LEAPS取引で7ヶ月利回り31.7%を得た具体的手順


アメリカ企業のオプションを利用した実例を紹介します。

わずか3ステップで年利54.3%の想定利回り(ROI(リターンオンインベストメント:投下資本回収率))となりました。実際は約7ヶ月で31.7%のリターンを年間ベースに計算した数値です。

その期間中に行ったことは

  • 1.権利行使価格を決める
  • 2.プットを売る
  • 3.コールを売る

という3ステップ、そして実際の取引は7か月の中で2回実行しただけで達成しました。

今回はその実際の事例としてアルコア(ティッカーコード:AA)の取引事例を紹介します。米国株はシンボルと言われるティッカーコードで表示されるのが一般的です。

1.権利行使価格を決める

今回はAA株で実践しました。
まず株価の探し方と、プットの権利行使価格を考えます。

ヤフーファイナンス

アメリカ版のヤフーファイナンスが便利です。

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ティッカーコードの入力

ヤフーファイナンスのティッカーコード入力欄にAAと入力します。

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チャートの表示

チャートの表示は左側にある「Interactive」というページです。

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チャートで株価を確認

チャートはローソク足にしたほうが馴染みがあるでしょう。

期間はチャートの情報にある1Yや6mという期間をクリックします。

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2015年9月15日の株価を確認

チャートの左上に過去のチャートの数値読み取りが表示されます。このときのAA株の株価が9.63ドルでした。

ですのでプット9ドルあたりが良いでしょう。

以上のように株価を確認し権利行使価格を選択します。現在値は2つ上の画像にある10.09ドルなので、現在値のみ知りたい場合はチャートを見る必要はありません。

2.プット売り

20Nov15P9というオプションが0.46ドルで取引されています。アメリカのオプションは表示金額の100倍なので、プットを売ると46ドルの受け取りがあるということを意味します。
この表記は2015年11月20日限のプット9ドルです。このプットオプションを売りました。

権利行使でAA株を保有する

2015年11月20日に、株価が8.69ドルになり、P9がインザマネーとなり割り当てられました。

この時に割り当てられたのは9ドルでAA株を保有したことになる義務であり、9ドル簿価の株を現在値8.69ドルで取得しているので、含み損は-0.31ドルになっています。
(アメリカ株は100倍するので実際は31ドルの含み損)

ただし、含み損-31ドルであっても最初にプットを売ることで得た46ドルは利益として確定していますので、差し引き15ドルの利益がこの時点で出ていることになります。

コールを売った時に得たプレミアムは、IB証券のステートメントでは、約定代金として表示されています。

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3.コールを売る

割り当てられた9ドルで買ったことになっているAA株に対して、次はカバードコールを行います。

15Apr16C9を価格が0.97で売ることができました。97ドルの受け取りでした。

この時のポートフォリオは

  • 9ドルで買ったことになって現在値8.69ドルになっているAA株
  • P9売りのプレミアム46ドル(利益確定)
  • C9売りのプレミアム97ドル

ここで、C9はカバードコールなので、株価が上昇した際にC9からの損失はありません。株価の上昇とコールプレミアムの上昇で相殺されるからです。

ということは、C9売りのプレミアム0.97ドル(×100倍の97ドル)は、ポジション組成時に利益が確定しています。

上記のポートフォリオは次のように置き換えられます。

  • 9ドルで買ったことになっている現在値8.69ドルのAA株
  • 売りのプレミアム0.46ドル+0.97ドル=1.43ドル(×100倍=143ドル)

さて、その後はAA株が一旦下落しました。期間中には6ドル近辺まで値を下げています。しかし2016年4月15日までに上昇し、現在値が10.1ドルまで回復しました。

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その間にC9の割り当てはありませんでした。

2016年4月15日にC16がインザマネーとなり、AA株ショートに置き換わりました。

この時に起きているのは、「9ドルで売ったことになる、現在値10.1ドルで含み損-1.1ドルのAA株のショート」ポジションになります。

ですがポートフォリオで「9ドルで買ったことになるAA株」を持っているので、「9ドルで売ったことになる」ショートポジションと相殺されて消滅します。

この消滅するときには9ドルで買ったものを9ドルで売っているので、損益はありません。

下記の画像はIB証券の取引報告書です。

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この画像だけを見ると、9ドルで買った株を9ドルで売っただけのように見えます。

しかしアクティビティステートメントを見ると、この取引で何をしていたのかがわかります。

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下段が決済情報となりますが、4月15日時点で10.01ドルの株を決済しているのに約定価格が9ドルです。さらに、株の取得費が、854.75ドルになっています。

取得費から約定価格を引いても、実現損益と一致していません。

これは、9ドルの株を購入する際にP9を売って得たプレミアム46ドルを差し引いて計算しています。そして9ドル以上の含み損はカバードコールでしっかりとヘッジされているために損失が出ていません。

よってこの取引では、現株からは損益0です。ですが前述したようにオプション売りからは143ドルの利益が生じています。

下記はステートメントですが、C9を売って4月15日にインザマネーとなって割り当てられているはずが、実現損益は0のままです。

これはAA株の上昇とC9の損失が相殺されていることを示しています。

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ROI(利回り)の算出

この取引で必要な資金は、

  • プットを売るときに必要な証拠金が約300ドル。
  • AA株を保有した際に必要な証拠金は現株の半分の約450ドル。
  • コール売の際の証拠金の上昇はなし。

よって最大で450ドルの維持証拠金となります。

参考までに現在の20Jan17P8の必要証拠金です。304ドル必要であることがわかります。

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これよりROI、単純な利回りを計算すると、143ドル/450ドル=31.7%となります。

取引期間は9月20日から4月15日まで、年利換算するとおよそ7ヶ月ありましたので、31.7%÷7×12=54.3%となります。

その期間中に行ったことは

  • 1.銘柄を選ぶ
  • 2.プットを売る
  • 3.コールを売る

以上3ステップです。

LEAPSで行うことも可能

ここまでプット売りとコール売りで利益を出した事例を紹介してきましたが、利用したオプションはLEAPSではありません。

LEAPS(リープス)とは、Long Term Equity Anticipation Securitiesの頭文字をとったもので、長期の株式オプションを指し、「9か月以上の残存日数が残っているオプション」を指します。

正式な定義はOIC(The Options Inderstry Council)のLEAPSに関するサイト(英語)を参照してください。

英単語を1つずつ訳すと

Long-Term=長期の
Equity=株式
Anticipation=予想、予知
Securities=証券

となっており、この用語にオプションが含まれていません。意訳すると「将来の株を予想する証券化商品」と呼ばれる商品をLEAPSと呼んでいます。そして一般的には「長期」というのは9か月以上先のことを指しています。

しかし、株には有効期限(限月)は存在しないので、限月が存在する「先物」「オプション」のいずれかのことを指します。

先物については、将来の「株価を予想して」投資する商品ですが、先物自体に将来の株価を予想する機能はありません。現在値があって今の価格で取引されるだけです。

となると、権利行使価格が決まっていて(将来の株価を予想する機能)、残存日数がある証券化商品と言うとオプションしか存在しないことになります。このことから、LEAPSとは残存日数が9か月以上ある株式オプションであると言えます。

9か月以下でもLEAPSと呼べる理由

今回のアルコアを使った事例で解説したのは、9か月に満たないオプションで運用しました。
この投資は厳密にはLEAPSとは言いません。なぜなら満期までの期間が9か月未満だからです。
言葉の定義上では9か月以上はLEAPSと呼び、9か月未満ではLEAPSとは呼びません。

ただし、商品そのものが違う物に置き換わったり、売買をし直すということはありません。

実取引上はオプションの特徴は何も変わりませんので、LEAPSを保有して時間が経つとLEAPSと呼ばなくなるだけです。
単純に9か月『程度』と言う理解をしていただければ問題ありません。

例え8か月でも、7か月でも『取引上』の概念ではLEPASと呼んでも差し支えないと考えて、AA株での取引事例でも私はLEAPS戦略の一種だと考えています。つまり、投資と言う側面で考えれば、長期でありさえすれば9か月以上という常識にこだわらなくて良いということです。

LEAPSはオプション売りだけではない

LEAPSはオプション売りだけを指すのではなく、オプションの買いもLEAPSがあります。言葉の定義は「長期の」商品を指すので、LEAPS買い戦略も存在しています。ただの総称です。
投資家の間では、LEAPSは売りから入るものだと考えている人が多いため、特に規定がない限り

LEAPSと言えばオプション売り

を指していると解釈されることが多いです。

銀オプションも拡大解釈するとLEAPS

言葉の定義からすると、株式を予想する証券なので、対象は株式だけとなりますが、実際には株式の他にETF(ETN)、指数先物もありますので、これらを総称してLEAPSと呼ぶこともあります。
つまり期間が長いオプションがあれば、それをLEAPSと呼んでも構わないのです。

このサイトで紹介している銀オプション投資も、株ではないので言葉の定義上はLEAPSではありませんが、戦い方やリスクの取り方についてはLEAPSを用いた戦略と変わらないので広義に解釈するとLEAPSとなります。

 

まとめ

7か月で31.7%の利益を2回の取引で実現できた。その際に検討するのは権利行使価格の選定、プット売り、コール売りのたった3ステップであった。

今回取り組んだ銘柄は厳密には残存日数が短くLEAPSではないのですが、戦略自体はLEAPSで運用可能であり、今回はテストケースとして結果を整理するために短期間のオプションを利用した。


 

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