NT倍率トレードの最適な枚数比率は「時価総額」の一致

あなたは、日経225ミニとミニTOPIX先物をペアトレードする際に、枚数バランスを考慮していますか?

1枚ずつ売買することでリスクを抑えようとすると、逆にリスクが高くなる危険性があります。どうしたらよいかと言うと、枚数バランスを調整し、お互いの銘柄の時価総額を合わせることが解決策となります。

ではなぜ時価総額を合わせる必要があるのかを解説します。

日経平均株価は18,000円、TOPIXは1,400円と、価格が約10倍異なります。

1枚当たりの取引価格は日経225ミニは表示価格の100倍なので1,800,000円、ミニTOPIX先物は表示価格の1,000倍なので1,400,000円となります。

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この価格差を埋めるために「時価総額」を合わせて取引を行うのです。

具体的には日経225ミニを18枚、ミニTOPIX先物を14枚保有することで、時価総額を25,200,000円に揃えることが出来ます。

この状態で日経平均株価とTOPIXが共に同じ割合だけ上下変動しても、日経平均株価がTOPIXよりも強ければNTのロングポジション、日経平均株価がTOPIXよりも弱ければNTショートポジションを組んで時価総額のずれを利益に変えることが出来ます。

あなたもこの記事を読んでペアトレードを極め、日経225ミニとTOPIXのサヤを狙いましょう!

NT倍率の時価総額を合わせる理由

日経225ミニを1枚ロングし、TOPIXミニを1枚ショートした状態で、数日後に両者とも株価が下落したことを計算することで、なぜ時価総額を合わせる必要があるかが理解できます。

日経平均株価が18,000円、TOPIXが1,400円の時には、日経225ミニを14枚買い、ミニTOPIX先物を18枚売ります。

そうすることで時価総額が
日経225ミニ 18,000円×100倍×14枚=25,200,000円
ミニTOPIX先物 1,400×1,000倍×18枚=25,200,000円
と両者の時価総額が一致します。

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この時に日経平均株価とTOPIXがそれぞれ1%上昇すると、日経225ミニの時価総額は1%増の25,452,000円、ミニTOPIX先物も同額の25,200,000円となり、損益が発生しないペアトレードが実現します。

つまり時価総額が1%増加しても時価総額に差が出ないため、損益の計算結果は±0となります。

よって同じ割合だけ変化する分には損益に影響が出ません。

株価水準を上げても変動率に連動する

株価水準が異なる場合は、それに合わせて時価総額を合わせることでペアトレードを実現します。

つまり日経平均株価が20,000円でTOPIXが1,400円の時には、日経225ミニを14枚買い、ミニTOPIX先物を20枚売ります。
このようにすることで時価総額が28,000,000円で一致しますので、株価変動が同じように1%上昇しても、2%上昇してもペアトレードからの損益は発生しません。

倍率の計算は相手の株価で計算しよう

上記の事例では時価総額を合わせるために相手の株価との比率を掛けて日経平均株価が18,000円、TOPIXが1,400円の時には、日経225ミニを14枚買い、ミニTOPIX先物を18枚売りました。

資金量を抑えるためには比例関係が崩れなければ問題ないので、ちょうど割り切れる下図として両者を1/2にした日経25ミニを7枚、ミニTOPIX先物を9枚売ってもよいでしょう。

安全性は証拠金維持率が証明している

NT倍率のペアトレードを実行する際には、証拠金がとても少なくて保有できます。

日経225ミニの証拠金は約8万円で、ミニTOPIX先物も同様に約8万円かかりますが、両者を同一口座で保有すると、類似性の高い銘柄でお互いにヘッジ機能が働いて相殺し合うとみなされて、証拠金が1.3万円程度で済みます。

これは日経平均株価とTOPIXが非常によく似た動きをしていることを、証券会社や証拠金算出を行う日本クリアリング機構が認めているためです。

そのため証拠金が少なく取引を行えることが出来ます。

時価総額を揃えないと生じるズレ

時価総額を揃えないと生じるズレの検証の際には、原資産価格を変えたり、下落の株価で検証すると違いがよく分かります。

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日経平均株価が14,000円の場合

1%上昇した場合

日経225ミニは18,000円×100倍×1枚=1,800,000円でミニTOPIX先物は1,400円×1,000倍×1枚=1,400,000円となります。

日経平均株価は180,000円が1%上昇したので日経225ミニの取引価格は1,818,000円となり、TOPIXも同じく1%上昇したのでミニTOPIX先物の時取引価格は1,414,000円となります。

差額を計算すると日経225ミニは18,000円の利益、ミニTOPIX先物は14,000円のマイナス、つまりトータルで4,000円の利益となります。

2%上昇した場合

同様に計算すると日経225ミニは1,836,000-1,800,000-=36,000円、ミニTOPIX先物は1,400,000円-1,428,000円=-28,000円となり、合計して+8,000円となります。
1%の上昇で+4,000円、2%の上昇で+8,000円になるということは、日経225ミニとミニTOPIX先物の価格変動のずれが、1%当たり4,000円の損益を生み出すことになってしまいます。

日経平均株価が20,000円の場合

次に日経平均が20,000円、TOPIXが1,400円の時を見てみましょう。

1%上昇した場合

日経225ミニ +20,000円
ミニTOPIX先物 -14,000円

合計+6,000円

2%上昇した場合

日経225ミニ +40,000円
ミニTOPIX先物 -28,000円

合計+12,000円

よって、今度は1%あたり3,000円の損益が生じています。

そもそも、NT倍率とは、日経平均の上昇とTOPIXの上昇の差額を利益に変える戦略なので、このように日経平均株価の水準が異なる場合や、下落率が変わったことで損益のブレが起きてはいけない取引になります。

もしそのような日経平均の水準や下落幅を予測するのではあれば、NT倍率の取引ではなく異なる取引を行うべきです。
つまりこの検証では、NT倍率が正常に機能していないことが分かります。

株価の下落幅を採用してもズレが生じる

下落の量を、割合(%)ではなく下落幅の額で考えてみても同じです。

例えば先物の倍率が日経225ミニの方が10倍多いので、日経平均株価が1,000円下落したら、TOPIXは10円下落するはずだと考えてみて検証します。

日経平均株価が18,000円の場合

これまでの計算同様に日経225ミニを1枚ロングし、ミニTOPIX先物を1枚ショートした状態で、数日後に日経平均株価が100円上昇し、TOPIXは10円上昇すると日経225ミニの取引価格は1,810,000円となり、TOPIXは10円上昇したのでミニTOPIX先物の取引価格は1,410,000円となります。

差額を計算すると日経225ミニは10,000円のプラス、ミニTOPIX先物は10,000のマイナスになるので、差引は0となります。

この時の上昇幅である日経平均1,00円の上昇は、日経平均株価の水準から考えると100円÷18,000円=0.56%の上昇率です。

一方でTOPIXが10円上昇するというのは、10円÷1,400円=0.7%の上昇となっています。

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NT倍率はペアトレードとして市場の変動に似た動きをする銘柄を採用しているはずが、価格幅で考えると、変動率が異なってしまいます。

つまり株価水準が乖離すればするほど、顕著に実際の感覚と異なってきます。

 

日経平均株価が40,000円の時

例えば極端な例を取って日経平均が40,000円、TOPIXが1,000円とした場合に、日経平均株価の100円の下落は0.25%の上昇幅であるのに対して、TOPIXが10円上昇するのは1%の上昇幅になります。

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TOPIXとは、東証一部上場企業の全銘柄の時価総額を表している一方で、日経平均株価はTOPIX銘柄の中でも225銘柄に絞って加重平均を算出した指数となりますので、業種やセクターによる違いはあっても、TOPIXの下落率と日経平均株価の下落率は近しい値になるはずです。

しかしこのように日経平均株価が異なると、同じ上昇幅であっても上昇率が異なる場合は、時価総額を合わせる取引をしているNT倍率取引では損益に誤差が大きくなることがわかります。

実際の相場に合うのはどちらかを選ぼう

検証したように、株価水準によって同じ株価の上昇幅であっても変動率が異なるというのは実際の相場では起きにくい現象です。

この下落幅によってペアトレードする戦い方では、一時的な保有ではブレが少ない可能性もありますが、長期保有して株価水準が異なっていった際には実際の株価の動き、つまり日経平均株価とTOPIXがほぼ同じ騰落率を示している市場間のさやを正しく取れないということになります。

今回のNT倍率を用いたペアトレードは、上記のような株価水準によって変動率が異なる市場間のさやを取る戦い方ではありません。

日経平均株価とTOPIXの時価総額を比較して、今後日経225銘柄の方が強いと思った時にNT倍率をロングし、日経225銘柄が弱いか相対的にTOPIXが強くなる時にショートをすることで利益を上げていく戦略となります。

この戦略の意図を反映するのには、時価総額で比較しないと正確には損益予測が出来ないのです。

だから、時価総額を合わせるのです。

まとめ

NT倍率を正しくトレードするには、保有銘柄の時価総額を合わせることが最大のポイントとなります。

時価総額を合わせることで、相場状況によらずに時価総額の差額を利益に変えることが出来るようになるのです。