読者さんからの質問です。
> とある日、以下のようなリスクパラメーターのポジションを持っていたとします。
> コール 売り 16枚 デルタ-3.92 ガンマ-1.08 ベガ-117.08 セータ+261 IV19.98% 建値65円
> プット 売り 39枚 デルタ+3.65 ガンマ-1.24 ベガ-151.76 セータ+378 IV22.53% 建値24円
> というSSを金曜日に建てました。
> そして、週明けの月曜日、先物が「-530」という急落になりました。
> コールのIVが19.98から29.71へ。 プットのIVが22.53から33.29にあがりました。
> この時の損失は、計算上でどのようになりますでしょうか?
> 自分でも何度も計算しているのですが、計算上の損失と実際の損失がまったく違う数値になってしまいます・・
> 実際の損益は コール側で+704円(21円で決済) プット側で-6154円(205円で決済)
> 私の計算だと、コール側なんてIV盛りすぎでマイナスになってしまうのですが・・
このリスク指標を見て、ガンマの値が大きすぎると思いました。
ガンマとセータはリスクリターンでほぼ比例するので、
同じとはならないまでも10000倍近く離れていないと成り立ちません。
200倍だけじゃ単位が違いすぎます。
まずコール売り16枚を1枚当たりのリスク指標に分解してみましょう。
コール売りのリスク指標を全部16で割ると
デルタ-0.25
ガンマ-0.067
セータ+16.3
ベガ-7.31
このようになりますね。
で、このパラメータですが、
恐らく読者さんはOption Modelの値かスマイルキャッチャーを使用しています。
でもそれだと私のブログで説明している
リスク指標(特にガンマ)の値に対して100倍違うんです。
私は楽天証券のプライサーの考え方をベースに計算していて、
ブログでもこの単位をベースに解説してきました。
実際はスマイルキャッチャーで日々の損益計算は評価してますけどね。
なにがどう違うのか証拠画像をお見せします。
全て今日現在の3P8750のリスク指標です。
楽天証券
これは個別の銘柄を右クリックして「プライシング」を選択すると出てきます。
Option Model
スマイルキャッチャー(クリックすると拡大します)
このようにそれぞれの計算で微妙にリスク指標が異なりますが、
特に楽天証券のガンマとOption Model&スマイルキャッチャーのガンマが100倍違います。
これはどっちが正しいとか間違っているとかではないです。
どれも正解です。数値はうそをつきません。
まぁ信用できそうなのは証券会社という専門業者が出している数値な気がしますが、
Option Modelやスマイルキャッチャーも無料で使えるのに高機能でトレードに非常に役に立つソフトです。
注意しなければいけないのは
数値を使う私たちの方です。
もし自分が知っている計算式と
プライサーなどで出した数値の単位が違った場合は、
それを補正してあげないといけませんよね。
私のブログの単位はガンマの値を整数にするために
デルタは100倍、ガンマは10000倍にしています。
だからデルタの最大値は100と考えています。
上の紹介した3つのツールは、
いずれもデルタは最大値が1と考えています。
ここも考慮して、状況に応じて補正しないといけません。
今回の読者さんの場合は
Option Modelかスマイルキャッチャーで計算したのでしょう。
だからガンマの値を100で割らないと、
私のサイトで解説している計算式に当てはまりませんよね。
デルタ-0.25
ガンマ-0.067 ⇒ -0.00067
セータ+16.3
ベガ-7.31
これが損益分解をするためのリスク指標の数値になります。
ガンマって小さすぎるから間違いやすいんですよね^^;
だから私のサイトでは他のサイトと違ってデルタの最大値を100にして
ガンマを整数に合わせようとしているんですよ。
そうしないと私自身もこんがらがっちゃうので(笑)
ちなみに私のサイトの単位に変換すると、
デルタは100倍、ガンマはすでに100倍になっちゃっているのであと100倍する。
するとこのようになります。
デルタ-0.25 ⇒ -25
ガンマ-0.067 ⇒ -6.7
セータ+16.3
ガンマ-7.31
この記事でも同じガンマについて解 説していますが、
最後には「私が書いているのは一つの【意見】であって、【真実】とは違う可能性があります」
と書いていますよね?
もちろんウソを書くつもりなんて全くありませんが、私も認識違いやミスもあり得ます。
だから持ち間違っていると感じたら「そこ、ちがうんじゃない?」と指摘してくださいね。
そうすればより正しいノウハウがたまっていくことになりますので♪