明日突然アメリカが利上げすると、米国債は91.249に急落する

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明日突然アメリカの金利が引き上げられたら、国債価格はいくらになるでしょうか?

実際はFRBが金融政策会合を経て決定するので突然利上げすることは稀ですが、もし短期間に利上げがされたときにもこの理論式が有効であることがこの記事を読むことで理解できるようになります。

金利変動後の国債価格は

$$金利変動後の国債価格=\frac{(100+購入時利率×残存年数)}{(100+現在の利率×残存年数)}×100$$

と言う式で示されています。

今回は式を応用して様々な期間の国債価格を計算しますので、今後国債投資への不安が少なくなることでしょう。

今回算出するのは金利を受け取るタイプの国債です。STRIPS債ではありません。

まず、金利が0.5%上昇し、1年経過した後の国債価格はアメリカ金利上昇時の米国債価格を求める際に覚えるべき計算式に記載したように、100の国債が91.594に低下することがわかっています。

利上げ0.5%が起きた直後の国債価格

現在の30年ものの金利が2%だとして、2.5%になった時に国債価格がどのように変化するか見てみましょう。

この場合は、償還期間は30年として、計算式を当てはめるだけです。

$$金利変動後の国債価格=\frac{(100+2×30)}{(100+2.5×30)×100}=\frac{160}{175}=91.429$$

このように、利上げ直後の数値は利上げ後1年後の91.59よりももっと小さい値となりました。

つまりここから言えることは、利上げ後が一番国債購入の仕込み時であるということです。

金利が0.5%上昇し、3年経過した後の国債価格

では3年後はどうなるでしょうか。同じく金利が0.5%上昇したと考えます。

購入時の利率は2%、残存期間(分母、分子とも)は27年、現在の金利は2.5%を入れて計算します。

$$金利変動後の国債価格=\frac{(100+2×27)}{(100+2.5×27)}×100=\frac{154}{167.5}×100=91.940$$

このように、金利が0.5%上昇して91.59にまで値下がりしても、時間が経つと少しずつ国債価格は上昇することがわかります。

満期における国債価格

満期に置いて、国債価格は額面の100になります。少しずつ上昇するというのは、満期に向けて額面の100に向かっていくということを意味しています。

額面通りに償還されるというのは決定事項なので、絶対に100になります。

このように必ず価格の方向が決まっている商品というのが、他にはない国債の特徴となります。

で、満期時に償還価格が100になるのも、この式であらわされます。
これは残存期間を0にするだけです。

$$満期の国債価格=\frac{(100+2×0)}{(100+2.5×0)}×100=\frac{100}{100}×100=100$$

このように額面である100が導き出されました。

将来の利上げを予測するのは困難

以上の検証より利上げ後が国債購入の仕込み時であることが分かりましたが、仮に今回0.5%の利上げをしたあとに、短期でもう一度値上げがあったとしましょう。

その場合は当然後者の利上げ実施後の方が、国債価格はもっと安く購入することが出来ます。

現在のアメリカの金利は0.5%ですが、過去には4%や5%という時代もあったため、景気が上昇すれば利上げを行っていくことが想像されます。

しかしながら、今後アメリカが利上げをするのか、そして利上げをするほど経済が活況となるのかは予測しなければなりません。

もしかすると再び景気減速が起きて利下げが行われた場合には、今度は逆に国債価格が上昇することになります。
額面の100を超えることも不思議ではありません。

世界情勢が目まぐるしく変わる現代において、将来の金利動向を正確に予測するのは困難です。

金利が暴騰しても、額面の100で償還

もし金利が大暴騰して、8%になったとしましょう。

明日金利が8%になったら、$$\frac{100+2×30)}{(100+8×30)}×100=47.059$$

と半値以下になりました。

利上げは国債価格の低下を招くことが、よく分かる計算結果です。

しかしながら、満期には100になります。いくら金利が暴騰しても、満期では100なのです。

$$\frac{(100+2×0)}{(100+8×0)}×100=100$$

残存期間が0であれば、金利の影響はありません。それが国債の仕組みです。

金利の変動を緩和するための投資法

このように金利の動向を見極めるのは非常に難しいです。

その場合はどうしたらよいかと考えたときに、お勧めなのがドルコスト平均法で淡々と定期的に購入することです。

ドルコスト平均法によって平均取得単価を抑えていくことが出来れば、一時的な不利益は緩和されることが予想されます。

ドルコスト平均法とは、常に一定の金額を買い付ける手法であり、例えば10000ドルを毎回投資する場合には、国債の取引価格が900ドルになれば11.11口購入し、逆に国債価格が1100ドルになっていれば口数を減らして9.09口購入するといった具合に、1回の投資総額は同じ額になるように口数で調整をするという投資手法のことです。
※実際は小数点以下の口数では買えませんのでロット数を増やすことになります。

このドルコスト平均法を利用することで、一時的な金利の上下に惑わされずに、淡々と購入をしていくことが出来るようになります。

投資期間に応じて金利は受け取っている

あと忘れていけないのは金利分を半年に1回受け取っているということです。
国債価格は上記の式のように3年後に91.940になっていますが、3年間で2%×3の金利収入を受け取っています。
1000ドル額面の国債の場合は、20ドル×3年=60ドル分です。

この金利収入も合わせて考えると、今国債を購入するのか、それとも利上げまで購入を控えておいて、利上げ後に国債を購入するのかの選定の目安が生まれます。
今国債を購入すると100、利上げ実施直後の国債の価格は91.429です。

もし今国債を購入して3年の間に利上げが実施された場合は91.940となりますが、3年経過後の金利収入は6あるため、実質は91.940+6=97.940になっていると考えらえます。

この97.940でも、当初の100以下となっているため、3年のリターンで考えると損失となっています。

3年間のうちに利上げがあるか、利上げは1回で終わるのか終わらないのか、それとも世界的経済減速により利上げ取り下げを繰り返すのか、3年間という期間は妥当なのかそれとももっと短いのか、あるいは長いのかといった判断は、金利動向によりますので簡単に判断することではできません。

ですが、このように利上げによる価格変動を理解しておくと、今後の金利変動による国債価格の値下がり幅が予測できるので、安心して国債を保有し続けられるのではないでしょうか。

まとめ

以上のように、利上げ直後の国債価格や、3年後、満期の国債価格を計算によって求められることがわかりました。

この計算式に思惑・相場観と言う不確定要素はありません。
あるとしたら、FRBが誘導する金利が1%だとしたときに、市中金利1%ズバリの値ではなく上下に振れ、それが価格として反映されるくらいです。

理論値が分かれば、あとは今の金利と国債価格が割高だと思えるか、割安だと思えるかという判断だけになります。

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