テスラ株急落時に600ドルの利益を上げたプットデビット戦略

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テスラ株が8月17日に急落しました。CEOの発言により市場に動揺が広がったと言われます。

これから下落すると思うので株を空売りして利益を得たいと考えた時にあなたはどうしますか?

短期的にはカラ売りして利益を上げられそうだけど、世界的な電気自動車の人気の高まりから一転して上昇したらカラ売りは大きな損失を被る危険性もあります。

このような時に有効な戦略がオプションを使ったプットデビットスプレッド戦略です。

プットデビット戦略を使えば、カラ売りと同じように相場の下落で利益を上げることができて、しかも損失は限定なので相場が反転しても損失は一定額で収まります。

下記の図は私の実際の取引事例です。

合計で610.12ドルの利益を上げることができました。

期間は8月17日から8月30日までの約13日間で、およそ986ドルの資金を使って610ドルの利益をあげたので非常に資金効率の良い取引を実現できました。

今回の記事では私がどのようなオペレーションをしたのか解説します。

下落の瞬間をとらえてプット買いでエントリー

8月17日の寄り付いたあとに、テスラ株が下落していました。図の矢印の場面です。

CEOの発言による失望売りと予測されました。

前日の株価は335ドル付近にありましたが、寄りつきにはギャップダウンで323ドルからスタートしました。

窓を開けてスタートして、その下落要因が明確であったので、私はさらに下落すると予測しました。

もちろん反転して上昇する可能性はありますが、ここはリスクをとって下落相場を利益に変えようと考えました。

この時利用したのがプットオプションです。

プットとは

プットオプションは、相場が下落すればオプション料が高くなる商品です。

このプットオプションを買い、相場が下落して買ったオプションが高くなったところで反対売買すれば、利益が見込めます。

株のカラ売りと似ていますが、決定的な違いがあり、損失は当初の支払ったオプション料に限定されていることです。

損失が出る、つまり相場が上昇してしまうとオプション料は無価値になるため損失ですが、損失額は買ったオプション料だけに限定されているので、株のカラ売りと異なり損失限定の安心感があります。

さらに、株のカラ売りでは証拠金が必要ですが、プット買いはオプション料の支払いだけで済むため、資金効率が良いです。

このプットを買う戦略で相場の下落を利益に変えようと考えましたが、私はさらにプットオプションを売るコンビネーション取引を行いました。

P320を買うのと同時にP310を売る、プットデビットスプレッド戦略です。

コストを抑えるためのプットデビット戦略

プットデビットスプレッド戦略とは、買ったプットのオプション料を、売って得たオプション料で引いてトータルの損失を軽減する戦略です。

もしプット買いのみで戦った場合には利益は無限大ですが、プットデビットスプレッドでは利益は有限となり、デビットスプレッドは無限の利益を放棄した現実派の戦略です。

今回はテスラ株は短期的には下落すると考えていましたが、どの程度下落するのかわからなかったのでプットデビットスプレッド戦略を採用しました。

プットデビットスプレッドの具体的オペレーション事例

今回のオペレーションでは、P320を買うコストは23.39ドル×100倍=2,339ドルでプットオプションを買いましたが、同時にP310を17.97ドル×100倍=1,797ドルで売たので、差し引き支払ったオプション料はわずか542ドルです。

子のステートメント表の、上から4行目と7行目に2018-08-17,10:42:26と書かれた取引履歴です。

この注文をした時にテスラ株は312ドルでしたが、株価が310ドルを割り込んできたため、私はP310を反対売買して、今度はP300を売ることにしました。

それがステートメント表の1行目と5行目にある2018-08-17,10:45:36と書かれた取引です。

P310を反対売買するのと同時にP300を建てました。

P310は17.97ドルで売っていて、19.1ドルで反対売買しているので1.13ドル、実際の価格にして113ドルの損失が確定しましたが、P300を14.66ドルで売ったので1,466ドルのオプション料の受け取りがあります。

よってこのプットデビットスプレッドを組成するのにかかった費用は、P320の買いオプション料23.39ドル―P300の売りオプション料14.66+P310の反対売買による損失1.13ドル=9.86ドルです。

実際の価格では986ドルでプットデビット戦略を建てることができました。

損益分岐点をクリアしているポジション取りを実現

ここで着目したいのは、わずか986ドルの支払いで、P320買いとP300売りのポジションを建てている点です。

このポジションの損益分岐点は、310.14ドルです。

なぜなら、ポジションを建てるのに支払った986ドルを回収するのに必要な株価の下落は、P320が986ドル以上の価値があれば損益はプラスマイナスゼロだからです。

よって、その損益分岐点をクリアするためには株価が310.14以下であればよくて、組成時に株価はすでに310ドルを割り込んでいたので、すでに損益分岐点をクリアしているポジション取りができました。

反対売買はオプションの満期直前に実行

オプションには満期があります。

満期まで保有していると、権利行使することになりますので、もし株に変わってほしくない場合には満期前に反対売買することになります。

今回は満期日の寄りつき後に反対売買しました。

ステートメント上では2行目と8行目に書かれている2018-08-30,11:11:45の取引です。

これにより利益が610.12ドルで確定しました。

今回の取引のポイント

今回は相場観に基づいて、テスラ株がこの先月末にかけて下落すると考えて、方向性のリスクをとって実行しました。

このような戦略を相場急変時にサッと組めたのは、ちゃんとプットデビットの原理原則を抑えていたからです。

さらには、期待値がプラスになるポジションの組み方を抑えておくことで、迷いなく発注することができます。

今回の事例ではP320@23.39を買ってP310@17.97を売り差し引き5.42ドルの支払いでしたが、すでにテスラ株は急落中で312ドル付近にいたので、損益分岐点をすでにクリアしてました。

これが期待値プラスの状態です。

このように期待値プラスであれば、今回は負けたとしても回数を重ねれば利益が残る可能性が高まります。

オプションは確率を味方につけることも勝つポイントです。

今回の期待値プラスのポジションは、まさに確率を味方につけた戦い方といえるでしょう。

取引最終日を待たずして、保有していたP320とP300を反対売買して利益を確定することができました。

この日は、株価が300ドルちょうど付近にいてどちらに株価が推移するかわからなかったので、早めの手仕舞いを行いました。

このまま満期通過すると、権利行使して株に変わる可能性があり、今回仕掛けたプットデビットスプレッドから大きく異なる戦略に移行してしまいます。

意図しないポジション取りにならないように、今回は満期前に手仕舞いをして終了しました。

まとめ

期待値プラスとなるデビットスプレッドの組み方をマスターすれば、確率論に基づいた戦略を組むことができます。

その確率を味方にするルールに基づいて方向性のリスクを取れば、心理的にも安心して取り組めます。

今回はSQ値が301.66ドルでした。

もしそのまま保有していた場合は、テスラ株のカラ売りポジションに変わっていたことになり、当初の目論見から大きく異なる戦略をとらざるを得ない状況に陥る危険性がありました。

このように取る必要のないリスクを避けて、とるべきリスクをきちんと利益に変えることが、オプショントレードでは実現できます。

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