今日は久しぶりに、
ブックレビューをします\(^▽^)/
お題は
『投資の王道[実践編] 日経平均オプション取引 /2005年 新井邦宏』
結構知られている書籍で、
この本でオプションを勉強したという人も多いみたいですね。
はじめに、
「オプションの魅力として8000円が70万円に!」
という出来事から紹介していますが、
宝くじ要素を勧めているのではないです(^^;)
読み進めていくと
「このような一面があるという事例」
であることがわかりまます。
「相場観だけではトレードし続けることはできない」
という文面もあり、
ちゃんと仕組みを理解して望んで欲しいという
意思が伝わりますね(*’ー’*)
オプションのプレミアム自体について
チャートを用いて値動きの説明をしているのが、
他の本にはあまり見られない特色かな~と思いました。
たいていは原資産のチャートは載りますけど、
オプションプレミアムのチャートって取り上げませんからね。
1章のオプションの仕組みでは、
権利の売買、プレミアムとや、限月とは、
SQについて、コールの買いと売りの損益グラフ、
ヨーロピアンモデルとアメリカンモデル、
自動権利行使と自動権利放棄、転売買戻し
・・・などなど、
実践して行くために必要な用語の説明が
比較的簡単に、かつ的確に表現されています。
プレミアムを自動車保険に例え、
保険を買うにはまず支払いから始まる
というような説明がわかりやすいですね。
この書籍に限らず、
いろいろなところで「オプションの概念とは?」
という記載があるので(もちろん私のサイトにも!)
広く浅くいろんな記述を見てみると
オプションとは何かを理解しやすいかなと思いますね。
また、取引高と建て玉の関係を、
大阪証券取引所のHPのデータを使って説明している点や、
SPAN証拠金の考え方、
15時大引け後の10分が波乱を呼ぶ、
サーキットブレーカーの実態など、
日経225オプションの実トレードに役立つ情報が多いです。
2章の価格決定の仕組みでは、
本質価値と時間価値から始まり、
オプションの価格を決める5つの要素を1つずつ丁寧に解説。
とくにタイムディケイとボラティリティにページを割いており
勉強になります。
ただし!!
リスク感応度については
その他の指標として説明していますが、
ガンマは買い手に関係が無いと
書かれていたのは残念でした(´・ω・`)
3章の基本戦略では、
コールの値動きが激しかった例を使い、
日経平均の動きに対応して、
その同時期のコールとプットの値動きをチャートを用いて説明しています。
繰り返しますが、
たいていの書籍は原資産のチャートが載っているだけなので、
オプションプレミアムのチャートがあるのがいいですね。
このチャートを使うかどうかは別にして、
従来に無い切り口としてチャートで表現するという考え方は
是非参考にしてください。
コールとプットの使い分けとして、
「日経平均が上昇したときにはコール買い・・・
だけじゃなくプット売りもあるんですよ。」
という説明をしているのが実践に近い感じがしました。
その他プレミアムの値動きだけで売買する考え方や、
移動平均を有効活用するには何日で算出するのが最も良いか
シミュレーションをしている点が良いですね。
途中の記述で
「日本人は「あきらめのよさ」が悪いところで、
屑オプション(5円以下のようなオプション)を放置していて勿体無い」
とも言っています。
この辺も見習うところが多いです。
その他には先物価格からエントリーを考えたり、
宝くじで考えると利益にならない、
下落局面のプット買い、短期コール買い、ヘッジのためなど、
いろいろな角度からオプションのエントリー方法を紹介しています。
また、売り手の逃げ場として
板情報や建て玉数から売り手側の心理を考えたり、
ディープITMになると出来高が少なくなるため、
常に流動性を押さえておくという記載があります。
ここを理解しておくと
オプショントレードの幅が広がると思いますよ。
4章では合成ポジションとして
ベア/ブルスプレッド、ストラドル、
ストラングル、レシオスプレッドを紹介しており、
それぞれにちゃんと損益グラフが載っていて
どのような特性になるのか分かりやすいと思います。
また、損益グラフを目で見るだけでなく
実際に手書きで紙に書こうと提唱しているのは私も同感です。
前作の投資の王道テクニカル分析編に基づいて
オプションプレミアムのチャートを
テクニカル分析(一目均衡表)しているのが新しい発想。
最後にという箇所では、
・いつも同じやり方では通用しない
・損失を抑えることを考える
・自己研鑽が全て
という心構えを説明しています。
また、
・プレミアムが下がるのは
トレンドが自分のポジションと合っていないからなので
トレンドに合わせよう
・証券マンとのやり取りから
一目均衡表を使ってトレードしている
・上手くいかないからといって
オプションを現物と同じ感覚でトレードすると
被害は甚大になる
・リスク(損失額)を決めてきっちりとをそれを守る
・日本の投資家は「買い」の概念がどうしても強い
などなど、
オプショントレードだけでなく投資全般に使えるネタが充実しており、
初心者にも実践者も是非読んでもらいたい内容となっています。
ブログのトップページのお勧め書籍と並ぶくらい
お勧め度は高いのですが、
初心者にも実践者にもまんべんなくというところで
★4つ!としました(^^)
初心者:★★★★☆
実践者:★★★☆☆