
投資で負けた人がいろんな投資商品を経験した結果、たどり着くジャンルがあります。
それは「オプション」です。
オプション取引、またはオプショントレードと呼ばれていますが、個人投資家の95%がオプションを知らないというデータがあります。
投資を経験したことが無い人は存在すら知らない、しかし投資で損を出した後に真剣に勉強すると強烈な存在を感じる「オプション」取引。
オプションを知ることであなたの投資成績を安定させることに役立つ可能性があるのです。
投資で負けた人が取る行動
実に個人投資家の9割が投資で負けている経験があるという調査結果をあなたは聞いたことがあるでしょうか。
(日刊SPAでも特集で取り上げています)
FXではカリスマトレーダーがテレビ出演したり、主婦が脱税して話題になりますので、あたかも誰でも利益が出るように錯覚してしまいます。
実際のところ利益を出せているのはほんの一握りのプレーヤーで、大多数の人は少し投資をしてみたけど稼げなくて辞めてしまうことがとても多いです。
投資未経験者はオプションについてほとんど知りません。
その理由は投資で損した後に取る行動からも分析することが出来ます。
投資で損した後に取る行動をステップごとに分類しますと次のようになります。
- ステップ1.投資をやめる
- ステップ2.勉強して投資を続ける
- ステップ3.他に魅力的な商品を探す
この3ステップを経て、初めてオプションにたどり着きます。
しかも3ステップを経験すれば、まるでエスカレーターに乗って自動的にたどり着くというわけでもありません。
感度を高く情報を収集しないと目に止まることはないでしょう。
オプションは株やFXと異なり、テレビや一般雑誌には登場しません。
マネー雑誌やすでに口座開設した証券会社のニュースレター、投資関係の書籍でオプションを知ってインターネットで検索して初めてオプションの世界を知ることになります。
このようにあなたが情報収集のアクションを起こさないと、情報を取ることが出来ない存在なのです。
「オプション」は誰のためのものか
個人投資家でオプションを知っている人はごくわずかだと言えます。
実際オプション取引を行っている人は株式投資やFXを経験している人の中のさらに数%以下とも言われています。
ですが、プロの証券ディーラーや大口のトレーダーは、運用成績を安定させるために必ずと言っていいほどオプションを使っています。
プロは必ず使うのになぜ個人投資家はその存在すら知らない、または知っていても取り組まないのでしょうか。
個人投資家が取り組まない理由には、単純にプロとの資金量の問題ではなく「なんとなく面倒だから」という理由で取り組まない方が実に多いのです。
投資の世界は知っているか知らないかが大きく成績を左右します。
このオプションを知っていて使わないのと、知らないというのでは雲泥の差があります。
特にプロが有効に使っている手口を知らずにプロと同じ土俵で戦っていては結果が目に見えています。
投資の世界は自己責任
投資の世界は自己責任だとよく言われます。
もし情報を知らなくて損失を被っても、それは知らない本人が悪いので誰も損失を補填してくれません。
それを理解して、情報を収集したいと考える人がオプションの存在を知ることになります。
プロがオプションを使う理由
そのような個人投資家にはなかなか気付かれない存在であるオプションを、なぜプロは使っているのでしょうか?
それは、運用資金を安定化させることに他なりません。
将来のリスク(ここでのリスクというのは損失のみではなく、将来の損益の変動幅という意味になります)を軽減するために活用しています。
例えて言うなら、保険の役割です。
保険を掛けることで万が一のリスクに備えて対処できているのです。
ところで、あらゆる資産には保険が掛けられます。
- 自動車には自賠責保険や自動車保険、
- 家屋には自信保険や火災保険、
- 家財には家財保険、
- 人命には生命保険や医療保険、
- 旅行時の損害保険
ありとあらゆる保険が世の中には存在します。
さらには住宅ローンには団体信用生命保険があり、なんとゴルフにはホールインワンをした時の思わぬ出費をカバーするためのホールインワン保険なるものまであります。
ですがこと投資商品になると、保険を買えないのです。誰も保険を売ってないのです。
株の保険はどこで買えるのでしょうか?
FXに保険があったら万が一の損失を防げるのではないでしょうか?
金(ゴールド)や貴金属は安全資産と考えられてますが、価値の低下を防げないものでしょうか?
いずれも保険は売ってません。
そもそも存在していない商品に対して、「保険が無いかな」なんて考える人はいませんので、通常の投資家は保険があったらいいという概念すら起きないのが自然です。
もし保険があったらいいのにと思っていても、誰が保険を売ってくれるのか、どこでそんな保険が買えるのか知らないので、絵に描いた餅でしかありません。
資金量が豊富な人はリスクを全部引き受けない
プロや大口トレーダーが、運用する資金全額に対して保険を掛けずに、何億というお金を投資しているでしょうか?
個人投資家のお小遣いの額ならいざ知らず、場合によっては何千億もの資金を運用するのに、保険が無いのだったら作り出せないか考えると思うのが自然じゃないでしょうか。
そこで考えられたのが、保険を売買する商品としてのオプションなのです。
つまり資金量が豊富なプロが運用を行っているのに必要不可欠な「保険」として活用しているのがオプションなのです。
保険を掛けるのは何千億の資金を運用する人だけが使える特権ではなく、資金が10万円くらいから始めた個人投資家であってもこの保険は使うことができます。
でも誰もこの存在は教えてくれないので、95%の人が知らないのです。
日本で投資できるオプション
オプションは「Option=選択」という英語が語源となっていますが、権利の売買です。
どの保険を選ぶのか、それを買うのか、売るのか、「選択」するという意味から付けられています。
一番流通量がありメジャーなものは日経225オプションになります。
もしあなたが株を持っている場合に「日経平均株価が18,000円以下になったら困る」というときには日経平均株価が18,000円以下になったら利益が出るオプションを買うことで、株の資産価値が減ることを防いでくれる保険になります。
この保険を使わずに日経平均株価が18,000円まで下落した時に損切りの決済をすれば損失は免れることが出来ます。
ですが、株をずっと保有したい(株主優待や配当、それに将来上がるかもしれない期待)場合には安い保険料で万が一の損失を防いで出くれるとしたら、有効に使いたいものです。
この時の投資判断は、損切りをするのが良いのか、オプションを買って保険を掛けて値上がりを期待するのがいいのか、天秤にかけて選択することになります。
この選択することがオプションの語源でもあります。
今回は日経平均株価の保険としてのオプションを紹介しましたが、他にも個別株(ソニーやトヨタなど)オプションや、FXオプション(ドル円やユーロドル)、金や銀のオプションなどもあります。
投資商品は投資用不動産以外に保険を掛けることなんてできないと思われていますが、このような商品に保険を掛けることが出来ます。
保険を掛けられることが出来れば、万が一に備えることもできますし、保険そのものを利ざやを稼ぐために使うこともできます。
こうして発展していったのがオプション取引(オプショントレード)と呼ばれるジャンルになります。
このように原資産(=日経平均株価)に対して派生した商品をデリバティブ商品と呼び、先物取引やオプション取引がデリバティブ取引として有名です。
まとめ
投資で負けた後の行動は3パターンに分類される
オプションの世界を知ることができる個人投資家は全体の5%程度
プロは必ずオプションでリスクを分散させているので、個人投資家も学ぶことでスキルを磨ける
日本でできるオプションは日経225オプションがメジャーだが、通貨オプションや貴金属オプションもある