デビットスプレッドで資金を1/3に抑える発注順番とは?

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デビットスプレッド戦略を組もうと思った場合に、ポジションを作る順番には注意を払ったことがありますか?

【A】

  1. 先)売りポジション
  2. 後)買いポジション

と注文をするのと

【B】

  1. 先)買いポジション
  2. 後)売りポジション

 

この2つの建て方は、どっちを採用しても全く同じだと思って気にせず注文をしていませんか?

出来上がりのポジションは一緒であっても、デビットスプレッドは、買いポジションを先に建ててから、売りポジションを建てる。

これが鉄則です。

なぜなら、買いから始めたほうが1/3以下の資金でデビットスプレッドを組めるからです。

【A】売りから先に建てると、売りポジションの証拠金を満額要求されますので、オペレーション中に必要委託証拠金が639,900円かかります。

 

ところが、【B】のように買いオプションを先に建ててから売りポジションを建てるオペレーション中に、証拠金は増えることがありませんので、最初にコールを買ったオプション料の18万円だけで済みます。

このように、【A】売りからデビットスプレッドを組むよりも【B】買いからデビットスプレッドを組んだほうが、必要な資金を1/3以下に抑えられます。

よって、デビットスプレッドをできるだけ小資金で建てたいなら、買いポジションから建てるべきです。

この記事では、なぜ買いポジションの方を先に建てると資金が少なくて済むのか解説します。

あなたもこの記事を読んでデビットスプレッドの建て方をマスターし、小資金でデビットスプレッドを建てられるようになりましょう!

デビットスプレッド戦略とは

デビットスプレッドとは、買いと売りの組み合わせの中でも、満期が同じオプションの原資産価格に近いオプションを買って、原資産価格から遠いオプションを売る戦略のことです。

例えば日経平均株価が22,710円の時に、コール22750を1枚買って、コール22825を1枚売る戦略です。

C22625が180円で、C22750が130円の場合は、180円で買って130円で売るので、差し引き50円の支払いです。

支払額以上の損失が出ない、損失限定ポジションがデビットスプレッドの特徴であり、損益グラフを見て分かるように損失は限定で支払額の50円、最大利益は75円と利益も限定されます。

デビットスプレッド戦略で証拠金が掛からないためには

デビットスプレッドが証拠金不要で組める理由とは、完全損失限定ポジションだからです。

しかし、デビットスプレッドの形が完成した後は完全損失限定であっても、ポジションを組む過程で損失無限大の場面では必ず証拠金が掛かります。

証拠金とは最大ドローダウンの額をあらかじめ証券会社に預けておく仕組みです。

一瞬でも最大ドローダウンが損失無限大になる場合には証拠金は増加しますので、最大ドローダウンが損失無限大になるポジションは避けましょう。

そのために必須なオペレーションが、買いポジションを先に注文することです。

例えば先物をロングする場合には、証拠金を要求されます。

先物は損失限定ではないので、下図のような損益グラフを描きます。

横軸が日経平均株価、縦軸が損益です。

このグラフを見て分かるように日経平均が下落すれば損失は無限大に膨らんでいくので、先物ロングは証拠金を要求されます。

そこで小資金で取引できる手法として225miniより8.4倍も資金効率が良いオプション銘柄の選び方のコール買いがあります。

コール買いは損失限定のため、先物と異なり証拠金は掛かりません。

コール買いのオプション料を先に支払うだけなので完全損失限定ポジションです。

そのコール買いの損益グラフを表示すると、このような形となります。


損失限定のポジションだから、証拠金は掛かりません。

このコール買いポジションを組んだ後に、コール売りを組み合わせることでデビットスプレッドが完成します。

デビットスプレッドはこのような損益グラフを描き、損失限定です。

デビットスプレッド戦略もコール買いと同じ完全損失限定ポジションなので、証拠金が不要です。

よって、最大損失額が無限大とならないようにオプションを注文していけば、デビットスプレッド戦略で証拠金が高くなることを避けられます。

ただし、オペレーションの順番を間違えると、最大損失額が無限大となる組み方があります。

それが売りポジションから先に組んだ場合です。

売りポジションから先に建てると証拠金が必要

デビットスプレッドは損失が限定されたポジションなので、売りと買いの両方のポジションを組んだ後には、証拠金は掛かりません。

しかし、売りポジションから先に建てると、売りポジションがあるため最大ドローダウンは損失無限大です。

よって証拠金が発生します。

コール売りから先に建てた場合には、下図のような損益グラフのポジションを保有することになり損失が限定されていません。

このポジションはコール売りを先に建てた損益グラフになり、先物を建てた時と同じような、損失無限大のポジションです。

先物に証拠金が発生するのと同じように、コール売りだけを保有すると損失無限大のため、証拠金が発生します。

だからデビットスプレッド戦略は買いから始めるのが鉄則なのです。

デビットスプレッド戦略の証拠金の増減を確認する方法

では実際にデビットスプレッド戦略の組み方による証拠金の増減を確認してみましょう。使用したのはSBI証券の証拠金シミュレーターです。

【A】売り→買いの順番でデビットスプレッドを組んだ場合

まず、資金がかかる売りからポジションを建て証拠金の推移を調べます。

始めに130円のC22875を1枚売ると、必要委託証拠金は509,900円要求されます。

ここではポジションを建てる前に、約51万円の資金を保有しておかないと売り注文は出せないことを意味します。

そしてこのポジションを建てると、売りが1枚増えます。

130円のC22875を1枚売ったので「当社Net Option Value」が-130,000円と表示されています。

この-130,000円と、建てる前の必要委託証拠金509,900円を合計した639,900円が、ポジションを建てた後の維持証拠金として表示されています。

売りポジションを保有した状態で、次にC22750の買いポジションを新規に建てようとした場面です。

証拠金は依然として639,900円です。

これで買い注文が約定すると、デビットスプレッドの完成です。証拠金は買い→売りの場合と同一で0円になり、Net Option Valueが50,000円になりました。

このように、デビットスプレッドを組んだ後の必要証拠金は0円で支払ったオプション料が5万円のポジションが出来上がっても、途中で約63万円の証拠金を要求されるのが売りから始めた場合です。

【B】買い→売りの順番でデビットスプレッドを組んだ場合

では次に買いポジションから建てた場合で同様に証拠金の推移を確認します。

C22750を180円で買いますので、注文の新規の欄に1枚入力し、左上の「シミュレーション結果」をクリックします。

結果は、必要委託証拠金、維持証拠金ともに0円です。

次に建て玉の欄にポジションを入力すると、組んだ際にどのくらい証拠金が要求されるのかが分かります。

次の画像がC22750を1枚180円で買った後の証拠金の推移を示しています。

「当社Net Option Value」は180,000円と表示されており、180円のオプションを買ったことが分かります。

買いオプションなので必要委託証拠金や維持証拠金は0円のままです。

次にC22875を売ります。C22875はこの時130円でした。

C22875の売り注文を入れます。

注文するために必要な、必要委託証拠金は0円のままです。

C22875も約定してデビットスプレッドの形が完成すると、下図のように「当社Net Option Valueが50,000円」になり、証拠金がかからないデビットスプレッドの完成です。

以上のように、売りから始めると証拠金を合計で約63万円の資金が必要なのに対して、買いから始めるとオプション料の180円(18万円)だけで済みますので、3倍以上の資金の差がでます。

これがオペレーションの順番による資金の違いです。

デビットスプレッドを決済するには売り決済から

では最後にデビットスプレッドを決済する手順も確認しましょう。

デビットスプレッドは、満期が同一のオプションを取引しますので、SQ通過させれば差金決済でポジションが勝手に清算されますので、決済の手順に悩ましくなったり、流動性の問題で反対売買しにくい場合にはSQ通過させるほうがやりやすいのでお勧めです。

ですがもし途中で決済したい場合には、建てた時と反対に、売りポジションの買い戻し決済を先にして、その後で買いポジションの転売決済をするのが鉄則です。

理由はもちろん、損失無限大のポジションを作らないためです。

エントリーの順番どおりに買いポジションを決済すると、売りポジションだけが残り証拠金が掛かります。

SBI証券のシミュレーターで算出した結果を掲載します。

デビットスプレッドを建てた状態で、C23000の売り注文の買戻しを行えば証拠金の増加を抑えられます。

ただし、必要委託証拠金は発生します。

このように、デビットスプレッドを保有した後に売り決済するための必要委託証拠金は129,900円かかります。

この金額は、買いから入る際に用意していた買いオプション料の18万円を使っていなければ、その自己資金の範囲内で賄える金額です。

ですが証拠金を拘束される取引を他で行っていると、デビットスプレッドの返済をするための証拠金がない事態に陥りますので、その場合はSQ決済を選択します。

このように、途中決済に関しては必要資金の管理が煩雑になるので、最初のうちは満期通過を狙ったデビットスプレッドで利益を上げる戦略を検討すると良いでしょう。

まとめ

デビットスプレッドを建てるならオプション買いから始めるのが鉄則です。

理由は余分な証拠金拘束を避けるためです。

売りから入ると損失無限大のため証拠金が必要となります。

この証拠金は、デビットスプレッドを組んだ後ならかからないはずの証拠金なので、買いオプションから約定させて証拠金増加を抑えるようにしましょう。

デビットスプレッドは損失限定が最大のメリットなので、できるだけ小資金で組めるように取引技術を磨きましょう。

この取引技術を学ぶことで、期待値プラスのデビットスプレッドを実現しやすくなります。

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