ギリシャ文字を使わずに利益を得る2つのオプション戦略

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ギリシャ文字を使わないでオプション取引で利益を上げる方法。

それはオプションを満期まで保有することです。理由は満期を通過させて自動決済する戦略ならギリシャ文字不要だからです。

オプションでギリシャ文字が必要になるのは、満期前の期中損益を計算してリスク管理を行うためなので、満期まで保有し続ける戦略を採用すれば、ギリシャ文字を使わないオプション取引を実現できます。

この記事ではギリシャ文字を使わないで日経225オプションで利益を上げる2つの方法について解説します。

その1.プット売りでプレミアムを得る

ギリシャ文字を使わない戦い方の1つ目がプット売りです。

プットを売って満期まで保有した場合、アウトオブザマネーになり消滅した場合はプットの受取プレミアムが利益になります。

プット売りの利益が確定してオプションが消滅した後に再度プットを売れば、繰り返しプット売りによる利益を得られます。

満期にアウトオブザマネーであればSQごとに利益が確定しますので、インザマネーになるまで繰り返しプット売りで利益を上げられます。

もしプットがインザマネーになった場合は、当然損失が出ます。日経225オプションは差金決済されますので損失は実現損です。

しかしこの実現損を頭の中の解釈を切り替えて、プット売りがインザマネーになり権利行使されたので先物ロングポジションを持ったが、まだ損失は確定しておらず含み損を抱えていると解釈します。

当然、トータルの損益は解釈を変えても減るわけではありませんので、実現損を含み損へと頭の中の解釈を勝手に切り替えているだけです。

このように実現損を含み損と解釈することで、ギリシャ文字を使わない戦い方の狙いが明らかになります。

プット売りはフルキャッシュ用意すれば安全

今回の事例では、やみくもにプット売りを推奨するわけではありません。

前提条件があります。それは、自己資金を用意して安全にプット売る、ということです。

プット売りは損失無限大で怖い、という感覚は自己資金が不足しています。

プット売りは最大損失額を全額(フルキャッシュ)用意していれば、最大損失は自己資金の範囲に限定さてるので安全です。

プットのとは売る権利なので先物をロングする義務がある

プットは「売る権利」です。言葉を変えると「ショートポジションを建てる権利」です。

この「ショートポジションを建てる権利」を相手に渡してプレミアムを受け取る取引がプット売りです。

プットの買い手は、ショートポジションを建てる権利をあなたから買いました。

相手がこの権利を行使すると相手はショートポジションを持ちますので、あなたは相手に対して義務を果たさなければいけません。

よってショートポジションを相手に与えるために反対のロングポジションを必ず建てます。

日経225オプションに当てはめて考えると、あなたがP10000を売った場合は、プットの買い手は先物価格がいくら下落しても10,000円でショートできる権利を持っています。

もし先物価格が9,905円になると相手は権利行使すれば10,000円で先物をショートできます。よってあなたは先物を10,000円でロングしなければいけません。

現在価格が9,905円の先物を10,000円でロングすると、権利行使された瞬間に95円の含み損を抱えます。

そこで、10,000円でロングした際の最大損失額を計算して全てカバーできる金額を全額(フルキャッシュ)用意しておけば、必要な自己資金量が分かります。

先物を10,000円でロングして先物価格が0円になると、10,000円×1000倍=1,000万円を失います。

よって1,000万円以上を用意していれば資金不足を回避できます。

プット売りは損失無限大だと思われる2つの理由 を参考にすると、プット売りの最大損失額ついて理解が進むでしょう。

実際のトレードでは、先物を1枚売買するのに1,000万円も必要ありません。SPAN証拠金計算により、おおむね80~100万円あれば先物売買できます。

しかし売買可能な金額と安全な金額は異なります。

先物を1枚ロングを安全に取引するためには先物価格の1000倍の自己資金を用意していると資金不足に陥る事がなく安全です。
(※ここでの安全とは、下落リスクではなく破綻の可能性を指しています)

以上より、資金をフルキャッシュ用意したうえで満期を通過させる取引をすれば、ギリシャ文字不要でプット売りからプレミアムを得られます。

その2.カバードコールでプレミアムを得る

プット売り以外にもギリシャ文字によるリスク管理が不要な取引があります。

カバードコール戦略もギリシャ文字は不要です。

無リスクで32万円の利益を得るカバードコールのしくみとは 、16,550円の先物ロングを保有して権利行使価格16,750円のコールオプションを1枚売ることで、先物ロングに対して追加リスクなしで、オプションプレミアムの325円を受け取れました。

このカバードコールも満期を通過させることが前提です。

このコール売りは「10,000円でロングポジションを建てられる権利」を相手に渡してプレミアムを受け取っているので、もし相手が権利行使をしたら、相手に先物ロングを提供するのであなたはショートを建てなければいけませんが、先物のロング枚数を合わせておけば両建て状態で損益を固定できます。

カバードコールはキャピタルゲイン+インカムゲイン

このカバードコールは、キャピタルゲインに加えてインカムゲインのような利益を狙えます。

先物価格が16,550円の時にC16750を売った場合、キャピタルゲインの可能性は16750-16550=200円分です。

しかし16,750円を超えた後は先物の利益とコールオプションの損失が相殺されますので、16,750円以上のキャピタルゲイン(=上昇益)はありません。

16,750円以上のキャピタルゲインを放棄する代わりに、インカムゲインを先に受け取れるのがカバードコールです。事例では325円のオプションプレミアムを受け取りましたので、見込める利益は下記の2点です。

  • キャピタルゲイン=200円×1000倍=20万円
  • インカムゲイン的な利益=325円×1000倍=32.5万円

通常の先物取引でロングした場合には得られるのはキャピタルゲインのみです。

しかし、カバードコールなら下落リスクは先物ロングと同等にもかかわらず、コールを売って先にインカムゲインを受け取るので、もし相場が動かなくても利益を得られます。

ポイントは、先物とコール売りの枚数を合わせて相殺させる点です。

コールの枚数は先物の枚数と同一にして先物ロングの利益とコールの損失を等しくして相殺させなければ余計なリスクを取ることになるからです。

2つの戦略を一連の流れとして取引する方法

以上ギリシャ文字を使わない取引を、一連の流れとして取引するとオプションの面白さを実感できます。

最初にプットを売り、プットがインザマネーになったら先物ロングを保有することになるので、カバードコールを開始しインカムゲイン的な利益を得ます。

コールがインザマネーとなり満期に消滅したらこの一連の取引は終了です。

P10000を売ってインザマネーになった場合には10,000円の先物をロングし含み損を抱えたと解釈し、手動で先物を時価でロングします。

このときプット売りは損失になっていたとしても、プット売りからは利益が出たと考えます。

その後例えばC10000を売って満期にインザマネーになれば、保有している先物を10,000円で決済できます。先物の取得価格が10,000円で売却価格も10,000円の取引なので、先物価格の増減の影響は受けずにプット売りとコール売りのプレミアムが利益として残ります。

プットとコールの権利行使価格を合わせれば、相場の価格変動によらずに収益を得られる戦い方が出来上がります。

日経225オプション取引の具体的事例

この戦い方を日経225オプションの事例に当てはめてみましょう。

3-1.プットを売る

まずプットを売ります。権利行使価格10,000円のプットのプレミアムが95円とします。このオプションは「満期に先物を10,000円でショートできる権利を相手に渡す」ことで95円を受け取りSQでインザマネーになるのを待ち構えます。SQの価格ごとに損益を分類すると

(1)SQ>10,000円:10,000円でショートできる権利は誰も行使しないのでプットは消滅し、プレミアム95円は利益として確定

(2)9,905円<SQ値<10,000円:権利行使されるのでSQ値と10,000円の差額を支払うが、受け取ったプレミアム95円よりも損は少ないので合計では損益プラス。

(3)SQ値=9,905円:オプションが権利行使された支払い金額とプレミアム分の95円がイコールなので損益は0円

(4)SQ値<9,905円:下落した分だけオプションから損失が発生。オプションの損失+95円が実損失。

売って得たプレミアムが利益なので、今回の事例では損益分岐点はである9,905円を下回らなければ1回あたりの損益はプラス着地です。

SQでインザマネーになるまで何回でも売り続けて利益を得ることが可能です。

(4)で損失が出たときは先物をロングしたと考えます。

つまり(4)を「SQ値<9,905円:プット売りの95円は利益として確定しているが、10,000円でロングした先物価格が下落した分だけ含み損(合計では損益マイナス)」と解釈します。

この解釈をすることで取引に連続性が生まれます。

ただし日経225オプションは差金決済でSQ通過後に先物ロングは持っていないので、「手動割り当て」を行います。

つまり自ら手動で先物を取引しロングします。この「手動割り当て」を行うことでポジションの連続性を維持できます。

3-2.コールを売る

次に権利行使価格10,000円のコールを売ります。

C10000が85円で売れたとします。このコール売りの85円はインカムゲイン的な利益が確定しているので、先物価格がSQに10,000円を超えて権利行使されるまでコールを売り続けます。

コールがアウトオブザマネーで消滅したら、ポートフォリオには先物ロングが残っているので、再度コール売りをセットします。

SQに権利行使価格の10,000円に到達したらコールが権利行使されるので、相殺されて先物ロングが無くなり投資終了です。

前章でカバードコールはインカムゲインとキャピタルゲインを狙えると説明しましたが、この一連の取引の際ではキャピタルゲインは全く狙っていません。

3-1で発生した先物の含み損を解消するために使っているだけです。

一連の取引で190円のインカムゲイン

この一連の流れでいくら利益が出たのか整理しましょう。

3-1のプット売りにより、10,000円で先物をロングしてプットプレミアム95円が利益で先物ロングの価格は10,000円です。

次に3-2のコール売りを行いコールプレミアム85円が利益として残り、取得した先物ロングは10,000円で決済されます。

よって先物本体のキャピタルゲイン(キャピタルロス)は0円でインカムゲイン的に95+85=190円の利益を得られました。日経225オプションは1000倍なので19万円です。

もしオプションの権利行使がされない場合は、権利行使価格を超えるまで、プット売りもコール売りも満期で消滅したら後に繰り返し売れる可能性があります。

以上がギリシャ文字を使わずにオプションを活用することでインカムゲインを狙う取引を実現できます。

取引を実現するための課題

ギリシャ文字を使わずにインカムゲインで利益を出す方法はプット売りとコール売りを活用すればよいことが分かりましたでしょうか。

しかし、この戦い方には解決しないといけない課題が4つあります。

1.多額の自己資金が必要

日経平均株価の1000倍分のフルキャッシュを用意すれば、プット売りの損失は有限です。

多額の資金を用意できない場合は、底値ラインを切り上げて資金量を減らしリスク管理をするか、相場観によって危ない時を避けるなどスキルを駆使して資金量を見定める必要があることに注意しましょう。

もっとも、日経平均株価が明日いきなり0円になることは考えにくく、指数が急に0円になる可能性は、日経平均株価の歴史でも過去に例がなく極めて可能性は低いでしょう。

もし採用された225銘柄のうち1社が破綻して株価0円になっても、残り224銘柄が生き残っていれば0円にはなりません。

日経平均株価の下落幅を予想できれば、用意しておく資金量は減らすことが可能ですので、安全性を確保しつつ自己資金を減らしても良いかもしれません。

しかしそのようなリスク管理能力や相場観がないなら、安全にプット売りをするためにはフルキャッシュ必要です。

もしリスク管理が必要だと思えば、ギリシャ文字を使ってコントロールするか相場観やトレーディングスキル上げる必要があります。

2.手動で割当に対応しなければならない

プット売りがインザマネーになっても、日経225オプションの場合は差金決済でポジションは残りません。しかしカバードコールに移行するには先物ロングを保有している必要があるので、「手動割り当て」のオペレーションを行わないと連続性が保てません。

アメリカ個別株オプションや日本の個別株オプション(通称かぶオプ)は権利行使されると現物の株に置き換わりますが、この点が差金決済である日経225オプションの課題です。

3.コール満期時に手動で限月交代する

先物とコールの満期が同一の場合、コールがインザマネーになって消滅した時に一緒に株も消えます。

先物が残るリスクを回避するにはオプションのように毎月SQがある日経225ミニの期近を使うと良いでしょう。

しかし、先物とコールの満期を揃えると、もしインザマネーにならない場合にもミニが満期で消滅します。よって毎月ミニ+コール売りを新規で建てないと連続性が保てません。

満期の遠い先物をロングして、オプション満期を近くする方法もあります。

この場合はコールがアウトオブザマネーで終わった場合には先物が残るので良いのですが、もしインザマネーでSQを通過した際にはコールが差金決済で消滅しても先物が残るので、手動で先物を決済することになります。

毎月ポジションが消滅しないので楽な方法ですが、オペレーションスキルが要求されます。満期直前に期先のコールを売り損ねると先物だけが裸で残る懸念があるからです。

前者のミニを使う取引は毎月行う手間や発注に伴うロスが生じますが、必ず毎月ポジションが消えますので仕切り直しが容易です。

一方、後者の期先の先物ロング+期近コール売りの場合は、毎月先物を建て直す手間はありませんが、もしSQ値が寄り付き値より乖離するリスクを回避したければ満期直前にコールを追加売りする必要があります。

満期直前にコールを追加売りして2枚になった状態でSQが大幅上昇したら目も当てられませんので、余計なリスクを取っていることになるので注意が必要です。

4.先物価格の大幅下落で想定利益が減る

この戦略のリスクは、先物価格が予想以上に下落する点です。

もし先物価格が下落したからと言って、安い権利行使価格のコールを売ってはいけません。もし先物価格が9,750円まで下落したからアットザマネーのC9750を売ると、その後に先物が上昇した場合には10,000円で取得した先物を9,750円で決済する羽目になるので、250円のキャピタルロスが確定します。

よって先物価格がもし大幅に下落してしまってもコールの権利行使価格はプット売りの権利行使価格と揃えなければいけませんが、先物価格が下落するとコールのプレミアムは非常に安くなります。

よって想定の利益を見込めない可能性があります。

日経平均株価が右肩上がりになりそうなタイミングや相場が安定して下落しにくい時に投資を開始するとよいでしょう。

まとめ

ギリシャ文字を使わない戦い方として、プット売りや、先物を保有したカバードコールなど満期を通過する戦略を採用すれば実現できます。

しかしギリシャ文字を使わなくて良い反面、4つの課題があります。

1つ目がフルキャッシュの資金が比すようなこと、2つ目が手動で割り当てに対応すること、3つ目がコールの満期時にも手動で限月交代をしなければならないこと、そして4つ目が先物価格が大幅下落すると含み損が膨らむこと。

以上4つの課題を乗り越えられれば、日経225オプションでこのギリシャ文字を使わない戦い方を実現してインカムゲイン的な収入を積み上げられます。

もしあなたが日経225オプションにこだわらないのならば、4つの課題がクリアできる市場で取引を行えば問題は解決できます。

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