MNレシオ売買を安心して取引できる3つの根拠とは

MNレシオ売買は、日経平均先物を買い(または売り)、東証マザーズ指数先物を売り(または買い)にする取引のことを指します。

この戦略を両者の市場間の時価総額の差異を利益に変える点を抑えておけば、利益のメカニズムも理解できるようになるでしょう。

ここではレシオ(倍率)売買としてMNレシオを採用する3つのポイントを紹介します。

レシオ売買の狙い

レシオ売買にした場合は、狙いは時価総額の差額です。

相場の方向性ではなく、日経平均先物と東証マザーズ指数先物の価格変動のずれを利益に変える戦略となりますので、相場が上昇するか下落するかという勝負ではありません。

市場間のサヤが広がるか縮小するかを予測することになります。

レシオ売買に向いている市場

また、レシオ取引を採用する際に抑えておきたいポイントは、過去の事例を見て、大きなうねりの中で倍率が変化していても、一方向に極端に進行している場面がほとんどない市場を採用すべきです。

さや取りの基本は「市場間の理論価格に対する実勢価格の開き」を取る戦略になりますので、一方向に極端に進行してしまう相場では不向きだからです。

これは過去のチャートを示したものです。

2016-10-04_130854

実際にきれいなレンジを描いて、その範囲内で上下しているように見えます。

このように過去のチャート上のMAX価格やMIN価格を把握すれば、現在の最大損失と最大利益が予測できるようになるでしょう。

レシオ売買の場合は大きなレンジの範囲内に収まるが、その中で上下していることが理想的になりますので、日経平均と東証マザーズの相関は、上記の図のように、大きなレンジを形成して、もみ合いながら推移しているため適していると言えます。

このレンジの中で取引することで利益を狙えば良いのです。

レンジを形成する理由

このように日経平均と東証マザーズがレンジを形成する理由は、同じ日本の取引所の銘柄であるということが言えます。

日経平均の時価総額が増えるということは、市場全体が買われているということであり、東証一部だけではなく東証二部、東証マザーズも買われていることが多いのです。

しかしながら、日経平均は買われても東証マザーズが売られて、時価総額の増減に関連性が無くなる場面はあります。
そのタイミングが、サヤとして利益を狙うチャンスとなるわけです。

最終的には時価総額の増減は同程度起きると考えた時に、途中で時価総額が増えたり減ったりするタイミングで、日経225採用銘柄と東証マザーズ全銘柄の時価総額を比べるのです。

それを指標化したのがMNレシオというわけです。

レシオ売買と先物取引の違い

つまりあるレンジの中でMNレシオが推移していれば、時価総額の一時的な乖離はあっても、ある法則の中で収斂するのではないかと言うことが売買の根拠となり、大きくオーバーシュートしてMNレシオがぶれない安心感がある。

これがレシオ取引の最大のメリットとなります。

日経平均先物や、東証マザーズ先物の値動きを予測できるのであれば、ダイレクトに先物を1枚買ったり売ったりして保有していれば、差額が利益になります。

しかし先物売買は、方向性が当たれば大きな利益になりますが、思惑と反対に変動した際には直接損失につながってしまうため、よほど強い相場観を持っている人がリスクを認識したうえで取引する手法になります。

では以下にポイントを整理してみましょう。

1.レンジは0にならない

このレンジは基本的に0にならないと言われています。

そもそも指数は複数の銘柄で構成されているので、たとえ一企業が倒産したとしても、指数は0にはなりません。

その意味で指数を取引するということは安心感が非常に高いと言えます。

レンジ取引のもう一つの意味

0にならないという意味では先物を単純に売買することも0にはならないと言えますが、日経平均先物1枚の取引は1600万円になります。
もし日経平均株価が0にならないとしても、半額になった時にはおよそ800万円の損失を被るため、耐えられる資金量が必要になります。

一方のレシオ売買の場合は、時価総額の差額を利益に変えますので、日経平均株価が半額になっても、東証マザーズ指数先物も同じく半額になっていれば時価総額は同一であり、この取引から損失は発生しません。

つまり日経平均先物のヘッジに東証マザーズ先物を利用しているということになりますが、そのヘッジが1:1の完璧な順相関(又は逆相関)ではないという歪みを取る戦略なのです。

2.レンジ相場の安心感

レンジ相場と言うのは一般的には利益を上げるのが難しいとされます。
トレンドの見分けがつかないからです。

トレンドを見抜く力があり、トレンドに従って投資をするのが利益を大きく稼ぐ手法と言われていますが、トレンドを正確に見抜くのは難しいものです。

そこで活用したいのがレンジ相場による売買になります。

レンジと言っても、本来トレンドが発生するはずの相場で全く方向性が分からない「もみあい」期にあるレンジ相場は一方向に動いしてしまう可能性があるため手控えておいた方が良いでしょう。

方向性のないもみあいではなく、ある一定の幅の中で上下しているという特徴を利用します。

精神論ではなく理論的に耐えられる

この特徴を利用したほうが、一方的に進むことが無いため、損失を限定出来る可能性が高く、また突発の変動があってもまた元に戻る根拠を持っていれば耐えることが出来るからです。

耐えるというのは精神論のように聞こえますが、単純に思惑で戻るだろうと考えて耐えるのと、過去にレンジを形成しその幅の範囲内で上下を繰り返している相場で戻ると考えて耐えるのでは、精神的にも、そして論理的にも後者の方が有利です。

そしてレンジは、時間を掛けて上下しているとその分だけ待つことが出来るので投資しやすいと言えます。
一日でレンジを形成している場合はデイトレードとなりますが、1週間単位で緩やかに上昇と下落を繰り返していれば、投資期間は1週間単位で考えていれば良いことになりますので、発注頻度を増やさなくてもよくなります。

このレンジが緩やかであり、そして投資金額に対する損益の幅が許容できる程度の幅で上下している相場を見つけることがポイントとなります。

レンジが緩やかであるほど売買期間は長い

レンジの範囲内で緩やかに変動していれば、投資期間が長くても思わぬ変動が少なくて安心感があります。
それがレンジ相場であるメリットです。

ただ、急落や急騰により証拠金不足になったり、資金が枯渇して不本意にも退場させられる事態は避けなければいけません。

そこで、指数を使う意味が出てきます。

指数を使えば、構成銘柄の加重平均になりますので例え一社が不祥事などで暴落しても影響は軽微になるからです。

3.原資産のトレンドを読む必要が無い

レシオ売買をすると、原資産のトレンドを読む必要が無くなります。
具体的に事例を紹介しましょう。

日経平均先物が16000円、東証マザーズ指数先物が930円だとします。
レシオは17.2です。

時価総額を合わせるために、先物を1枚買い、東証マザーズ指数先物を17.2枚売ります。

日経平均先物が上昇、東証マザーズ指数先物も上昇

日経平均の上昇が強い場合

日経平均先物が100円上昇して、東証マザーズ指数先物も2円上昇したとします。
この場合は、日経平均先物は買っているので利益は100円×1枚×1000倍=10万円
東証マザーズ指数先物は売っているので損失は2円×17.2枚×1000倍=3.44万円

よって差引6.56万円の利益となりました。

この時レシオは16100÷932=17.27と、日経平均が上昇した効果でポイントが上昇しました。

日経平均の上昇が弱い場合

日経平均が20円の上昇で、東証マザーズ指数先物が同じく2円上昇したとします。
この場合は、日経平均先物は買っているので利益は20円×1枚×1000倍=2万円
東証マザーズ指数先物は売っているので損失は2円×17.2枚×1000倍=3.44万円

差引5600円の損失となりました。

レシオは16020÷932=17.19と、日経平均よりも東証マザーズの方が価格上昇幅が多かったため数値は下落しました。

このように、同じく日経平均と東証マザーズが上昇するような日本経済が上向きであっても、レシオは上昇したり下落したりするのです。

日経平均先物が下落し、東証マザーズ指数先物も下落

では今度は両方の指数が下落したことを想定してみましょう。

日経平均の下落が大きい場合

日経平均先物が100円下落して、東証マザーズ指数先物も2円下落したとします。
この場合は、日経平均先物は買っているので損失は100円×1枚×1000倍=10万円
東証マザーズ指数先物は売っているので利益は2円×17.2枚×1000倍=3.44万円

よって差引6.56万円の損失となりました。
実は先ほどの日経平均の上昇の時と全く損益が逆になっただけです。

この時レシオは15900÷928=17.13と、日経平均が下落したため数値は下がりました。

日経平均の下落が小さい場合

日経平均が20円の下落で、東証マザーズ指数先物が同じく2円下落したとします。
この場合は、日経平均先物は買っているので損失は20円×1枚×1000倍=2万円
東証マザーズ指数先物は売っているので利益は2円×17.2枚×1000倍=3.44万円

差引5600円の利益となりました。

レシオは15980÷928=17.22と、数値は上昇しました。

 

以上のことから、日本の指数が下落しても、日経平均先物価格よりも東証マザーズ指数先物の方が下落幅が大きければ、そこから利益につながるのです。

つまり市場の方向性を読むのではなく、日経平均先物と東証マザーズ先物の相関性についてを予想しているということになります。

全く相関性が高い、相関係数が1に近い銘柄同士であれば、ほとんどレシオの数値は変動しません。
ですが、前述したように日経平均株価と東証マザーズ指数に完全な相関性が見られない場合があるため、そこを収益チャンスに変えようという作戦になるわけです。

まとめ

レシオ売買をする場合は、時価総額について完全に相関がある相場よりも、ある規則性を持って相関が崩れ、また元に戻る性質を持っている市場を探すことが重要です。

過去のチャートを分析すると、日経平均株価と東証マザーズ指数が合致しているように見えます。

時価総額の差が損益となるため、単純に両市場の時価総額が増えるだけでは利益にはなりません。

買っている市場の時価総額が増えて、売っている市場の時価総額が減る(もしくは時価総額の情報幅が緩やか)ときに損益が発生します。

このように相対的な時価総額の差額を収益チャンスとするのがMNレシオとなります。