最近、「ブックレビューをもっと充実してほしい」という要望を
いただくことが多くなってきましたので、
今回はブックレビューを書きま~す(*^▽^*)
今日の対象はこの本です。
レビューしている書籍は全て過去に読んでいて(今回もそうです)、
記事にするために内容確認で読み直したりしています。
なので、すでにいろんな書籍のレビューネタはたくさんあるので、
あとは投稿するだけなのですが、
なかなか他のを優先してしまって公開できてないです・・・(^^;)
レビューをこれからも増やしてほしい方は
この本のタイトルを見て、
「ひねりも何も無い、どこかで見たことがあるようなタイトルだな~」
と軽く考えていましたが、
そんなタイトルとは裏腹に、中身は結構充実している良書です(゜▽゜;)
今回読み返してみて、
過去に読んだときには気がつかなかった重要ポイントが、
実は多くあることにちょっぴりショックを受けました・・・orz
著者はひまわり証券の投資顧問室長なので、
証券マンが書いた普通の理論書かな?と最初は思ってましたが、
読み進めていくうちに
トレードに関して重要なことが判りやすく書いてあることに気がつきました。
発行時期がちょうどサブプライムショックあたりなので、
サブプライムを相場大変動の例としてあげています。
他のオプション書籍がそこまで新しくないため、
サブプライムショックを取り上げているだけで、
かなり最新の書籍に感じちゃいますね(^^;)
SQ値の具体的値付け方法や、
バッチ処理をして価格を決定していく過程など、
さすが証券会社の人ならではの詳しい解説ですね。
オプション取引をしている個人投資家が成功している理由として、
相場の先行きではなくレンジを当てる取引をしている人が多い
からだと説明しています。
相場が動かなくても利益になる金融商品は、
オプション特有の性質ですからね。
オプションの基本となる単純なオプション買いand売りを詳細に分析しており、
初心者にはかなり参考になると思います。
「ロスカットしながら【逃がしてやる】方法」なども、
戦略を勉強されている方には非常にためになりますね。
気づきが多い書籍でしたので、
箇条書きになってしまいますが良かった点をピックアップします(^^)
・オプション取引をモノに出来るかどうか
1.本人に覚える気持ちがあるか
2.基礎的な用語と仕組みを覚えられるかどうか
この2つしかなく、慣れてしまえば車や自転車の運転と同じでトレードは簡単になります。
自分が出来るようになるまでが難しく、
出来てしまえば決して難しいことではなくなるんですよね( ̄ー ̄)
ハンドル・クラッチ・ウィンカーなど最低限覚えなければならない用語があるように、
オプション取引にも必要不可欠な用語があります。
その用語がわからない、理解できないということであれば
決して理解できないまま取引を開始すべきではない。
この点は、初心者の方にも良く覚えていて欲しいポイントです(*^▽^*)
・オーバーナイトのリスク紹介
オーバーナイトのリスク紹介として、
終値と寄り付きの平均ギャップ額を挙げています。
ついでに木曜終値とSQのズレも検証してくれちゃってます(≧∇≦)
年 |
オーバーナイトのギャップ |
木曜終値とSQ値のズレ |
2001 | 107 | 122 |
2002 | 84 | 77 |
2003 | 69 | 70 |
2004 | 67 | 80 |
2005 | 51 | 63 |
2006 | 92 | 141 |
2007 | 114 | 128 |
ギャップ額が少ない年で50円、多いときは100円となっており、
翌日に持ち越すということは100円程度の価格変動リスクを抱える
ということを認識しておかなければならなさそうです。
これはあくまで平均なので、
100円未満のときもあれば200円超のときもあると思います。
私が以前検証した記事の数値より高い感じですが、
それは年や月によって変わるとは思います。
ただ、ギャップがあるということはわかりますよね(^^)
ここは注意しておいたほうが良さそうな数値です。
※私はオーバーナイトまで含めてリスク管理できるようなポジションを
組んでいるつもりなので、包括してるって勝手に解釈してますけどね(* ̄- ̄)y─┛~~
ちなみに、過去のSQ値とのブレ幅は、
平均:95.57
MAX:357.16
MIN:-501.33(゜▽゜;)
とのことでした。
掲載した数値の詳細は本を見て欲しいのですが、
結構ブレますね~(^^;)
・売りポジションの『損失無限大』は本当か
売りポジションでは、よく『損失無限大』と表現されますが、
日経平均がゼロになったことが無いように、
本当は無限大ではなく有限であるということも解説しています。
確かに7,000円を下回ることは、可能性はゼロじゃないけど
限りなく小さいですよね。
そして売り手の存在がゼロになら無い限り有限であり、
危険なのは投資化が思い込みで枚数を張りすぎることだと説明しています。
確かに、イン・ザ・マネー(ITM)にならないだろうといって
ファー・アウト・オブ・ザ・マネーを売りまくったり、
損失無限大という言葉を鵜呑みにして
起こる可能性が極めて小さい『無限大の損失』を
必要以上に恐れていてはもったいないですよね。
・ディープ・イン・ザ・マネーのオプションの流動性が低下する理由
イン・ザ・マネー(ITM)よりもっと権利行使価格の内側になっているオプションを
ディープ・イン・ザ・マネーと呼びますが、
このディープ・イン・ザ・マネーはたいてい流動性が低いです。
流動性が低いとは、取引数が極端に低くなることです。
その理由として、
著者はオプションが225先物と同じ値動きをするのであれば、
(必要証拠金を超える値段の)オプション価格>先物1枚の必要証拠金
となるため、
資金の面でも日経225先物をトレードするほうが手っ取り早いからだと説明しています。
確かにディープ・イン・ザ・マネーは、よりディープになれば
ほとんど先物と同じデルタ100になりますからね。(この記事にも書いてます♪)
証拠金だけが優位性であれば、より資金が少ない投資先
(この場合は日経225先物)
に向かうのは当然のことですよね。
・現物が先か、先物が先か
卵が先か鶏が先か、みたいな内容ですけど(^^;)
著者は、現物指数を見て日経225先物が動くのではなく、
先物が現物を動かすんだといっています。
理由としては、先物と現物で裁定取引をしている投資家が必ずいるから。
まーこの話は語りつくせないような内容になってしまいそうですが、
今の市況では先物主導で動いているような感じですね~。
・日経225先物は予想が難しい
225先物の相場観での売買は、
確率だけで見ると上がるか下がるか1/2で簡単に思えますが、
あるファンドマネージャーは
「225先物の値動きはノイズが大きく値動きが予想できない」
と言っており、プロでも難しい商品であると書いています。
確かにノイズが大きいのは納得ですね。
最初のほうに書いたように、
オプションは相場が動かなくても利益を出せるトレード手法ですからね♪
・相場の予測には魔法は無い
どんな投資にも当てはまりますが、
将来を全く予想しないでどっちに転んでも儲かる魔法のような投資法はありません。
これ、非常に重要な教えです(-人-)
以外とこのマホウを期待している人、多いんですよね(^^;)
我々が出来ることは、
より優位性のあるトレードを選択することであって、
魔法の投資法を見つけ出すことではありませんからね(´・ω・`)
・証拠金
証拠金はいつも余力を残すこと。
100のうち最初に取り組むのは1/3程度にする。
なぜなら、初期設定時の相場見通しなど新しい株価材料が出てくれば
相場は大きく変動するし、
もとより人間の見通しなどそれほど当てにならないから。
結構証拠金で悩む人は多いみたいですけど、
このようにざっくり1/3に設定してみはどうでしょうか。
著者の経験則なので緻密な計算から算出したわけじゃないですが、
一つのアドバイスとして非常に参考になると思いますよ。
また、ロスカットしながら【逃がしてやる】戦略が具体的に載っていて、
ロスカット3倍とあわせて実例を挙げているので非常に分かりやすい。
この【逃がしてやる】戦略は、
基本的ながら結構理にかなっている戦略です。
そして理にかなっていることが分かっていながら、
なかなか踏ん切りがつかないんですよね~。
詳細は是非書籍で確認くださいね( ̄ー ̄)
アタリマエ事項かもしれませんが、知っておくべき内容ですよ。
デルタ以外のリスク感応度について、
「よりディープな世界に踏み込みたい人は個別に勉強して欲しいが、
それによって飛躍的に運用成績が向上するか微妙」と書いてあります。
飛躍的に向上しなくても、しっかり安定収入を得るためには
他のリスク感応度を勉強することは必要なのでは?と個人的には思います。
その他、相場の異常事態の切り抜け方や売買時のチェック項目などもあり、
最後は「無理せずマイペースで」という締め方でした。
この一言が、著者のトレードスタイルが詰まった言葉なのかなと、
妙に納得してしまいました(*'ー'*)
ギリシャ文字が出て来ませんが、
オプションの買いと売りを非常に丁寧に説明していて、
読んでみて気づきが非常に多い充実した内容です。
ポジションの説明だけではなく、トレードの際の注意点や
投資家への警鐘があったりと、実践者にも非常に参考になる内容ですね。
<私の評価>
初心者:★★★★★
実践者:★★★★☆
評価ランキングに変動です!!
この書籍を第2位に格上げしました(^^)
今まで書籍の山に埋もれていたけど、
改めて読んでみると非常にお勧めできる内容なので(*^▽^*)
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