口座開設の際に証券会社に「W-8BEN」という書類を提出することで、アメリカに居住していないことの証明となり居住国である日本で課税されることとなります。
よって納税は通常は日本で行い、確定申告時に納税額を申告することとなります。

なお、「W-8BEN」を提出しない場合は米国在住者として、約30%の税率でアメリカから課税されることなります。通常日本国内で証券口座開設時にW-8BENを提出しているため、日本の税制に従います。
IB証券ではW-8BENは3年毎に確認書類を提出することになりますが、電子署名を記入するだけなので改めて投資家が書類を作成することはありません。

課税対象になる取引

米国株でLEAPSを実行するにあたり、注意するのは課税対象となる利益が発生するタイミングであり、それは2点だけしかありません。

  • 1つはオプションを売って満期で権利が消滅した時の利益
  • もう1つは割り当てされて現物株となり、その株を決済した時の利益

この2つの事例について解説します。

現物株を決済した時の利益

日本では株式投資は「雑所得」の「申告分離課税」として、所得税・住民税を合わせておおよそ20%を課税されます。

この時は本業や他の仕事の所得とは関係なく、申告分離課税として「分離」されて課税されます。
いくらLEAPSで利益が増えても一律で約20%の課税となりますので税金の支払い予測ができます。

しかし株式の利益を、日経225オプションとは損益通算できません。

以前は日経225オプションはFXと損益通算が不可能だったものが制度改正により可能となりましたが、いまだ株式投資と先物・オプションは損益通算が出来ません。

つまり国内株やETFとの損益通算が出来る課税カテゴリにいることになります。

たとえばSBI証券や楽天証券など、国内証券会社でもアメリカ株を購入することが出来ます。LEAPSを実行するIB証券でアメリカ株を買うことだけが特殊事例として区別されることはありません。

国内大手証券会社と同様にアメリカ株も損益通算出来る対象として申告分離課税の措置が取られています。

プットオプション売り消滅時の利益

この利益は「雑所得」区分の中の「総合課税」に分類されます。株式投資等の損益と通算することが出来ません。
事業所得や給与所得と合わせて累進課税によって税率が決まります。

つまりオプション単体での損益とは別に、個人が仕事をして得た金額によって課税額が決まるということです。

もし本業で損失が増えて赤字決済の時であれば、オプションによる利益は損益通算できて課税が発生しないかもしれませんが、逆に他の事業で利益が出た場合にはその税率を適用されるために所得税・住民税を合わせるとおおよそ半分近くの額を課税される可能性もあります。

たとえば不動産投資を事業規模まで広げない範囲で行っていれば、総合課税によって損益通算されます。

ここで重要なのは、株式の損益と通算できないということです。

オプションを売って発生した損益と、オプションが満期になって株に変わった後の損益を通算できないというのが現状の課税ルールです。

その他の取引における課税の有無

以上がLEAPSにおける課税ルールになりますが、その他のオプションの取引行為における資金の増減については課税対象になりません。

オプション売りで権利行使された時の受け取りプレミアム

権利消滅時には総合課税

オプション売によって受け取ったプレミアムは、当該オプションが満期になるか権利行使されるまでは、「受け取った」だけの状態であり、預かり金です。まだ利益にはなっていません。

このオプション売りが満期になって権利消滅すると、そのプレミアムが利益として確定します。この時の課税区分は前述のとおり総合課税となります。

現物割り当て時の売りプレミアム分

一方権利行使された時には現物株を保有することになりますが、この時に受け取ったプレミアムが、現物株を保有するための資金から差し引かれます。

米国株オプションで7か月に2回取引し利回り31.7%を得た方法に詳細を記載したように、取得株価から受け取りプレミアムを差し引いてステートメントが発行されているのです。

2016-04-19_145223

下段が決済情報となりますが、4月15日時点で10.01ドルの株を決済しているのに約定価格が9ドルです。さらに、株の取得費が、854.75ドルになっています。

取得費から約定価格を引いても、実現損益と一致していません。

これは、9ドルの株を購入する際にP9を売って得たプレミアム46ドルを差し引いて計算しています。

このアルコア(ティッカーコード:AA)の事例から分かるように、プット売りで得たプレミアムを差し引いて現物株を取得しているので、この現物株を保有する際にオプション売りによるプレミアムは、利益として確定していません。

利益として確定していないということは、この割り当てによって課税される利益は出ていないということになります。

カバードコールによるコール売りの利益

権利消滅時には総合課税

このときはプット売りの権利消滅と同様、総合課税区分で課税されることになります。

割り当て時の売りプレミアム分

コール売りがイン・ザ・マネーになると、個別株をショートポジションで保有することとなります。

この場合は、先ほどのプット売りのプレミアムと同様に、現物株の取得単価に反映されて現物株を保有することとなりますので割り当て時に課税されることはありません。

カバードコール戦略を取っている場合は、現物株のショートポジションとなった際にもともと保有していたロングポジションの現物株と両建て状態となり、ポジションが解消されます。

その解消されるときに発生した損益について課税されるため、こちらは申告分離課税となります。

前述したステートメントに記載されている、株式を売買して発生したように見える実現損益の141.42ドルというのが、実はプット売りとコール売りから得られたプレミアムとなっています。

2016-04-19_145223

よってコール売り自体からは課税されません。現物株に割り当てられたものをクローズすることで、初めて課税対象となります。

日本の課税対象期間

課税対象となるのは、1月1日~12月31日までに発生した損益となります。

したがって、LEAPS戦略を実行している際に、プット売りが権利消滅したものは課税取引となりますが、イン・ザ・マネーになって現物株に割り当てられているものは、ポジションを保有している限りは課税取引は発生していません。

カバードコールを行い両建てになって消滅するときに課税取引が行われるために、課税対象期間をまたぐ時も当然多くなります。

これによって節税、課税の繰り延べ等の手段が考えられそうですが、そううまくは行きません。

節税や課税の繰り延べ

実際にはプット売りが満期で消滅する取引や、カバードコールで現物株が値上がりせずにコール売りが消滅する場合は総合課税となり権利消滅時に課税対象となる利益が確定します。

さらに確実に割り当てられるとわかっているオプションを売れば課税所得を繰り延べできそうに思えるかもしれませんが、実際には課税所得を繰り延べるには「実現損」が期中に確定していないといけないので、プット売りを実行した段階ではまだ損益が確定していないので課税の繰り延べにはなりません。

このように考えると、プットを売って現物株になって割り当てがあっても、コールオプションを売り続けられる限りは損失が確定しない戦略でもあります。

差金決済のオプション取引を行っていると損益が確定するのが当たり前に思えますが、現物株は含み損という形で何年も損を確定せずに保有することが出来ます。

その保有期間中にカバードコールで資金を回収しておけば、数年取り組んでいれば含み損をカバードコールの利益が上回る時が来るでしょう。このような状態になるとフリートレードとなり、損失はほぼなくなります。

また、個別株の場合はずっと割安に放置されているとは限らず、いつか株価が急騰する可能性もあります。その時を数年待ち続けていれば、最終的には利益となって取引を終えることが出来ます。

以上より、LEAPSは節税や課税の繰り延べは見込めません。逆に長期で保有することで非常に課税所得が発生しやすい取引であるとも言えます。

まとめ

オプション売りの権利消滅は総合課税であり、個別株の損益は申告分離課税。申告分離課税はおおよそ20%の税率であるが、総合課税は自身の稼ぎによって累進課税で税率が決まる。

両者は課税区分が異なるため損益通算はできない。また、取引タイミングと課税発生タイミングが異なることによる課税の繰り延べは、実現が難しい。

ただし数年かけて利益をコツコツ積み上げていけば、胸を張って課税を行えるくらいの利益になっている可能性が高い取引でもある。

 


 

こちらもどうぞ

にほんブログ村 先物取引ブログ 日経225オプションへ

LEAPSでコツコツと堅実に利益を稼ぐ方法とは

 

米国株オプションを使った投資法としてLEAPSをどこよりも詳しく解説したセミナー動画を販売しています。

少ない手間で安定的に利益を出す方法を学べます。


動画詳細を確認する