オプション売りのロスカットを成り行き注文してはいけない理由

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リスクのイメージ

あなたは売ったオプションのロスカットはどのように注文していますか?

逆指値でロスカット注文を成り行き注文を出しておけば安心だ、と思っていませんか?

通常の相場変動の場合は、逆指値のトリガーで条件が成就したら成り行き注文を発注することで、きちんとロスカット処理が行われるでしょう。

しかし、相場が大きく変動した際には、逆指値で成り行き注文をしても板がスカスカで誰も売り手がおらず、売り手を追いかけて価格が吊り上がりとんでもない価格で約定する場合があるので、成り行き注文はご法度です。

この記事では、どうして成り行き注文をしてはいけないのか、そしてオプション売りのリスクをコントロールするためにどのような注文を出しておけばリスクを回避できるのかを解説します。

逆指値でトリガーを設定した後に指値注文がお勧め

もしオプション売りでロスカット注文を出しておく場合は、逆指値でトリガーを設定した後に、指値を高めに出しておきましょう。

例えばオプション価格が300円になったら注文が発動するトリガーを設定した場合に、条件成就の際の注文を310円で買い返済する、といった注文方法です。

このようにしておけば、もしオプション価格が300円になった場合に310円で買い返済注文が発注されますので、おそらく300円か305円で約定するでしょう。

指値注文のリスクは現在値と約定価格の差でロスがでる

ただ、この場合もリスクはあります。

指値を高めに出したせいで相場の妥当な価格よりも不利な価格で約定する可能性はあります。

本来なら300円で約定出来た銘柄を、310円で買い戻さなければいけないとすると、10円分を損します。

日経225オプションは1000倍なので、実質1万円のロスを計上しなければいけません。

成り行き注文によるコントロール不能の状態よりはまし

これでも、成り行き注文をした場合に比べたら不利な価格の程度が低くなるため、まだましです。

そもそもロスカット注文が発動する時点で負けを認めて撤退しなければいけなので、ある程度の不利な価格はやむを得ないと割り切って受容したほうが次の投資に気持ちを切り替えられるでしょう。

相場が大変動する際に、オプションの板を見たことがある人ではないとなかなか実家が湧かないと思いますが、オプションの流動性が著しく低下します。

このような場合に成り行き注文を通すと、オプション取引で心の隙を「ドーーン」と突く手口の暴露でも解説したようにかなり不利な価格で約定する可能性もあります。

このような板の状態で成り行き注文を出してしまうとなんと730円で約定します。

本来300円のところが310円で1万円不利だと思っていたら、なんと430円分、つまり43万円も不利な価格で買い戻さなければいけなくなってしまったとしたら、全くリスクをコントロールできていないでしょう。

逆指値注文の限界

これは相場の大変動だけに限ったことではなく、夜間の流動性が非常に少なくなった時間帯や週末や祝日などの取引所がクローズしている時間帯でも同様です。

場が開いていないときに事件や事故が起きると、相場が下落して始まりますが、逆指値注文を入れていたからと言って場がクローズしていたら発注も通りません。

よって、どうしてもオプション売りの逆指値注文を入れてカバーしたい場合は、万が一に備えてもう1つくらいヘッジ手段を講じておく必要があるでしょう。

オプション売りのコツコツ利益の見返り

相場の大変動時に、一発で退場してしまうのが最も怖いので、何とか損失限定に抑えておけば、オプションの売りでコツコツ利益を積み上げられるかもしれません。

よって、一発で退場する危険性がある以上はその危険性をいかにコントロールするかが重要です。

このコツコツドカンの「ドカン」さえコントロールすれば、多少火傷はしょうがないとしても一発退場の憂き目にあわなくて済むかもしれません。

このようなオプション売りの怖さやコントロール方法については、オプション投資家養成塾では触れていません。

なぜなら養成塾はオプションを学び始めた方に向けた内容なので、売りのリスクコントロールの難しさについては、具体的には触れつつも単純な売り戦略は推奨していません。

リスクコントロールが自由にできて、かつリスクを許容できる人だけが、オプション売りを操れますので。

普段想定していないリスクを考慮して、その対策をあらかじめ講じる術を身に付けなければいけません。

なので、非常に高度なスキルと知識が必要です。

安易にオプションを売るのは簡単ですが、リスクをコントロールするのは非常に難しいです。

ただ、売り戦略は8割以上の勝率があると言われるほど勝率が高く利益になりやすい戦略です。

たいていの相場なら、難なく利益を上げられるでしょう。

2018年10月の荒れ相場であっても、売るオプションの銘柄によってはそれほど苦も無く利益を出せたかもしれません。

リーマンショックや東日本大震災のような、未曽有の変動が起きた時にどうするのか。

これを考えておかないと、コツコツ積み上げた利益を一発でドカンと吐き出してしまうことにつながります。

利益を積み上げておいて利益が無くなるだけであればまだよいですが、自己資金まで吹っ飛ばして退場する危険性すらあります。

初心者こそリスクをきちんと理解する必要がある

このことを理解すればするほど、売り戦略は難しくてなかなか手が出せないということが分かるのですが、オプション取引を学び始めた方にはなかなかこのリスクをわかってもらえません。

そのリスクを徹底的に分析したのがオプション投資家養成塾の内容で、単純な売り戦略ではなくオプションの特徴を活かした戦略について戦い方のロジックを解説したのがオプション投資家養成塾です。

でも、オプションを学び始めた方の大半は売り戦略の勝率の高さと何もない時の安定収益に魅力を感じて、安易に売り戦略を採用してしまいます。

売り戦略をとるのが悪いわけではなく、リスクをコントロールできるスキルと知識を持っていれば、問題ないと思います。

ただ、そのようなスキルと知識を持っている人は、安易な売り戦略は行わないでしょう。

何かしらの強い相場観を持っていたり、ヘッジを何重にもかけて安全性を高める手段を講じてオプションを売りを行っているはずです。

リスクのないところにリターンはありませんので、オプション売りが勝率も高くてカンタンだというのは、見えざるリスクが潜んでいることを知っておかなければいけません。

ただ、それを知らずに安易に売り戦略を仕掛けてしまうのがオプションの初心者であることもまた事実です。

まとめ

逆指値注文は完璧なリスクコントロールではありません。

通常期の相場なら問題なく約定しますが、一発ドカンと大きな相場になった際には、流動性が枯渇して資金を大きく減らしてしまうことがあります。

よって逆指値でトリガーを設定しておいて、少し高めに返済注文を入れておくことも取引技術として覚えておくと良いでしょう。

ただし相場によっては返済注文の金額が高いことで不要なロスが発生したり、大相場の時にはその指値価格を飛び越えてしまう危険性もあることを認識しておきましょう。

この場合は成り行き注文を出したほうが約定はしますが、価格が飛んでいることで大きく不利な価格で約定する可能性もありますので、成り行き注文は避けたほうが良いでしょう。

一般社団法人オプショントレード普及協会の2018年10月の研究会では、このような場面で売りの安全性を高めるための研究を行い、3段ヘッジを掛ける方法について議論しました。

この3段ヘッジでも完璧ではありません。

リスクがあることは認識したうえで、いかにヘッジを100%に近づけられるか、その可能性について議論しています。

100%完璧なヘッジがあるとすれば、ポジションを取らないことです。

ただしリスクが無いところにリターンはありませんので、どこかしらにリスクがあることを認識して、そのリスクを引き受けられるものとするようにリスクコントロールをする手段の一つとして検討しています。

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