VXXのリスクを丸飲みして年間20%超の下落を利益に変える方法

VXXを空売りする際に「リスクを保有する」ことでリスク対処する方法を2つ紹介します。

VXXはVIX(別名恐怖指数)に連動した上場投資証券であり、その特徴としては必ず減価する運命にあります。
上場以来常に減価しており、2012年から毎年の減価率を計算すると1年間でおよそ20%を超える下落を繰り返しています。

このVXXで利益を上げるのに最も簡単な方法はVXX株をカラ売り(ショート)することです。カラ売りをして安くなったところを買い戻す事ができれば、20%の減価を利益に変えることができます。

しかし、カラ売り戦略で一番気をつけなければいけないのは、VIXが暴騰することでVXXの株価が上昇し、損切りや強制ロスカットにより投資を続けられなくなることです。

この1点がVXXカラ売り戦略のリスクとなります。
逆に言えば、このリスクにさえ対処が出来れば、VXXで安定的に利益を上げることができます。

あなたはVXXで安定的に利益を上げるために、リスクをコントロールできたら良いと思いませんか?

そこでこの記事では「リスクを保有する」ことでリスク対処出来る方法を2つ紹介します。

リスク対処法を知りリスクをコントロールすることが出来れば、あなたもVXXで年間20%の減価を安定的に利益に変えることが出来るでしょう。

VXXをカラ売りすべき理由

カラ売りと聞くと、株式投資の信用売りに当たるため、個別株を買う投資スタイルしか行っていない投資家は、なんとなく怖いイメージを持っているかもしれません。

その考え方は、VXXについては当てはまりません。

なぜなら、VXXは上場以来常に減価する運命にあるからです。下図がVXXのチャートを示しています。

この2016年だけでもおよそ75ドルにあった株価が、25ドル付近まで下落しています。

もっと対象期間を長くして2014年から値動きを見てみましょう。

このように2014年の初めには200ドル付近にいます。この株価が2016年末には25ドルまで下落するのがVXXの特徴となります。

このVXX銘柄のように構造上減価すると言う銘柄は、日本ではほとんどありません。
わざわざ値下がりしていく運命にある株を、買う人がいないからです。

右肩上がりの株を見つけるのも難しい

逆に、投資にとって最も優良な銘柄である、将来右肩あたりが約束された銘柄、といういわゆる「聖杯」銘柄というのも、なかなか見つからないのが現状です。

右肩上がりの銘柄に投資すれば、保有し続ければコツコツと利益を上げられるのですが、そのような株は簡単には探せません。

そこでインデックス投資(日経平均株価そのものを取引する商品)で運用すればいいという発想が生まれますが、日経平均株価が1990年代に4万円を付けて以降、いまだその高値に戻ったことがありません。

もし日経平均株価が4万円の時代にインデックスに連動したETF投資を行っていた場合には、17年も含み損を抱えながら、いまだに4万円には回復していません。
半額の2万円にすら届かない状況です。

ETFではなく投資信託なら年間数パーセントの値上がり益を得られるものもありますが、信託報酬などにより利益を圧縮されながら、それでも値下がり損は個人投資家が持たなければいけない投資をしているのが現状です。

もし日経平均株価が8,000円を下回る最安値の時期にインデックス投資を始められれば、右肩上がりの状況と言えるのですが、いつ始めるかによってリターンにバラツキがあるような商品では、右肩上がりの商品とは呼べずに運任せの運用となってしまいます。

だからこそ逆転の発想で「カラ売り」

そこで、逆転の発想として、下落することが決まっている銘柄に投資できないかを検討する視点に立ち、右肩上がりの銘柄を探したり投資するのが難しい場合には、右肩下がりになる銘柄を探してカラ売りをすればいいとなります。

このような単純なロジックが成り立ちます。

そこで今回のVXXは、いわゆる投資信託やインデックス投資のように、「買って持ち続けることで平均リターンを超える」という投資ではありません。

常に減価する仕組みになっている株をショートポジションを持つことで利益を狙っていくのです。

つまり投資信託やインデックス投資とは、買うか売るか方向が真逆ではありますが、やっていることや狙いは一緒です。

インデックス投資の最大損失とカラ売りの最大損失

通常の株式投資で株を購入する場合、最大損失額は投下資金のみとなります。

最悪株価が0になれば、投下資金を失って投資が終わります。

損失は手痛い事実ですが、投下資金を失うだけで終わるというのは、損失限定に成りますので安心感があります。

だから時間さえ許せば2000年のはじめに投資し、17年間塩漬け状態になっても、いずれ上昇する時を待つことができます。

このように長期保有を続けられる根拠は、支払い代金が最大損失と決まっているから、資金に余裕があれば持ち続けられるのです。

一方、カラ売り場合には、株価が暴騰した場合には理論上無限大となります。
株を買う立場では利益が無限大になる可能性があるのに対して売り手は真逆になるので損失が無限大になります。

損失額を予測するには過去の事例を見る

そこで、この無限大の損失をどのようにリスクマネジメントするのかのひとつのアイディアが、過去の実績を見るということです。

チャートは過去の事実を反映していますので、チャートから最大損失額を予測すれば、理論上無限大であるカラ売りが、事実上は有限のものであると判断が出来ます。

例えばチャイナショックの株価の直前を見てみると、株価がおよそ2倍になっています。

このように過去の経済危機を調べていくことで予測を立てられるようになります。

過去の最大の経済危機で調査ができるのはリーマンショックでした。リーマンショック時点のVXXの株価を計算した値を掲載します。実際はVXX上場が2009年のため、当時の株価を逆算で計算しています。


この結果から、リーマンショックのVXXの暴騰の程度が4倍弱であったことが分かります。

よって、4倍を最大資金として確保しておけば、損失はその範囲内で収まることが分かります。

なお、一時的に含み損が拡大しても、時間が経てば減価していくのは冒頭に解説した通りで、市場の急変に耐えられれば良いのです。

VXXがリーマンショックの時点で4倍までしか膨れ上がらないことを抑えておけば、このリスクを保有しても問題ないといえます。

もっとも、リーマンショックを超える経済危機が今後起きない保証はありません。

しかしながらリーマンショックは100年に1度の経済危機といわれておりましたので、リーマンショックを超える変動が明日起きる可能性は、低いとも考えられます。

完璧に損失を限定出来るわけではありませんが、そこがリスクであり、保有しても良いリスクであればこの投資を始めるのに何も迷うことはありません。

このリスクを取るからVXXの減価を利益に変えることが出来るからです。

このリスク丸ごと保有してVXXからのリターンを得るのがVXXのカラ売り戦略となります。

リスクを保有するための2種類の手段

このリスク保有を実現するには、2つの方法があります。

(1)自己資金を豊富に用意している場合
(2)自己資金に対してわずか数パーセントの投下資金の場合

これらの場合には、ヘッジをせずに丸ごとリスクを保有することができます。

もしかするとあなたは「私はそんなに大規模投資家じゃないから関係ない」と思っているかもしれませんが、個人投資家であれば充分対象になる可能性があります。

特に(2)の自己資金に対して投下資金が著しく小さい場合に該当する人が非常に多いことが考えられます。

(1)自己資金を豊富に用意している場合

1000万円の保有資金を持って10万円のVXXを売った場合には、投下資金は自己資金に対してわずか1%程度しかありません。

この状態で仮にVXXが暴騰してリーマンショック時の価格上昇である4倍になったとしても、10万円の時価総額のVXXが40万円に上昇している程度です。

1000万円の自己資金に対してドローダウンがわずか4%しかありませんので、まだまだ余裕があるといえます。

他に投資をしていなければ、余剰資金は96%もありますので、リーマンショック級の変動が2,3回来ても資金が足りなくなることはないでしょう。

この場合のリスク保有が出来る根拠は、すでに自らのポジションサイズをコントロールすることでリスクへの対処ができているといえます。

(2)自己資金に対してわずか数パーセントの投下資金の場合

最も安全性が高く、誰でも最初に行う投資スタイルが、保有資金に対してごく小さいポジションを保有することです。

例えば50万円用意して、VXXを17ドルで3枚売る(=5000円)投資を実行した場合には、50万円に対する投下資金の割合は、わずか1%になります。

もし万が一VXXが急騰して5倍になったとしても、2.5万円の含み損だけになります。50万円に対して2.5万円なので、まだ総資産の5%しか使っていません。

もしVXXが仮に投下資金の10倍になっても、5万円分の含み損なので、総資産の10%程度です。

このように資金量に対する投下資金をコントロールすることで、リスクを丸ごと保有しても問題がなくなるのです。

課題は資金の効率化

しかしながら、この投資方法の課題は、使っていない自己資金が余ることです。

10万円の投資で仮に20%の利益を上げたとした場合は、投資の利回りは20%となりますが、1000万円用意しておいて10万円の投資で20%の利回りが出たとすると、自己資金に対してわずか0.2%の利回りとなります。

もちろん練習段階やお試しのポジションなら、そのような小さな枚数でもかまいませんしヘッジの練習をするのには小さく始めたほうがよいです。

しかし投資をする際には「投資効率を上げて利回りを最大化させながらも、一発退場しないような対処をするにはどうしたらいいか」を念頭に置く必要があります。

投資効率を上げることを目指しているのに、自己資金に対して0.2%の利回りを狙う程度であれば、VXXをカラ売りしなくても他の投資スタイルでも実現できる数字でしょう。

ではこの自己資金に対するボリュームをどの程度にしたら適切なのかというのは、個人個人のリスクの許容度によります。

資金の効率化を検討する上では、必要不可欠なのが「最大損失額を把握すること」となります。

まとめ

VXXは1年に20%超下落するので、カラ売りが有効です。

しかし空売りは理論上損失が無限大なので、過去の株価を元に実質の有限損失額を算出することで将来の暴騰を予測します。

その予測額に対して充分な資金量を確保しておくか、投下資金を極力小さくすることで、リスクの保有ができます。

リスクの保有ができれば、このVXXカラ売り戦略では安定的に利益を上げることができます。

この投資法は利回りを低下させて安全に運用する方法なので、利回りを向上させる場合には、資金の効率化の観点からのアプローチしていくと良いでしょう。


 

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