オプション単体の取引で勝つのが難しい理由とボラティリティトレード

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日経225オプションは満期まで放置するのではなく、期中で目標の損益に達したら決済するので、「デルタ、ガンマ、セータおよびベガ」というリスクパラメータを意識しながら取引をします。

ギリシャ文字ともいわれるこの4つの指標ですが、この中では簡単にデルタはヘッジできます。日経225ミニを使います。

このミニによるデルタヘッジさえ充分に出来ていれば、上がるか下がるかの方向性のリスクは取らずに済んでいるからオプションで大きく負けることはない、と思っていませんか?

実は方向性のリスクだけを消しても、オプションには3つの判断が必要なので、残り2つのリスクをどうとるのかが求められます。

ヘッジでデルタやガンマやセータを消して、初めてオプショントレードはボラティリティトレードだと言えます。

オプションと先物のイメージが湧かない方のためにオプションのヘッジについて記載します。

利益になるのは3つの判断が正しいとき

オプション投資に限らず、何においても、リターンを得るためには、何らかのリスク(不確実性)があります。

そのリスクに対し、判断をし、その判断が正しい場合に得ることができるのがリターンです。

ではどのリスクに対して判断するか、これが問題になります。

株式を保有し、上昇益(リターン)を得たいと思う場合は、株価の上昇という不確実なリスクに対し、「上昇する」という判断をして、それが当たった場合に上昇益を得ることできますよね。

ここでは、

①株価の上下動のリスク

をとっていると考えます。オプションでコールを買った場合は、

①原資産の上下動
②時の経過と原資産の変動の量
③市場参加者のオプションニーズ(買いニーズと売りニーズのどちらが強いか)

という3つのリスクにおいて、

①は株価の上昇
②短い期間で大きな変動
③市場参加者のオプションの買いニーズの高まり

という判断をすることになり、この3つの判断が正しいときに利益になるわけです。

オプション単体では3つの判断に成功しなければ利益にならない

オプション単体では、この①②③の3つの判断に成功しなければ利益になりません。

でも①原資産の上下動のリスクについては、非常に簡単に対応できます。

株式や先物、FXなどをダイレクトに取引すればいいわけです。

 

ですが先物やFXには②時の経過と原資産の変動の量、③市場参加者のオプションニーズのリスクはありませんので、上がると思った時に買って、下がると思った時に売ればいいだけです。

しかし、株価の変動の予想というのは簡単ではないですよね。

予想に当たり続けていたら今頃は億万長者にになっているはずです。

 

原資産の上下動のリスクはとりたくないとなると、株式や先物ではそのリスクしかとりようがないのでお手上げですね。

そこでオプションの登場です。

 

オプションには

①原資産の上下動
②時の経過と原資産の変動の量
③市場参加者のオプションニーズ

のリスクがありますので、市場で予想しようがない株価の上下動というリスクをとらなくても②や③で勝負することが可能になります。

オプションとヘッジに使う先物の損益は必ずNET(合計)で考える

ここからはオプションを以下にヘッジするかの話です。

オプションに先物をあてる(デルタヘッジ)というのは、①原資産の上下動のリスクをその時点ではゼロにすることを意味します。

相場が動けば、オプション側が利益になって先物側が損失となったり、その逆に利益になったりしますが、「先物のせいで損した」とか「オプション側で大きな損失となった」というようには考えません。必ずNET(本体とヘッジの合計)で考えます。

さらにオプションや先物の損益が出る要素(メカニズム)のうち、原資産の上下動はヘッジしているから、上下動による損益はなかったと考えるわけです。

このようにオプションと先物をセットにしたポートフォリオは、あくまで①原資産の上下動を消しただけで、②時の経過と原資産の変動の量、③市場参加者のオプションニーズのリスクは残っています。

③市場参加者のオプションニーズのリスクだけで勝負するのがオプションの究極形

②時の経過と原資産の変動の量
③市場参加者のオプションニーズ

の両方で勝負するのか、②だけで勝負するのか、③だけで勝負するのか。

このとき②のリスクを消して③だけで勝負したいと考える場合、時の経過と原資産の変動量の影響を消さないといけません。

時の経過によりどれくらいの損益が出るのか、相場の変動によりどれぐらいの損益になるのかを分析し、先物を使ってデルタをダイナミックにヘッジすることで時の経過と原資産の変動量の影響を事後的にできるだけ小さくします。

これにより、③オプションの買いニーズが高まるか売りニーズが高まるかという勝負にかけることができるわけです。

単純化すれば、オプションの持つリスクのうち使いたくないリスクを消すために先物を使うわけです。

当初は何枚のミニが必要か(①)、途中相場の変動で何枚のミニを決済または追加すればいいのか(②)、といった分析をし、必要な枚数のミニを売ったり買ったりするのです。

もちろん、目標の利益が出たら、期中でポジションを閉じます。

オプションとミニで一つのポジションなので、どれかを残すということはしません。

まとめ

オプションで利益を出すためには3つの判断が成功した時です。

3つのうちの①はダイナミックヘッジなどのデルタヘッジを行って技術的にヘッジ可能です。

②も長期的に見ると時の経過と原資産の変動の量のどちらに優位性があるというわけではないので、施行回数を増やせばお互いにヘッジ関係にあると言えます。

残された③の指標がインプライドボラティリティであり、オプション取引では究極的にはこの③で利益を上げる商品であると言えます。

ヘッジは本体とほぼ同時に仕込んでトータルの値段(NET)で判断しますので、戦略を変えない限りはヘッジポジションは本体の先物を保有している間はヘッジも保有し、決済は先物と同時に外すことが基本です。

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