恐怖指数に連動するVXXのリスクを減らす資金管理方法

VXXを空売りする際に「リスクを保有する」ことでリスク対処する方法を2つ紹介します。
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アメリカ市場に上場されているVXXと呼ばれるETNは、長期的に見ると必ず株価が下落しています。

下記が実際のチャートです。

2016-11-10_174422-12011年末に2039ドルだった株価が、2012年末には390ドルになりました。(下落率80.8%)
2012年末は390ドルだった株価が、2013年末には198ドルになりました。(下落率49.2%)
2013年末は198ドルだった株価が、2014年末には147ドルになりました。(下落率25.7%)
2014年末は147ドルだった株価が、2015年末には96ドルになりました。(下落率34.7%)
2015年末は96ドルだった株価が、2016年末には26ドルに下落しました。(下落率72.9%)

毎年軽く20%を超える下落率を記録しているのが分かります。

このVXXで利益を上げるのに最も簡単な方法はVXX株を「カラ売り」することです。カラ売りをして安くなったところを買い戻す事ができれば、株価の下落を利益に変えることが出来ます。

しかし、カラ売り戦略で一番気をつけなければいけないのは、VXXの株価が意に反して上昇し、含み損が大きくなり投資を続けられなくなることです。

これがVXXカラ売り戦略の最大のリスクです。

しかし、裏を返せばリスクにさえきちんと対処出来れば、VXXで毎年利益をあげられるようになることを意味しています。

そこで、この記事ではリスクに対処する方法として「リスクを保有する」手段を2つ紹介します。

リスク対処法を知りコントロールすることが出来れば、あなたもVXXで安心して年間20%の減価を利益にすることができます。

VXXをカラ売りすべき理由

カラ売りと聞くと、株式投資の信用売りに当たるため、個別株を買う投資スタイルしか行っていない投資家は、なんとなく怖いイメージを持っているかもしれませんね。

しかしその怖いというイメージは、株価がどちらにいくか分からない銘柄を扱い、損失を予測できないから沸き起こる感情です。

VXXは株価が下落していく運命にあるので、どちらにいくか分かります。長期的には必ず下落するのです。

よって損失を予測できれば怖さは払拭されるはずです。そこで、2016年の1年間で表示したVXXのチャートの詳細を見てみましょう。

2016年の年始にはおよそ75ドルの株価が、年末には26ドル付近まで下落しています。

対象期間を長くして2014年から値動きを見てみましょう。

こちらも途中でもみ合いながらも、株価が下落していくことが分かります。2014年の年始には株価が200ドルのに対して、2016年末には26ドルまで下落しています。

このVXX銘柄のように長期的に見れば必ず下がる銘柄は、日本にはほとんどありません。わざわざ下落する運命にある株を買う人がいないからです。

右肩上がりの優良株を見つけられるか?

逆に、投資にとって最も優良な銘柄である、将来右肩あたりが約束された銘柄を簡単に見つけられるでしょうか?

いわゆる「聖杯」銘柄と呼ばれる、収益源の柱となるような銘柄のことです。

実際のところ右肩上がりの優良株はなかなか見つからないのが現状です。

もし右肩上がりの銘柄に投資すれば、保有し続けるだけでコツコツと利益を上げられますが、そのような都合の良い株は簡単に見つからないのが相場の常です。

インデックス投資も銘柄選びが大切

そこでインデックス投資(日経平均株価そのものを取引する商品)で運用すれば個別株を探さないで済み、市場の代表銘柄全部に分散投資されるのでメリットがあるように思えますが、日経平均株価が1990年代に4万円を付けて以降、いまだその高値に戻ったことがありません。

もし日経平均株価が4万円の時代にインデックス連動ETF投資を買った場合には、現在の2017年になっても半額の2万円に届かないため、投下資金が半分になる憂き目を感じながら、含み損を抱えて耐えることになります。

投資信託はインデックス投資のリターンを超えられない

また、投資信託ならプロのファンドマネージャーが運用してくれるので、銘柄によっては年間数パーセントの値上がり益を得られるものもあります。

しかし長期で見るとインデックスを超えるリターンを常に上げ続ける投資信託商品はほとんど無いといわれ、投資信託よりはまだインデックス投資のほうが利益を出しやすいとも言われます。

投資のタイミングも重要です。
日経平均株価が8,000円を下回る最安値の時期にインデックス投資を始めたら、右肩上がりの状況に乗れます。

しかしいつ始めるかによってリターンにバラツキがあるような商品では、右肩上がりの商品とは呼べずに運任せの運用を覚悟する必要があります。

さらには信託報酬などにより利益を圧縮されながら、それでも値下がり損は個人投資家が抱えなければいけないという課題もあります。

「カラ売り」すれば右肩上がりを探す必要が無い

右肩上がりに価格が上昇する株価を見つけるのが難しいのであれば、逆転の発想として、下落する銘柄に投資をすればよいのです。

この場合にはインデックス投資と異なり、高い株価を売って安くなった株価を買い戻すことで利益が出ます。

この利益を出す取引を「カラ売り」と呼びます。

「カラ売り」とは、まず保有していない銘柄の株を借りてきて、あたかも持っているかのようにその株の「売り注文」を出して、利益が出たところで「買い戻し注文」を行って決済する行為になります。

今回取り上げたVXXは、投資信託やインデックス投資のように、「買って持ち続ける」投資ではありません。

常に株価が下落する仕組みを利用して、「カラ売り」することで利益を狙っていくのです。

つまり投資信託やインデックス投資とは、買いと売りが真逆になるのです。

インデックス投資とカラ売りの最大損失の違いとは?

通常の株式投資で株を購入する場合、最大損失額は投下資金のみとなります。株価が0になると最大損失になり、投下資金を失って終了します。

損失は手痛い事実ですが、投下資金を失うだけで終わるというのは、損失限定になりますので安心感があります。

長期保有を続けられる根拠は、支払い代金が最大損失と決まっているから、資金に余裕があれば持ち続けられるのです。

一方、カラ売り場合には、株価が暴騰した場合には理論上無限大となります。株を買う立場では利益が無限大になる可能性があるのに対して売り手は真逆になるので損失が無限大になります。

損失額を予測するには過去の事例を見れば判明する

そこで、この無限大の損失をどのようにリスクコントロールするのか、ひとつのアイディアとして過去の実績を見るのが有効です。

チャートは過去の事実を反映していますので、チャートから最大損失額を予測すれば、理論上無限大であるカラ売りが、事実上は有限のものであると判断が出来ます。

チャイナショックの株価の直前を見てみましょう。株価がおよそ2倍に上昇しています。

このように過去の経済危機を調べていくことで予測を立てられるようになります。

過去の最大の経済危機で調査ができるのはリーマンショックでした。リーマンショック時点のVXXの株価を計算した値を掲載します。実際はVXX上場が2009年のため、当時の株価を逆算で計算してみました。


この結果から、リーマンショックのVXXの暴騰の程度が4倍弱であったことが分かります。よって、4倍を最大資金として確保しておけば、損失はその範囲内で収まることが分かります。

なお、一時的に含み損が拡大しても、時間が経てば減価していくのは冒頭に解説した通りで、市場の急変に耐えられれば良いことがわかります。VXXがリーマンショックの時点で4倍までしか膨れ上がらないことを抑えておけば、このリスクを保有しても問題ないといえます。

もっとも、リーマンショックを超える経済危機が今後起きない保証はありません。しかしながらリーマンショックは100年に1度の経済危機といわれておりましたので、リーマンショックを超える変動が明日起きる可能性は、低いとも考えられます。

完璧に損失を限定出来るわけではありませんが、そこがリスクであり、保有しても良いリスクであればこの投資を始めるのに何も迷うことはありません。

このリスクを取るからVXXの減価を利益に変えることが出来るからです。このリスク丸ごと保有してVXXからのリターンを得るのがカラ売りで利益を上げるコツです。

リスクを保有するための2種類の手段

このリスク保有を実現するには、2つの方法があります。

(1)自己資金を豊富に用意している場合
(2)自己資金に対してわずか数パーセントの投下資金の場合

これらの場合には、ヘッジをせずに丸ごとリスクを保有することができます。

もしかするとあなたは「私はそんなに大規模投資家じゃないから関係ない」と思っているかもしれませんが、個人投資家であれば充分対象になる可能性があります。

特に(2)の自己資金に対して投下資金が著しく小さい場合に該当する人が非常に多いことが考えられます。

(1)自己資金を豊富に用意している場合

1000万円の保有資金を持って10万円のVXXを売った場合には、投下資金は自己資金に対してわずか1%程度しかありません。

この状態で仮にVXXが暴騰してリーマンショック時の価格上昇である4倍になったとしても、10万円の時価総額のVXXが40万円に上昇している程度です。

1000万円の自己資金に対してドローダウンがわずか4%しかありませんので、まだまだ余裕があるといえます。

他に投資をしていなければ、余剰資金は96%もありますので、リーマンショック級の変動が2,3回来ても資金が足りなくなることはないでしょう。

この場合のリスク保有が出来る根拠は、すでに自らのポジションサイズをコントロールすることでリスクへの対処ができているといえます。

(2)自己資金に対してわずか数パーセントの投下資金の場合

最も安全性が高く、誰でも最初に行う投資スタイルが、保有資金に対してごく小さいポジションを保有することです。

例えば50万円用意して、VXXを17ドルで3枚売る(=5000円)投資を実行した場合には、50万円に対する投下資金の割合は、わずか1%になります。

もし万が一VXXが急騰して5倍になったとしても、2.5万円の含み損だけになります。50万円に対して2.5万円なので、まだ総資産の5%しか使っていません。

もしVXXが仮に投下資金の10倍になっても、5万円分の含み損なので、総資産の10%程度です。

このように資金量に対する投下資金をコントロールすることで、リスクを丸ごと保有しても問題がなくなるのです。

投資利回りを最大化させるためには効率化が必須

しかしながら、この投資方法の課題は、使っていない自己資金が余ることです。

10万円の投資で仮に20%の利益を上げたとした場合は、投資の利回りは20%となりますが、1000万円用意しておいて10万円の投資で20%の利回りが出たとすると、自己資金に対してわずか0.2%の利回りとなります。

もちろん練習段階やお試しのポジションなら、そのような小さな枚数でもかまいませんしヘッジの練習をするのには小さく始めたほうがよいです。

しかし投資をする際には「投資効率を上げて利回りを最大化させながらも、一発退場しないような対処をするにはどうしたらいいか」を念頭に置く必要があります。

投資効率を上げることを目指しているのに、自己資金に対して0.2%の利回りを狙う程度であれば、VXXをカラ売りしなくても他の投資スタイルでも実現できる数字でしょう。

ではこの自己資金に対するボリュームをどの程度にしたら適切なのかというのは、個人個人のリスクの許容度によります。

資金の効率化を検討する上では、必要不可欠なのが「最大損失額を把握すること」となります。

まとめ

VXXは1年に20%超下落するので、カラ売りが有効です。

しかし空売りは理論上損失が無限大なので、過去の株価を元に実質の有限損失額を算出することで将来の暴騰を予測します。

その予測額に対して充分な資金量を確保しておくか、投下資金を極力小さくすることで、リスクの保有ができます。

リスクの保有ができれば、このVXXカラ売り戦略では安定的に利益を上げることができます。

この投資法は利回りを低下させて安全に運用する方法なので、利回りを向上させる場合には、資金の効率化の観点からのアプローチしていくと良いでしょう。

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