カバードコールがApple社の決算発表後でも通用する理由とは

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red apple fruit

先日アメリカのiphoneで有名なapple社が決算発表を行い、5G対応のiphoneについて少し言及がありましたね。

例年は9月に新モデルを発売するところが、今回は1か月先の10月になりそうだという発言がありました。

市場は決算発表にたいして好感しているようで、株価は上昇しました。

384ドル(決算前の引け値)から411ドル(決算後市場オープンの始値)と上昇したので、決算によって株価が約7%上昇しました。

その後の株価は現在438ドルまでさらに上昇しています。

予想できた方もいるかもしれませんが、なかなか決算発表で株価がどのくらい変動するかを当てるのは困難です。

私たち個人投資家には結果として株価が上昇したことを確認するしかありません。

もうすでに決算が終わっているので、市場価格は決算を織り込んだと言えるでしょうか。

このような株価は指をくわえて見ているしかないのでしょうか。

もし一時的な下落はあるにせよ、Apple社の業績は今後も株価は高値で推移して好調を維持すると考えた場合には、米国株オプションを使ったカバードコールする手法があります。

株価上昇後のカバードコール

カバードコールはApple社の株価を保有して、Apple社のコールを売ります。

コールの価格は、株価が上昇するほどに高くなりますので、決算前よりも決算後のほうが全体的に割高になっているはずです。

そこで現在のオプションの価格表を掲載しました。

使用したツールはサクソバンク証券のSaxo Treader Goという、通常のブラウザで動くサクソンバンク証券の専用ツールです。

コールは左側にあり、プットは右側にあります。

このオプションの満期は右上にあるように9月4日まで、残り30日間のものを掲載しました。

現在のApple社の株価は438.66ドルです。

カバードコールの実例:コール440ドルを売った場合

カバードコールの例として、440ドルでApple株を100株取得してコール440を売ったとします。

決算発表で上昇したけど、さらなる上昇は起きないだろうという相場観です。

この時のコール440のオプション料は17.65ドルでした。

よってコール440は17.65ドルで売ることが出来そうです。

100株単位なので、1,765ドル、つまり日本円にしておよそ19万円がオプション料としてあなたの口座に入ってきます。

もし30日後に株価が440ドルより高くなっていれば、あなたは1,765ドルの利益をわずか30日で獲得できます。

計算すると1,765ドル÷株取得費440ドル×100株=1,765ドル÷44,000ドル=4%の利回りです。

440ドルのコールを売っているのであれば、440ドル以上に達したら、コールを買っている側に権利行使されて、売っている側は損失になるのではないかと思われるかもしれませんが、コール売りポジションは440ドルで売る契約をしているので、いくら値段が上がっても持っている株を440ドルで売るだけです。

よって、440ドル以上になってコール売りが損失になるかどうかよりも、もともと440ドルで株を手放しただけと考えます。

例えば450ドルになった時に権利行使されたら、コール440ドルの売りは100ドル程度損失していると考えずに、コール440を売っている=440ドルで株を手放す契約なので、株価が450ドルであっても例え500ドルであっても、自分が保有している株を440ドルで手放すだけで権利行使の義務を果たせます。

ポイントは、コール売り+現物を持っている点であり、カバードコールのコール売りは持っている株を決められた価格で手放すだけの効果しかないので。カバードコールによってリスクは高まることはありません。

カバードコールの実例:コール450ドルを売った場合

今度は、株価と同じ水準ではなくもう少し離れたオプションとして、コール450を売ってみたことを考えます。

コール450は13.20ドルで売れますので、約14万円のオプション料を得ることが出来ます。

株価が450ドル以上になった場合

株価が450ドル以上になった場合は、上昇益(キャピタルゲイン)+オプション料を利益をして計上できます。

440ドルから450ドルまでの値上がり益=10ドル×100株=1,000ドルがキャピタルゲインとして利益確定です。

オプション料は13.20ドルで売れたので13.20ドルはそのまま利益として計上できます。

よって最終のリターンは、1,000ドル+1,320ドル=2,320ドルとなります。

計算すると2,320ドル÷44,000ドル=約5%の利回りです。

株価が440ドルから動かなかった場合

もし株価が、今の水準の440ドルから変化しなかったとします。

市場参加者は、決算を見て株価が安いと思って買い進めたものの、今は適正価格となっていると判断しているのでしょうか。

この場合の収益を計算すると、株価のキャピタルゲインはありません。

その代わりコールオプションを売ったオプション料は全部受け取れますので、13.20ドル×100倍=1,320ドルを得られます。

こちらの利回りは1,320ドル÷44,000ドル=約3%の利回りです。

もし440ドルから下落した場合

Apple社の株価が440ドルから下落した場合は、株を保有しているので値下がりの分含み損が出ます。

その代わりにコールオプションを売ったことで得られたオプション料1,320ドルは受け取っているので、合計すると含み損は少し緩和されています。

コール440を売ることとコール450を売ることの違い

上記の計算では、コール440を売った場合は、キャピタルゲインを放棄している代わりにオプション料を高く受け取ることが出来て4%の利回りが出そうです。

一方でコール450を売った場合はキャピタルゲインを得ることが出来るため、5%の利回りを実現できそうです。そうなれば、コール440を売っていた時より多くの利益を手にすることが出来ます。

コール440を売るよりもコール450を売ったほうがリスクが高い(将来のブレが大きい)ため、思惑通りに進めばリターンが大きくなります。

リスクは、 コール440<コール450 だと言えます。

 

よって、コールのどこの銘柄を売るかというのは、今後のApple社の株価上昇をどこまで見込むかという選択となります。

もし決算発表で株高になったがその後は横ばいだろうと考えた場合には、コール440を売ってオプション料を多くもらう選択肢があります。

一方で決算発表の株価の反映がまだ織り込み切れていないと思えば、コール450を売ったり、もっと強気にコール460を売ることで、オプション料は少なくなりますがキャピタルゲインを狙いに行きつつオプション料を少しもらうことが出来ます。

コールを売ることに追加リスクはない

カバードコールがオプションの初級者向け戦略と言える理由とは、個別株を保有してコールを売ることには個別株以上の追加リスクが発生しないので、収益の予測が立てられるからです。

投資のリスクを示す標準偏差も小さくなりますので、株式が持っているブレを抑えてくれる効果がカバードコールにはあります。

標準偏差については標準偏差が資産運用に与える影響とシャープレシオで解説しています。

もしApple社の株を買っていたなら、カバードコールを行ってオプション料をインカムゲイン的に得られる戦略を取れる方法があることをご理解できたでしょうか。

もしかしたら市場参加者はもっと株価が上がると思って買い進めているのかもしれませんが、現段階では判断することが出来ない場合は予想するしかないので、そのような相場の予想が得意ではない方は無リスクで利益を得られるカバードコールをする選択肢もあるということを覚えておいたほうが良いでしょう。

まとめ

カバードコール戦略なら、決算発表があったのを確認してから、投資を開始するという選択肢を取ることが出来ます。

もし決算発表が株価に反映されきらずにもっと上昇すると思えばキャピタルゲインを狙って少し離れたコールオプションを売れば利回りが5%に、決算発表で材料が出尽くしたと考えたのなら今の株価に近い権利行使価格のオプションを売って、オプション料を多めに確保することで4%の利益が見込める戦略も取ることが出来ます。

カバードコールを行うことで標準偏差が小さくなりますので、将来のブレが株式単体よりも小さくなります。

株価が今後上昇するか下落するか分からない場合には、このようなインカムゲイン的な収入を狙う戦略もあるということを覚えておきましょう。

日本でもかぶオプはこれから広まっていくと思いますが、アメリカではすでに株オプションの流動性が高いのでこのような戦略を取ることが出来ます。

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